コンゴ民主共和国(2020年度)
日本語教育 国・地域別情報
2018年度日本語教育機関調査結果
機関数 | 教師数 | 学習者数※ |
---|---|---|
1 | 5 | 30 |
教育機関の種別 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
初等教育 | 0 | 0.0% |
中等教育 | 0 | 0.0% |
高等教育 | 0 | 0.0% |
学校教育以外 | 30 | 100.0% |
合計 | 30 | 100% |
(注) 2018年度日本語教育機関調査は、2018年5月~2019年3月に国際交流基金が実施した調査です。また、調査対象となった機関の中から、回答のあった機関の結果を取りまとめたものです。そのため、当ページの文中の数値とは異なる場合があります。
日本語教育の実施状況
全体的状況
沿革
1982年にJICA帰国研修員が中心となり、高等応用技術学院(Institut Supérieur des Techniques Appliquées)及び国立職業訓練機構(Institut National de Préparation Professionelle : INPP)内に、一般人を対象とした日本語教室を開設した。
その後、1984年に両日本語教室はINPPに統合され、1988年にJICAによるLL機材供与を機に、この日本語教室は高等商業学院(Institut Supérieur de Commerce)内に移転された。2004年から日本語教室は閉鎖。2010年6月、小規模ながら高等商業学院における授業は再開し、2011年には元国費留学生による日本語授業がキンシャサ大学で開講されたが、現在は休講となっている。他方、2011年より、高等教育学院(Institut Supérieur Pédagogique)において、慶應大学環境情報学部との提携のもと、日本語教師育成を目指した日本語教室が開講された。2013年には、草の根文化無償の枠組みで高等教育学院内に日コンゴ交流センターが建設され、日本語・文化普及の拠点が完成し、現在まで多くの日本語生徒を輩出している。2016年には、コンゴ・プロテスタント大学(UPC)にて日本語の授業が開始されたのに加え、2018年には、国立行政学院(ENA)でも日本語の授業が不定期的に開始された。
背景
コンゴ民主共和国では長年にわたり続いた紛争による経済社会の混乱を受けて、在留邦人数も80名程度に留まっている。このため、一般のコンゴ(民)人が、直接日本人と触れ合う機会は少ない。しかしながら、国内では日本車の普及率が極めて高く、また街中では多くの日本電化製品が販売されているため、日本の経済大国・技術先進国としてのイメージは広くコンゴ(民)国民にも浸透しており、また、柔道は最も人気の高いスポーツのひとつになっていることから、こうしたスポーツを通じて日本に関心を抱く者も少なくない。2017年現在、公教育の場において、日本語教育を普及させるための大規模な政策は取られていない。
特徴
学習の場や機会は極めて限られている。
最新動向
高等教育学院では、日本語教師育成を目的とした授業が組まれている。
教育段階別の状況
初等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
中等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
高等教育
選択外国語科目として、高等教育学院(2011年開講)で日本語教育が実施されている。
学校教育以外
日本語教育の実施は確認されていない。
教育制度と外国語教育
教育制度
教育制度
初等教育 (6年/7~12歳)
中等教育 (6年/13~18歳)
高等教育 (大学:5年/19~23歳)
なお、法律上義務教育は初等教育の6年間とされているが、実質上形骸化している。
教育行政
初等教育、中等教育の管轄は初等・中等・職業教育省である。
高等教育の管轄は高等・大学教育省である。
言語事情
初等教育ではフランス語が使用されているが、1年生と2年生のクラスでは国語であるリンガラ語、スワヒリ語、キコンゴ語及びチルバ語とフランス語が併用されている。
中等教育、高等教育ではフランス語が使用されている。
外国語教育
初等教育において外国語教育は実施されていない。
中等教育における外国語教育は英語のみであり、1年生から始められている。
高等教育における外国語教育はほとんど英語である。
外国語の中での日本語の人気
大学入試での日本語の扱い
大学入試で日本語は扱われていない。
学習環境
教材
初等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
中等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
高等教育
岩崎言語教育プログラム開発「岩崎メソッド」(高等教育学院)
(岩崎メソッドHP:http://www.ilpd.jp/misj/j/what_is_ilpd.htm)
学校教育以外
日本語教育の実施は確認されていない。
教師
資格要件
初等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
中等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
高等教育
資格要件は特にない。
学校教育以外
日本語教育の実施は確認されていない。
日本語教師養成機関(プログラム)
高等教育学院では、2011年5月より、日本語教育に関する慶應大学環境情報学部との共同プロジェクトが開始され、2012年度には、日本語教員養成を目的とする授業が開講した。2016年11月、同学院と慶應大学環境情報学部との間で交流協定が締結された。
日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割
高等教育学院において、慶應大学環境情報学部の協力のもと、日本人教師が指導にあたっていた。
教師研修
現職の日本語教師対象の研修は確認されていない。
教師会
日本語教育関係のネットワークの状況
日本語教育関係のネットワークは確認されていない。
日本語教師派遣情報
国際交流基金からの派遣
国際協力機構(JICA)からの派遣
国際交流基金、JICAからの派遣は行われていない。
その他からの派遣
日本語教師は派遣されていない。
シラバス・ガイドライン
統一シラバス、ガイドライン、カリキュラムは確認されていない。
評価・試験
共通の評価基準や試験は確認されていない。
日本語教育略史
1982年 | 高等応用技術学院(Institut Supérieur des Techniques Appliquées)、国立職業訓練学院(Institut National de Préparation Professionelle : INPP)にて日本語教室開設 |
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1984年 | 上記2つの日本語教室は国立職業訓練機構(INPP)に統合 |
1988年 | 国立職業訓練機構(INPP)は高等商業学院(Institut Supérieur de Commerce)内に移転(2004年より一時閉鎖。2010年6月に再開するも再閉鎖) |
2008年 | 慶応大学環境情報学部で英語を教えるコンゴ(民)人のペデロ氏は、同学部の長谷部准教授(教育)らと、コンゴ(民)において良質の教育を提供し、日本とコンゴ(民)の教育交流を促進し相互の文化を学んでいく「アカデックス(ACADEX:Academic+Excellenceの意)」プロジェクトを立ち上げた。翌年、ペデロ氏が非営利団体「アカデックス教育グループ」を設立した。 |
2011年 | マシャコ高等教育大臣(当時)から慶応大学環境情報学部に対して「日本語・文化の発信をして欲しい」との要請があり、同大臣から紹介された高等教育学院(Institut Supérieur de Pedagogique)ゴンベ地区校にて日本語教育を開始(日本語教育には岩崎言語教育プログラム開発(ILPD)の教育法を利用)。 キンシャサ大学(元国費留学生会による運営)における日本語授業を開始するも休講。 |
2013年 | アカデックス教育グループが、慶応大学環境情報学部の協力を受けて建設した日本語・文化普及の拠点が完成した(草の根文化無償「高等教育学院(ISP)日・コンゴ交流センター整備計画」)。 |
2016年 | アカデックス教育グループは、日・コンゴ交流センターの協力を受けて、コンゴ・プロテスタント大学(UPC)にて日本語の事業を開始(国際交流基金「さくらネットワーク助成・日本語普及活動助成」)。 慶応大学環境情報学部と高等教育学院(ISP)ゴンベ地区校間で交流協定(5年間)を締結 |
2018年 | アカデックス教育グループは、日・コンゴ交流センターの協力を受けて、国立行政学院(ENA)にて不定期的な日本語の授業を開始。 |