モザンビーク(2020年度)
日本語教育 国・地域別情報
2018年度日本語教育機関調査結果
機関数 | 教師数 | 学習者数※ |
---|---|---|
1 | 1 | 82 |
教育機関の種別 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
初等教育 | 0 | 0.0% |
中等教育 | 0 | 0.0% |
高等教育 | 38 | 46.3% |
学校教育以外 | 44 | 53.7% |
合計 | 82 | 100% |
(注) 2018年度日本語教育機関調査は、2018年5月~2019年4月に国際交流基金が実施した調査です。また、調査対象となった機関の中から、回答のあった機関の結果を取りまとめたものです。そのため、当ページの文中の数値とは異なる場合があります。
日本語教育の実施状況
全体的状況
沿革
モザンビークでは、1990年代末に、当地で活動していた日本のNGOが、週末に学校の教室を借りて日本語を無料で教えていた時期があったが、1992年に内戦が終結し、未だに国家再建プロセスにあるモザンビークでは、経済的余裕がないこと等により、日本語教育の需要は低いと考えられている。2007年のゲブーザ大統領訪日を契機として、2008年に当地在住ボランティアによる日本語常設講座が開設されたが、講座実施主体である言語センターの運営能力不足により、1学期のみの開講となった。一方で、インターネットやケーブルテレビの普及に伴い、若者の間で漫画やアニメ等の日本のポップカルチャーが少しずつ浸透しつつある上、2014年1月に安倍総理が日本の首相として初めてモザンビークを訪問、ABEイニシアティブやJICA及びJOGMECの本邦研修を始めとする日本留学の機会が増加したことも起因し、モザンビーク人の日本語に対する関心が徐々に高まっている。このような背景を受け、2016年9月よりサントマス大学(マプト市内の私立大学)において当地在住ボランティアによる日本語特設講座が開設され、週2回の授業が行われている。その後、2018年1月にサントマス大学にJICAボランティアが派遣され、日本語コースが開設。2020年、同大学の要請により、任期終了後も大学の雇用で日本語コースを継続することとなったが、新型コロナウイルスの影響で延期されている。
背景
依然として厳しい経済事情もあり、外国語教育は、英語やフランス語などの実用的な言語に限られているのが現状。特に周辺各国の公用語は英語であり、また援助機関が多く活動する当国において、公共・民間セクターの一定レベルの職を得るには、英語力が不可欠となっているという背景もある。最近は、民間セクターを中心に、中国等に対する関心も高まっており、エドゥアルド・モンドラーネ大学は2012年に孔子学院を設立し、中国語教育を実施している。当初は、中国語コースのみであったが、現在は中国語学科も設置され、中国政府による奨学金で、毎年40名程度が中国に留学している。
最新動向
2016年9月よりマプト市の私立大学において当地在住ボランティアによる日本語特設講座が開設され、週2回の授業が実施されていた。今後、授業や生徒の様子、実施体制状況を窺いつつ日本語教育の需要を判断し、JICAや国際交流基金により日本語教師の派遣をすべきか検討していくことになる。
その後、2018年1月にサントマス大学にJICAボランティアが派遣され、日本語コースが開設。年間を通じて100名以上の生徒が日本語を学習している。2020年、同大学の要請により、任期終了後も大学の雇用で日本語コースを継続することとなった(注:2021年1月現在、新型コロナウイルスの影響で、同コースの開設は延期されている)。
教育段階別の状況
初等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
中等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
高等教育
(詳細不明)
学校教育以外
上記【沿革】を参照
教育制度と外国語教育
教育制度
教育制度
7 (5)- 3-2制。
初等教育は原則7年生までである(注:2023年以降は9年生まで)が、都市部以外では、5年生までしか存在しないことが多く、5年生を卒業する前にドロップアウトするケースも多い。中等教育以上の教育機会は、都市部に集中しており、地方においては、中学校進学は非常に困難となっている。現在政府は、職業訓練の制度づくりを進めている。義務教育は、原則7年生まで。
教育行政
教育行政は全て教育省の管轄下にある。
言語事情
公用語はポルトガル語であるが、ポルトガル語を母国語とする国民は少なく(6.5%、2009年国家統計院)、普及率は4割程度。約20のローカル言語が存在する。
外国語教育
7年生より第1外国語として英語が、また9年生からは第二外国語としてフランス語(注:2023年以降は7年生以降)が必修となっている。
外国語の中での日本語の人気
英語、フランス語に比べると日本語の知名度は低い。
大学入試での日本語の扱い
大学入試で日本語は扱われていない。
学習環境
教材
初等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
中等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
高等教育
サントマス大学に於いて日本語コースを実施。
学校教育以外
(詳細不明)
教師
資格要件
初等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
一般の学校においては、教員養成校あるいは教育大学の卒業者であることが原則的に求められているが、教員養成数に需要が追いついておらず、特に地方の初等教育機関(小学校)の場合、無免許教師が多い。
中等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
高等教育
サントマス大学に於いて日本語コースを実施。
学校教育以外
(詳細不明)
日本語教師養成機関(プログラム)
日本語教育は実施されておらず、日本語教師養成機関は存在しない。
日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割
サントマス大学において、日本人教師が雇用されている。
教師研修
現状日本語教育は始まっておらず、現職の日本語教師対象の研修はない。
教師会
日本語教育関係のネットワークの状況
日本語教育関係のネットワークはない。
日本語教師派遣情報
国際交流基金からの派遣
国際協力機構(JICA)からの派遣(2020年4月現在)
国際交流基金、JICAからの派遣は行われていない。
その他からの派遣
(情報なし)
日本語教育略史
1990年代末 | 日本のNGOによる日本語クラス実施 |
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2008年 | 教育文化省管轄の言語センターにて、日本人ボランティアによる日本語教育開始(1学期間のみの開講で、現在は再開の見通しが立っていない。) |
2016年 | サントマス大学(私立大学)において当地在住邦人ボランティアによる日本語特設講座が開催され、2018年1月より日本語教育を行うJICAボランティアが派遣された。 |
2020年 | サントマス大学に於いて日本語コースが正式に開始予定(注:2020年2月より開始予定が,2021年1月現在、新型コロナウイルスの影響で延期となっている) |