トリニダード・トバゴ(2020年度)

日本語教育 国・地域別情報

2018年度日本語教育機関調査結果

2018年度日本語教育機関調査結果に関する帯グラフ。機関数は1件、教師は3名。初等教育は0名で全体の0.0%、中等教育は0名で全体の0.0%、高等教育は60名で全体の26.4%、学校教育以外は170名で全体の100.0%。

(注) 2018年度日本語教育機関調査は、2018年5月~2019年3月に国際交流基金が実施した調査です。また、調査対象となった機関の中から、回答のあった機関の結果を取りまとめたものです。そのため、当ページの文中の数値とは異なる場合があります。

日本語教育の実施状況

全体的状況

沿革

 トリニダード・トバゴの日本語教育は、1993年に国立語学学校(NIHERST SCHOOL OF LANGUAGES、当地高等教育を担当する国の機関)で始められた。講座は一般成人のみを対象とし1998年まで続けられたが、学習者数の減少、講師の都合等の諸事情により廃止され、その後、1999年9月に西インド諸島大学(University of the West Indies : UWI)セント・オーガスティン校に日本語講座が設けられた。現在、同大学言語学習センター(Centre for Language Learning : CLL)の日本語講座は、入門・初級・初中級の3レベルが設蹴られており、アニメ人気等も反映して日本語学習希望者の増加が見られる。

背景

 日本との歴史的関係が浅く、地理的にも遠い国であるが、西インド諸島大学(UWI)セント・オーガスティン校が、外国語教育を非常に重視していることもあり、日本語講座はその一部として歓迎されており、同講座の希望受講者数は年間160人を超える。また、2013年には、同大学は日本語講座を大学の正式科目として単位認定した。

特徴

 一般的に地理的要因もあり、両国間の人物交流・往来は限定的であるが、政府レベルにおいては、在トリニダード・トバゴ日本国大使館及び国際交流基金を通じた文化交流事業、JETプログラム(日本への英語教師派遣事業)、文部科学省国費留学生事業、国際協力機構(JICA)を通じた技術協力などの交流事業等が実施され、日本人へのイメージは良好で日本への憧れを持つ者も多い。
 日本語学習の動機としては、語学としての興味、文化的な興味が多く挙げられ、特に日本のアニメを始めとするポップ・カルチャーに対する興味から日本語を学び始める学生が多いが、JETプログラムへの参加、日本への旅行、留学、就職等を動機とする学習者も増えて来ている。

最新動向

 西インド諸島大学言語学習センターの日本語講座は、2013年に中国語とともに大学の正規の単位として認定され、2020年現在、3レベル4クラス設定されている(内訳は、入門レベルが2クラス、初級レベルが1クラス、初中級レベルが1クラスとなっている)。
 また、2018年からは、近年の日本語学習者の増加を受け、同大学に於いて日本語能力試験の実施や日本語スピーチコンテストが開催される等、日本語教育普及に係る取り組みが強化されており、2019年8月には同センターは 20年以上の長きに亘る日本語教育の貢献が認められ、外務大臣表彰を受賞した。

教育段階別の状況

初等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

中等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

高等教育

 1999年9月、西インド諸島大学語学センターにおいて、日本語コースが開始された(一般人の受講も認めているが、実態は同大学の学生が主)。

学校教育以外

 小規模ながら、日本語教育を行う民間の語学学校があり、学生等に対し日本語教育を行っている。

教育制度と外国語教育

教育制度

教育制度

 トリニダード・トバゴは元英国領であり、教育制度は英国の制度に基づいている。学校別の年齢層は、原則、幼稚園が3~5歳、小学校(7年制)が5~11歳、中・高等学校(7年制、5年制及び2年制)が11~18歳、及び大学(18歳~)となっている。
 1966年制定の教育法により、義務教育は6~12歳までが対象となっている。

