モルディブ(2022年度)
日本語教育 国・地域別情報
2021年度日本語教育機関調査結果
機関数 | 教師数 | 学習者数※ |
---|---|---|
1 | 1 | 7 |
教育機関の種別 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
初等教育 | 0 | 0.0% |
中等教育 | 0 | 0.0% |
高等教育 | 7 | 100.0% |
学校教育以外 | 0 | 0.0% |
合計 | 7 | 100% |
(注) 2021年度日本語教育機関調査は、2021年9月~2022年6月に国際交流基金(JF)が実施した調査です。また、調査対象となった機関の中から、回答のあった機関の結果を取りまとめたものです。そのため、当ページの文中の数値とは異なる場合があります。
日本語教育の実施状況
全体的状況
沿革
1987年にUNDP(国連開発計画)とWTO(世界貿易機関)のプロジェクトにより、首都マレにホテルスクール(当時は高等専門学校。現在のモルディブ国立大学観光学部:Faculty of Hospitality and Tourism Studies, The Maldives National University)が開校し、翌1988年にJICA海外協力隊の日本語教師の派遣が始まった。これにより同ホテルスクールにおいて選択必修課目(第二外国語)として日本語教育が始まり、同時に一般市民を対象とした語学講座も開講された。2013年からはモルディブ国立大学文学部(Faculty of Arts, The Maldives National University)で同講座が開講されたが、2020年日本語講師の派遣打ち切りにより日本学習の機会は大幅に減少し、2022年現在、日本語講座は行われていない。
背景
モルディブの主要産業は観光業であり、日本からの観光客は毎年約4万人(国別では第8位(2015年))であったが、コロナ禍により激減した。
特徴
日本語の学習動機として、日本のアニメやドラマが好きで日本語学習を始めた者が8割を占める。その他の学習動機としては、仕事のため、現地語と言語体系が似ていて勉強しやすいなどである。
最新動向
以前は観光業での仕事を得ようとする者の日本語学習熱が高い傾向があったが、観光業で日本語話者が必要な場合は高い賃金で日本人を直接雇用するケースが多く日本語学習が就職に繋がらない事情から、近年では日本のアニメやドラマが好きで日本語学習を始める人が多い。
教育段階別の状況
初等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
中等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
高等教育
モルディブ国立大学観光学部で日本語講座が行われていたが2020年以降実施されていない。
学校教育以外
一般社会人を対象にした夜間日本語クラスは、2012年までモルディブ国立大学観光学部(Faculty of Hospitality and Tourism Studies)、2013年より文学部(Faculty of Arts)で開講されている。2020~2021年にかけてコロナ禍にも関わらずモルディブ人講師により小規模ながら行われていたが、講師不足により2022年現在、日本語を学習する機会は提供されていない。
教育制度と外国語教育
教育制度
教育制度
6-4-2制。 小学校が6年間、中学校が4年間、高等中学校が2年間。2学期制。1学期:8月~12月、2学期:1月~6月。大学(モルディブ国立大学)はマレ市内にあり、分校がアッドゥ、クルドゥフシ、ティナドゥにある(専攻によって半年~3年の課程)。 義務教育は4歳から16歳までの12年間で、無償である。高等中学校に入学するためには、 GCE O-Level(General Certificate of Education Ordinary Level:教育一般認定上級資格)で一定の評価取得が要求されている。
教育行政
幼稚園、初等、中等教育機関は教育省の管轄下にある。
言語事情
公用語はディベヒ語である。
外国語教育
小学校1年生から、英語が必修科目として設けられており、さらにディベヒ語及びイスラーム教科以外は英語で授業が行われる。 現在では地方の教育の質も向上しており、英語教育を含むGCE O-Levelの結果において、首都圏と大きな差異は見受けられない。
外国語の中での日本語の人気
上述の通り、現在日本語を学習する機会は提供されていない。モルディブ国立大学観光学部では、選択必修科目として中国語、フランス語、イタリア語が開講されているが、選択語学は講師の都合により学期ごと異なる(中国語は2014年1月から開始)。なお、2022年にはヴィラ・カレッジ内に中国語センター(Chinese Language Center)が設立され、観光やビジネスに特化した4つの中国語コースが開講した。
大学入試での日本語の扱い
大学入試で日本語は扱われていない。
学習環境
教材
初等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
中等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
高等教育
日本語教育の実施は確認されていないが、過去に『みんなの日本語』(スリーエーネットワーク)を基本に、モルディブ人学習者(観光業従事者)に合わせて作成された教科書が使用されていた。
学校教育以外
IT・視聴覚機材
教師
資格要件
初等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
中等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
高等教育
JICA海外協力隊の日本語教師が2020年まで派遣されていた。 モルディブ人講師は学生数に応じて契約ベース。
学校教育以外
JICA海外協力隊の日本語教師が2020年まで派遣されていた。 モルディブ人講師は学生数に応じて契約ベース。
日本語教師養成機関(プログラム)
なし
教師研修
特に日本語教師対象の研修はない。現地人日本語教師からの希望があり、JICA海外協力隊員が行った実績がある。
現職教師研修プログラム(一覧)
教師会
日本語教育関係のネットワークの状況
日本語教育関係のネットワークはない。
最新動向
特になし。
日本語教師派遣情報
国際交流基金からの派遣
なし
国際協力機構(JICA)からの派遣
なし
その他からの派遣
なし
日本語教育略史
1987年 | ホテルスクール(現在のモルディブ国立大学観光学部:Faculty of Hospitality and Tourism Studies, The Maldives National University)が開校 |
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1988年 | JICA海外協力隊の日本語教師の派遣開始により、ホテルスクールにおける日本語教育(選択必修課目の第二外国語)開始 一般市民向け語学講座開講 |
2010年 | ダルマバンタ中学校:Dalumabanta Junior High Schoolで希望者のみの課外授業開始 |
2011年 | 高等教育学会が運営するマレ市内の高等教育学校や専門学校が統合し、モルディブ国立大学(国内初の大学)が誕生。モルディブ高等教育短期大学(旧ホテルスクール)はモルディブ国立大学観光学部となる。 |
2013年 | JICA海外協力隊の日本語教師派遣先が観光学部から文学部に変更となる。観光学部では日本語教育(選択必修課目・第二外国語)が引き続き行われており、一般社会人対象の夜間クラスは文学部で開講となる。 |
2020年 | JICA海外協力隊の日本語教師の派遣終了 |