モルドバ(2020年度)

日本語教育 国・地域別情報

2018年度日本語教育機関調査結果

2018年度日本語教育機関調査結果に関する帯グラフ。機関数は1件、教師は3名。初等教育は0名で全体の0.0%、中等教育は0名で全体の0.0%、高等教育は0名で全体の0.0%、学校教育以外は115名で全体の100.0%。

(注) 2018年度日本語教育機関調査は、2018年5月~2019年3月に国際交流基金が実施した調査です。また、調査対象となった機関の中から、回答のあった機関の結果を取りまとめたものです。そのため、当ページの文中の数値とは異なる場合があります。

日本語教育の実施状況

全体的状況

沿革

 モルドバにおける日本語教育の歴史は、NPOのモルドバ日本交流財団が設立された2002年5月に始まる。同財団で日本語講座が開講されるとともに、モルドバ国立大学外国語学部の依頼により、同学部の学生を対象に日本語講座が開講された。同大学学生向けの講座は現在は中断されている。
 当初、同財団では隣国のルーマニア人日本語教師などが指導にあたっていたが、2004年より日本人による常駐の日本語教師が教鞭を執るようになった。
 2019-2020年のスクールイヤーでは、同財団の講座において、111名(2020年10月時点)が日本語を学習しており、オンラインによる講義が行われている。
 また、同財団は2014年から年に一度、「文化祭」を開催しており、書道や茶道等のデモンストレーション、学生たちによる様々な日本文化紹介等が行われ、日本文化に触れることのできる機会を提供している。過去の文化祭では3,000人以上のモルドバ人が足を運び、人気を博している(但し、2020年は新型コロナウイルスの影響で文化祭は開催されていない)。

背景

 モルドバは日本から遠く、文化交流は盛んとは言えないが、モルドバにおける日本及び日本文化に対する一般的関心や日本語教育熱は高まっており、生け花、折り紙、空手、合気道、剣道等の日本文化愛好団体も複数存在している。1991年10月にはモルドバにおける初の日本文化週間が開催され、以降ほぼ毎年生け花のデモンストレーションをはじめとする各種伝統文化のワークショップが開催されており、多数の参加者を集め好評を博している。2000年からの食糧増産援助開始、2013年の円借款「医療サービス改善計画」開始以降、経済協力を含む様々なレベルにおいて日本と関係を深めつつある。2016-2017年には日系企業による当地工場も開設され、今後の日本語教育の重要性が更に高まる可能性がある。
 2016年には、日本とモルドバの両国に大使館が設立された。2022年には日本・モルドバ外交樹立30周年を向かえ、文化面においても二国間関係がより一層発展することが期待される。

特徴

 学習動機としては、日本の伝統文化や最新技術、アニメや漫画を中心としたポップカルチャー、戦後の経済復興などへの興味から経済への関心、日本語への語学的な興味等がある。
 当地在住の日本人、また、日本語を学べる場所や日本企業の数が極めて少ないため、学習者が生の日本語に触れる機会や将来活用できる機会が非常に限られている。特に地方都市においてはインターネット以外に日本語を学習する機会は全くないと言える。

最新動向

 2005年より毎年1回、首都のキシニョフ市においてモルドバ日本交流財団の主催によりモルドバ日本語弁論大会が開催され、同じく2005年より近隣国(ウクライナ、ルーマニア)で実施されている日本語能力試験に参加している。いずれも年々関心が高まってきており、多くの学習者が参加して、大きな成果を得ている。また、2012年からロシアで行われている「モスクワ国際学生日本語弁論大会」にも毎年参加し、2013年にはウクライナで行われた「第1回GUAM諸国合同日本語弁論大会」に初出場を果たした。日本語学習者の数も増加傾向にある。

教育段階別の状況

初等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

中等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

高等教育

 モルドバ国立大学外国語学部の第二外国語として日本語を選択した学生を対象に、モルドバ日本交流財団が日本語講座を開講していた時期もあったが、現在は行われていない。大学側は再開の意向も示しているが、適当な講師の不在などもあって再開に至っていない。

学校教育以外

 モルドバにおける唯一の日本語教育機関であるモルドバ日本交流財団において、9月から翌年5月までをスクールイヤーとして計4年間の日本語教育が行われている。毎年100名前後の学生・社会人が初級から上級まで8クラスに分かれて日本語を学習しており、日本語だけではなく日本文化の授業も実施されている。