教育行政

 教育省が教育行政全般を管轄している。高等教育機関としては、西インド諸島大学、トリニダード・トバゴ大学(UTT)などの総合大学のほかに政府がCommunity College制度を設けている。職業教育はCommunity Collegeを通じて行われている。

言語事情

 公用語は英語であるが、多くの人々は地元の方言(クレオール語)を話している。最近はクレオール語の教育上での価値が認められてきているが、英語以外の語学の使用は、基本的には教育機関での授業以外ではめったに見られない。一部、中国人、スペイン語圏の移民等が、各々中国語、スペイン語を日常的に使用している。

外国語教育

 政府が一番力を入れている外国語はスペイン語である。これはスペイン語を国語としている国々、特にベネズエラが地域的に非常に近いこと、また、英国領になる前からスペイン人が訪れていた歴史的な理由に基づいている。
 その他、フランス語、ヒンディー語(国民の約35%はインド系のため)等の教育が行われている。また、西インド諸島大学言語学習センターでは、その他の言語として、ポルトガル語、ドイツ語、アラビア語、中国語、韓国語などの課程も設けられている。

外国語の中での日本語の人気

 上記外国語教育環境等の関係もあり、外国語の中ではスペイン語、フランス語が人気であるが、西インド諸島大学言語学習センターにおける年間日本語講座受講者数が、2000年の20人弱から2013年には100人を超え、2014年には150名を超えて来ていることからも、日本語の人気が高まってきていることが分かる。しかしながら、2013年秋には同大学内に孔子学院が開設される等他のアジア言語の人気も高まって来ている(韓国語クラスは2016年9月に開講されたが、2017年に一時閉講され、2019年に再開された。)

大学入試での日本語の扱い

 大学入試で日本語は扱われていない。

学習環境

教材

初等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

中等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

高等教育

 西インド諸島大学言語学習センター内に、インターネットが使用できるランゲージ・ラボラトリーがあり、オーディオ、ビデオ、教材、参考書などが常備されている。

学校教育以外

 民間の語学学校が独自に選択した教材を使用。

IT・視聴覚機材

 西インド諸島大学言語学習センター内に、インターネットが使用できるランゲージ・ラボラトリー、オーディオ、ビデオなどの設備が設置されている。また、2000年には、文化無償資金協力により、当地の国立高等教育院に対して語学学習のための機材が供与されている。

教師

資格要件

初等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

中等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

高等教育

 西インド諸島大学言語学習センターの外国語教師(日本語教師を含む)は、大学卒業の資格、及び外国語教育理論の知識と経験が必要条件となっている。

学校教育以外

 特別な資格要件なし。

日本語教師養成機関(プログラム)

 日本語教師養成を行っている機関、プログラムは存在しない。

日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割

 西インド諸島大学言語学習センターの日本語クラスは、2020年10月現在計3人の教師により行われており、うち1人は当地在住のネイティブの日本人教師(非常勤)である。

教師研修

 言語学習センター内での教師研修や、国際交流基金日本語教育専門家による研修、また、中米カリブ日本語教師ネットワーク主催の「中米カリブ日本語教育セミナー」等にも参加し、日本語教師の能力・知識向上に努めている。

現職教師研修プログラム(一覧)

教師会

日本語教育関係のネットワークの状況

 日本語教育関係のネットワークは確認されていない。

最新動向

 教師会は組織されていない。

日本語教師派遣情報

国際交流基金からの派遣

国際協力機構(JICA)からの派遣

 国際交流基金、JICAからの派遣は行われていない。

その他からの派遣

 (情報なし)

日本語教育略史

1993年 国立語学学校(NIHERST SCHOOL OF LANGUAGE)にて一般成人対象の日本語教育開始(~1998年)
1997年 サンティアゴ工科大学における日本語教育中止
1999年9月 西インド諸島大学(University of the West Indies)にて日本語講座設置
2013年9月 西インド諸島大学が日本語講座を正規の単位科目として認定

参考文献一覧

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