ジョージア(2020年度)

日本語教育 国・地域別情報

2018年度日本語教育機関調査結果

2018年度日本語教育機関調査結果に関する帯グラフ。機関数は6件、教師は18名。初等教育は0名で全体の0.0%、中等教育は0名で全体の0.0%、高等教育は111名で全体の28.8%、学校教育以外は274名で全体の71.2%。

(注) 2018年度日本語教育機関調査は、2018年5月~2019年3月に国際交流基金が実施した調査です。また、調査対象となった機関の中から、回答のあった機関の結果を取りまとめたものです。そのため、当ページの文中の数値とは異なる場合があります。

日本語教育の実施状況

全体的状況

沿革

 ジョージアの教育機関で最初に日本語が教えられたのは1983年であるが、本格的になるのは1991年のトビリシ・アジア・アフリカ大学(Tbilisi Institute of Asia and Africa、現在はトビリシ自由大学に所属)での日本語教育開始以降である。
 翌1992年にはトビリシ市の第34中学校でも日本語の授業が導入され、現在は2つの初等・中等教育機関と4つの高等教育機関で日本語教育が行われている。  

背景

 ジョージアでは柔道や空手等の武道も盛んであり、従来より親日感情は強く、日本の伝統文化に加え、最近では日本のポップカルチャー人気の高まりなどもあり、特に若者の間での日本語に対する関心は比較的強い。

特徴

 一部の初等・中等教育機関や私立の語学学校でも日本語が教えられているが、現在は大学が日本語教育の中心となっている。近年は日本の小説、相撲、アニメ等ポップカルチャーに対する関心から日本語学習を始める若者が増えており、インターネットなどを利用して日本語を独学している人も少なくないと見られる。

最新動向

 2018年よりイリア国立大学において選択科目として日本語のコースが設置された。
 2018年よりバトゥミ国立大学において選択科目として日本語の授業が行われている。

教育段階別の状況

初等教育

 下記【中等教育】を参照。

中等教育

 トビリシ市内の第34中学校(旧名称「Author Educational Centre "Georgian School"」)においては、ジョージア人日本語教師の下、6年生から8年生まで46名の生徒が日本語を学んでいる。また、トビリシ郊外の私立中等学校であるブリタニカ英語学校でも日本語が教えられており、7年生から10年生までの98名が日本語の授業を受けている。

高等教育

 日本語の専攻コースを設置しているのはトビリシ自由大学のみであり、この他、トビリシ国立大学、イリア国立大学、バトゥミ国立大学が副専攻や選択科目で日本語教育を行っている。日本人教師を有している大学はない。各大学の日本語学習者はトビリシ自由大学が77名、トビリシ国立大学が34名、イリア国立大学で21名、バトゥミ国立大学が7名である(2020年10月現在)。
 日本語教育を行っている大学と日本の大学や高校の交流も徐々に活発にはなっているが、まだ日本への留学機会は非常に限られている。

学校教育以外

 日本語教育の実施は確認されていない。

教育制度と外国語教育

教育制度

教育制度

 3‐6‐3制。
 ジョージアでは、旧ソ連の学校教育制度(10年制)から、12年制の初等・中等教育に移行した。
 12学年のうち、1~3学年が初等教育、4~9学年が前期中等教育、10学年以降が後期中等教育にあたる。義務教育は1学年から9学年までであるが、高等教育を受けるためには10~12学年の修学が必要であり、実際には大部分の生徒がこの課程に進学している。高等教育は、12学年卒業後に大学(4年間)、または単科大学(4年間)で学び、学士号を取得する。