教育制度と外国語教育

教育制度

教育制度

 4-5-2(または3)制。
 小学校が4年間(6~10歳)、中学校が5年間(10~15歳)、高等学校が3年間(15~18歳)となっている。そのうち義務教育期間は、小学校、中学校の9年間である。
 モルドバは2005年以降ボローニャ・プロセスに参加していることから、大学への進学には、3年間の高等学校教育を了し、バカロレアを取得することが原則となっている。

教育行政

 すべての教育機関は、教育・文化・研究省の管轄下にある。

言語事情

 公用語はモルドバ語(ルーマニア語)である。その他、ロシア語が広く使用されている。

外国語教育

 小学校2年(7歳)より第一外国語を履修。言語は、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語より選択。
 高校1年より第二外国語を履修(中学1年から開始する学校もあり)。外国語の選択肢は第一外国語に同じ。

外国語の中での日本語の人気

 外国語学習者の中では、特に、英語、フランス語の人気が高い。日本語学習者の動機は、日本文化への関心、欧州諸語とは全く異なる言語への興味などである。最近では、日本のアニメやドラマ等の日本のポップカルチャーに関心を持ち、日本語学習を始める人が増えてきている。

大学入試での日本語の扱い

 大学入試で日本語は扱われていない。

学習環境

教材

初等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

中等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

高等教育

 日本語教育は実施されていない(下記参照)。

学校教育以外

 モルドバ日本交流財団では、主に国際交流基金の教材寄贈プログラムにより供与された教材や、教師が独自に作成した教材を利用している。
 使用している主な教材は、『みんなの日本語Ⅰ、Ⅱ』スリーエーネットワーク(スリーエーネットワーク)、『毎日の聞き取りplus40』宮城幸枝ほか(凡人社)、『日本語能力試験 日本語総まとめ問題集 新基準対応[漢字編]』佐々木仁子ほか(アスク)、『日本語中級J301-基礎から中級へ(英語版)』新内康子ほか(スリーエーネットワーク)。

IT・視聴覚機材

 モルドバ日本交流財団内に、日本万国博覧会記念機構から交付された助成金により、2005年9月に日本語学習用のコンピューター・ルームがオープンした。日本語学習用ソフトを活用した授業が行われているとともに、学習者の自習にも使用されている。

教師

資格要件

初等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

中等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

高等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

学校教育以外

 モルドバ日本交流財団では、4年制大学の主専攻あるいは副専攻で日本語教育を修了した者または日本語教師の資格を有する者で、1年以上の教師経験を有する者を資格要件としている。

日本語教師養成機関(プログラム)

 日本語教師養成を行っている機関、プログラムはない。

日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割

 モルドバ日本交流財団において日本人の日本語教師1〜2名が勤務し、日本語講座の講師を務めている。

教師研修

 モルドバ国内での研修会は行われないが、国際交流基金派遣専門家を中心に毎年3月にウクライナまたはルーマニアで行われる「日本語教育セミナー」に参加している。

教師会

日本語教育関係のネットワークの状況

 日本語教育関係のネットワークはない。

日本語教師派遣情報

国際交流基金からの派遣

国際協力機構(JICA)からの派遣

 国際交流基金、JICAからの派遣は行われていない。

その他からの派遣

 2019年にアイセア(ICEA: International Cross-cultural Exchange Association)から派遣

シラバス・ガイドライン

 統一シラバス、ガイドライン、カリキュラムはない。

評価・試験

 モルドバ日本交流財団では、日本語能力試験のN2~N4を学習到達目標としており、毎年、近隣国で実施される日本語能力試験を受験している。また、同財団内の授業において、毎月及び学期末(2学期制)に試験・評価を実施している。

日本語教育略史

2002年 モルドバ日本交流財団設立・日本語講座開設
モルドバ国立大学外国語学部学生対象に日本語講座開設
2005年 第1回モルドバ日本語弁論大会開催
2006年 モルドバ国立大学日本語講座休講
2012年 「モスクワ国際学生日本語弁論大会」初出場
2013年 「GUAM諸国合同日本語弁論大会」初出場
2014年 モルドバ日本交流財団による第1回「文化祭」を開催
2015年 モルドバ国立大学日本語講座再開

参考文献一覧

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