仏領ポリネシア(2020年度)

日本語教育 国・地域別情報

2018年度日本語教育機関調査結果

機関数 教師数 学習者数※
3 2 134
※学習者数の内訳
教育機関の種別 人数 割合
初等教育 0 0.0%
中等教育 80 59.7%
高等教育 0 0.0%
学校教育以外 54 40.3%
合計 134 100%

(注) 2018年度日本語教育機関調査は、2018年5月~2019年3月に国際交流基金が実施した調査です。また、調査対象となった機関の中から、回答のあった機関の結果を取りまとめたものです。そのため、当ページの文中の数値とは異なる場合があります。

日本語教育の実施状況

全体的状況

沿革

 1980年代半ば、SOS医師団がタヒチに入港する日本の遠洋航海船の船員を治療するため、日本語教育が開始。また、同時期にタヒチ商工会議所に日本語コースが開設されたが、どちらも当時は、滞日経験のある元外交官によって行われていた。その後1990年にラ・ムネ高校でオプションとして日本語が教えられるようになり、当地の日本語教育が本格的に開始された。一時は他の高校や大学でも教えられていたが、2017年9月、日本語教育を実施する機関はラ・ムネ高校だけとなっていた。

背景

 観光産業が発達しており、首都パペーテのあるタヒチ島とボラボラ島を中心に日本からの観光客も多いので、観光産業従事者は必然的に日本語でのコミュニケーション能力が必要になっていた。近年は中国人観光客の増加により日本語よりも中国語の需要が高まっている。

特徴

 観光産業向け日本語教育が中心。

最新動向

 2012年度日本語教育機関調査ではラ・ムネ高校以外の日本語のクラスが閉講され、日本語の教育機関は同校だけになっている。

教育段階別の状況

初等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

中等教育

 ラ・ムネ高校で日本語教育が実施されている。

高等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

学校教育以外

 日本語教育の実施は確認されていない。

教育制度と外国語教育

教育制度

教育制度

 フランス本国に準じている。

教育行政

 初等及び中等教育については、仏領ポリネシア教育省が統括、高等教育については、フランス教育省の管轄。両者ともに、仏領ポリネシア高等弁務官、及び仏領ポリネシア政府議長の管轄下にある。

言語事情

 公用語はフランス語とタヒチ語の両方が認められているが、一般的にはフランス語が使われる場合が多い。タヒチ島、ボラボラ島以外の離島になると、タヒチ語が使われる場面が多くなってくる。各テレビ局のニュース番組では同じ内容でフランス語版とタヒチ語版の2回分放映される。その2語以外に公用語ではないが、各諸島それぞれ特有のまったく違った言語も存在する。

外国語教育

 フランス本国に準じている。現地語のタヒチ語を第二外国語として履修し、バカロレア試験で選択することも可能である。

外国語の中での日本語の人気

 日本からの観光客はアメリカ、フランスに次いで3番目に多い(下記参照)が、タヒチでは2017年1つの高校でのみ日本語が教えられている状況であり、タヒチ全体での日本語の人気については把握できない。観光産業従事者は日本語での接客が必要だが、近年は中国人観光客の増加により、日本語よりも中国語の需要が高まっている。
(参照)仏領ポリネシア統計局2017年第1四半期観光統計による
http://www.ispf.pf/docs/default-source/tb-tourisme/tb-2017-t1.pdf?sfvrsn=10

大学入試での日本語の扱い

 バカロレア試験での選択科目のひとつ。

学習環境

教材

初等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

中等教育

 市販教材は使用されておらず、教師の自主作成教材を使って授業が行われている。

高等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

学校教育以外

 日本語教育の実施は確認されていない。

IT・視聴覚機材

 ラ・ムネ高校ではビデオプロジェクター、パソコン、インターネットが使われている。

教師

資格要件

初等教育

 日本語教育は実施されていない。

中等教育

 日本語教育が行われている機関は公的機関であるため、フランス教育省の管轄下にある。したがって、titulaire du diplôme d’enseignant(教員免許)が必要である。

高等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

学校教育以外

 日本語教育の実施は確認されていない。

日本語教師養成機関(プログラム)

 日本語教師養成を行っている機関、プログラムはない。

日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割

 ラ・ムネ高校にネイティブ教師が1名おり、日本語と英語の授業を担当している。

教師研修

 現職の日本語教師対象の研修はない。

現職教師研修プログラム(一覧)

教師会

日本語教育関係のネットワークの状況

 日本語教育関係のネットワークはない。

最新動向

 特になし。

日本語教師派遣情報

国際交流基金からの派遣

国際協力機構(JICA)からの派遣

 国際交流基金、JICAからの派遣は行われていない。

その他からの派遣

日本語教育略史

1980年代半ば タヒチ商工会議所にて日本語コース開始
1990年 ラ・ムネ高校、タヒチホテル高校、仏領ポリネシア大学にて日本語教育開始
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