教育行政

 初等、中等、高等教育機関のほとんどが、教育省の管轄下にある。

言語事情

 公用語はジョージア語。旧ソ連時代の影響から中高年の多くがロシア語を解するが、近年は英語が第一外国語として主流になっている。

外国語教育

 普通学校では、1年生から第一外国語として英語の授業が行われる。5年生から第二外国語の学習が始まり、ドイツ語、フランス語、ロシア語等の欧州言語に加え、2019年からは中国語も選択肢に加えられることとなった。
 専門学校(一般的な学校よりも特定の科目に力を入れた学校)では、2年生から1~2つの外国語の授業が始められることが多い。その他、リツェイ、ギムナジア等では、入学と同時に2つもしくはそれ以上の外国語の授業が始まる。
 大学では欧米主要言語の他、日本語、韓国語、中国語、ペルシャ語、アラビア語、トルコ語、ヘブライ語等の教育が行われている。

外国語の中での日本語の人気

 若者を中心に日本語の人気は高まっているものの、学習機会が限られることもあり、欧米主要言語に比べると学習者の人数は少ない。

大学入試での日本語の扱い

 大学入試で日本語は扱われていない。

学習環境

教材

初等教育

 【中等教育】の項を参照。

中等教育

 教科書使用の状況は様々であるが、教材は不足気味である。

高等教育

 トビリシ自由大学で主に使用されている教科書は次のとおり。

  • 1年生:『JAPANESE FOR YOUNG PEOPLE』国際日本語普及協会(講談社USA
    『みんなの日本語1』スリーエーネットワーク(スリーエーネットワーク)
    BASIC KANJI BOOK Vol. 1』加納千恵子ほか(凡人社)
  • 2年生:『みんなの日本語2』スリーエーネットワーク(スリーエーネットワーク)
    BASIC KANJI BOOK Vol. 2』加納千恵子ほか(凡人社)
  • 3年生:『ニューアプローチ中級日本語』小柳昇(語文研究社)
    みんなの日本語 中級1』スリーエーネットワーク(スリーエーネットワーク)
    Intermediate Kanji Book Vol. 1』加納千恵子(凡人社)
  • 4年生:『ニューアプローチ中上級日本語』小柳昇(語文研究社)
    Intermediate Kanji Book Vol. 1』(前出)
    『ビジネス日本語 Ⅰ、Ⅱ』(凡人社)
  • 1-4年生:『レベル別日本語多読ライブラリー』NPO多言語多読(アスク出版)

学校教育以外

 日本語教育の実施は確認されていない。

IT・視聴覚機材

 トビリシ自由大学において遠隔授業用機材「Tele-Presense」を利用。

教師

資格要件

初等教育

 下記【高等教育】を参照。

中等教育

 下記【高等教育】を参照。

高等教育

 ジョージアの教育機関で日本語を教えるためには、日本語専攻で高等教育機関を修了(学士号・修士号を取得)していることが基準となっている。

学校教育以外

 日本語教育の実施は確認されていない。

日本語教師養成機関(プログラム)

 日本語教師養成を行っている機関、プログラムはない。

日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割

 日本語ネイティブの教師はいない。

教師研修

 国内では、現職の日本語教師対象の研修はない。
 

現職教師研修プログラム(一覧)

 特になし

教師会

日本語教育関係のネットワークの状況

 ジョージア独自の組織は現時点では存在していない。

最新動向

 特になし

日本語教師派遣情報

国際交流基金からの派遣

国際協力機構(JICA)からの派遣

 国際交流基金、JICAからの派遣は行われていない。

その他からの派遣

 日本語教師の派遣は行われていない。

日本語教育略史

1983年 Tbilisi Institute of Foreign Languages, Faculty of English Languageにおいて第二外国語として日本語導入(実施は1983-1986年、1989-1992年の間のみ。1993年以降休止中)
1990年 Japanese Language Coursesにて日本語教育開始(1992年まで。1993年以降休止中)
1991年 トビリシ・アジア・アフリカ大学にて日本語教育開始
1992年 Secondary School N34, Author's School “Georgian School”で日本語教育(選択科目としての外国語の授業)開始
2001年 トビリシ国立大学に日本語学科設立
2006年 Georgian-English SchoolBritanica”において日本語教育開始
2015年 ジョージア大学において日本語教育開始(2017年から休止)
2018年 イリア国立大学において日本語教育開始
バトゥミ国立大学において日本語教育開始

参考文献一覧

ページトップへ戻る