ルクセンブルク(2020年度)

日本語教育 国・地域別情報

2018年度日本語教育機関調査結果

機関数 教師数 学習者数※
6 6 218
※学習者数の内訳
教育機関の種別 人数 割合
初等教育 0 0.0%
中等教育 160 73.4%
高等教育 0 0.0%
学校教育以外 58 26.6%
合計 218 100%

(注) 2018年度日本語教育機関調査は、2018年5月~2019年3月に国際交流基金が実施した調査です。また、調査対象となった機関の中から、回答のあった機関の結果を取りまとめたものです。そのため、当ページの文中の数値とは異なる場合があります。

日本語教育の実施状況

全体的状況

沿革

 1978年、在留邦人を講師に高校生以上を対象とした日本語講座が発足した。その後、民間の語学教室においても日本語講座が開講され、数年間継続したものの、講師の退職により閉講となった。
 1999年から学生や社会人を対象とした日本語講座を公立リセ(中・高等学校)2校が開講し、2003年10月から毎年、習熟度にあわせる形で各々週1回3~4コースの講座を開講している。また、2007年9月にルクセンブルク北部に位置する公立リセ1校で、2008年9月にはルクセンブルク市内のリセにおいて新たに日本語講座が開講され、それぞれ週2回2コース、週1回1~2コースの授業が行われている。更に2011年10月から、欧州の諸機関で働く子弟が通うヨーロピアン・スクールにおいても日本語講座が開講し、プライマリー(日本の小学校)で週1回1コース、セカンダリー(日本の中・高等学校)で週1回2コースの授業が行われている。

背景

 1977年の日本大使館事務所開設により、日本語教育発足に向けた教材面での援助がなされ、その後1980年代後半からの日系企業(金融・製造等)の進出及び日本の漫画・アニメ・テレビドラマの普及により、ルクセンブルクにおける日本及び日本語教育についての関心が高まったものと推察される。最近は無料動画共有サイト(YouTube等)を通じて、より身近に日本の情報に触れることが可能となったことを受け、特に若い世代において日本語学習への関心が高まってきているとされる。

特徴

 日本語教育を実施しているリセ等5校のうち1校では自由選択科目として履修により単位を認められる講座となっている。なお、ヨーロピアン・スクールの日本語講座は当該スクールの生徒のみを対象としている一方、他の4校は他のリセの生徒や一般市民でも受講できる形をとっており、受講者は幅広い年齢層に亘っている。

最新動向

 特になし。

教育段階別の状況

初等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

中等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

高等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

学校教育以外

 リセ4校で、同校の生徒と一般市民が一緒に受講できる日本語講座が開講されている。そのうちの1校の日本語講座は、自由選択科目として単位が認められる講座となっている。また、ヨーロピアン・スクールの日本語講座は当該スクールの生徒のみを対象としているが、修了しても当該スクールの単位取得にはならない。

教育制度と外国語教育

教育制度

教育制度

 2-6-7制。
 幼稚園が2年間(4~5歳)、小学校が6年間(6~12歳)、リセ(中・高等学校)が7年間(13~19歳)。義務教育は幼稚園からリセの前期3年間までの11年間。リセは、「リセ・クラシック(大学進学者向け)」と「リセ・テクニック(職業訓練の中高等学校)」に分かれており、入学試験により振り分けられる。大学への進学は、リセ修了試験合格証(フランスのバカロレアと同種)を取得し、ルクセンブルク大学または、国外の大学へ進学する。

教育行政

 初等・中等・教育は国民教育省の管轄下にある。また、高等教育機関のルクセンブルク大学は高等教育省が監督している。

言語事情

 ルクセンブルク語、フランス語及びドイツ語を公用語としている。

外国語教育

 幼稚園はルクセンブルク語。小学校1年生でルクセンブルク語にドイツ語履修が加わる(必修)。2年生から上記2カ国語に加え、フランス語を履修(必修)。リセ・クラシック(中高校)では、1年目はルクセンブルク語、ドイツ語、フランス語を、2年目に英語を履修(必修)。一部の成績優秀者のクラスではラテン語を履修することも可能であるが、ラテン語を取る人は英語の勉強が1年遅くなり、時間数も少なくなる。ただし、リセ5年目で他のクラスと同じ英語の時間数となる。リセ5年目で大学進学のための専門選択があり、それに応じて学習する言語が変わる(専門によってはスペイン語又はイタリア語を選択する生徒もいる)。

外国語の中での日本語の人気

 母国語がルクセンブルク語でかつ、学校教育において、ドイツ語、フランス語、英語の学習が義務であり、日本語は一般的ではないが、近年人気が出てきている。

大学入試での日本語の扱い

 大学入試で日本語は扱われていない。

学習環境

教材

初等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

中等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

高等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

学校教育以外

 日本やヨーロッパ等の教材を使用している。

IT・視聴覚機材

 DVDやテレビ等の教材を内容に応じて使用している。

教師

資格要件

初等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

中等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

高等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

学校教育以外

 資格要件はない。

日本語教師養成機関(プログラム)

 日本語教師養成を行っている機関、プログラムは確認されていない。。

日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割

 2019年10月現在、日本人非常勤講師4名。

教師研修

 現職の日本語教師対象の研修は確認されていない。

現職教師研修プログラム(一覧)

教師会

日本語教育関係のネットワークの状況

 日本語教育関係のネットワークは確認されていない。

日本語教師派遣情報

国際交流基金からの派遣

国際協力機構(JICA)からの派遣

 国際交流基金、JICAからの派遣は行われていない。

その他からの派遣

 (情報なし)

シラバス・ガイドライン

 統一シラバス、ガイドライン、カリキュラムはない。

評価・試験

 共通の評価基準や試験はない。

日本語教育略史

1978年 在留邦人による日本語教室発足(現在は閉講)
1999年 公立リセ2校において日本語講座開講(1コースから始まり、年々、習熟度に応じたコースが増えていった。)
2003年 公立リセ2校において習熟度別の日本語講座のコース増設(現在週1回/4コース、週1回/3コース)
2007年 ルクセンブルク北部の公立リセ1校で日本語講座開講(現在週2回/2コース)
2008年 ルクセンブルク市内の公立中高校1校で日本語講座開講(現在週2回/2コース)
2011年 ヨーロピアン・スクールにおいて日本語講座開講(週1回/1コース、週1回/2コース)
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