ニカラグア(2022年度)
日本語教育 国・地域別情報
2021年度日本語教育機関調査結果
機関数 | 教師数 | 学習者数※ |
---|---|---|
2 | 7 | 62 |
教育機関の種別 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
初等教育 | 0 | 0.0% |
中等教育 | 0 | 0.0% |
高等教育 | 0 | 0.0% |
学校教育以外 | 62 | 100.0% |
合計 | 62 | 100% |
(注) 2021年度日本語教育機関調査は、2021年9月~2022年6月に国際交流基金(JF)が実施した調査です。また、調査対象となった機関の中から、回答のあった機関の結果を取りまとめたものです。そのため、当ページの文中の数値とは異なる場合があります。
日本語教育の実施状況
全体的状況
沿革
1986年頃(正確な開始年は不明)、首都マナグア市にある中米大学外国語学部言語センターに在ニカラグア日本大使館の支援によってニカラグア初の日本語講座が開講された。1996年、同センターは学部改組により人文学部語学科の一部門として吸収されたが、2016年、同学部より独立し、中米大学言語センターとなった。同センターの日本語講座(その他言語講座も含め)は、開講より一貫して自由講座となっており、大学の単位科目ではない。広く一般人を対象としており、土曜コース及び平日コースでは常時数十名の生徒が学習している(2020年10月現在、平日コースは休講中)。2014年より商科大学外国語センター(於:マナグア市)でも、中米大学日本語講座修了生により日本語講座が開講されたが、2020年10月現在、生徒数の減少により休講中である。なお、中米大学言語センターには、1995年より日本語教師としてJICA海外協力隊員が派遣されている。(現在はコロナ禍で派遣が中断している)。
背景
ニカラグアでは、日本は知られてはいても関係の薄い未だ遠い国であるとの認識が一般的である。そのような中で、日本を文化面でも広く一般に紹介するために中米大学の日本語講座が誕生した。
特徴
2020年10月現在、ニカラグアで唯一、中米大学言語センターに日本語講座が開設されており、同センターには、継続的にJICA海外協力隊員が派遣されていたことから、近年、複数の有能な「ニカラグア人」日本語教師が育っている。ニカラグアにおける日本語学習者の規模は大きくないが、年々漸増傾向にある。2015年からは、同センターに日本語中級講座(日本語能力試験N3相当)が開設された(2020年10月現在休講中。2021年に再開予定)。日本語講座受講者は日本のアニメやマンガに影響を受けて学習を始める者や、将来日本への留学を想定している者、日本とのビジネスに携わるために学んでいる者などさまざまである。
最新動向
2018年4月、ニカラグアで生じた社会騒乱による治安悪化に伴い、中米大学言語センターの平日(夕方)コースはすべて休講することとなり、一時的に生徒数が減少した。
当国では同センターが2020年10月現在、唯一の日本語教育機関であるため、地理的に同センターに通えない地方部の日本語受講希望者に対し、2019年にオンライン講座開設の検討を始めた。2020年10月現在、新型コロナウイルス感染拡大予防を鑑み、いくつかの講座をオンラインで実施している。
この他、カトリカ大学(マナグア市内)が2022年前半から、日本語パイロット講座の開設を検討している。
2019年2月、第21回日本語スピーチコンテストを日本ニカラグア友好公園にて実施。
2020年2月、第22回日本語スピーチコンテストを日本ニカラグア友好公園にて実施。
2021年2月、第23回日本語スピーチコンテストをオンラインにて実施。
2021年3月、第24回日本語スピーチコンテストを中米大学言語センターで実施予定。
教育段階別の状況
初等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
中等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
高等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
学校教育以外
中米大学言語センターで、一般対象の日本語講座が開講されている。大学生、大学院生の受講者が多い。
教育制度と外国語教育
教育制度
教育制度
6-5-4制。
初等教育6年間、中等教育5年間、大学教育4~7年間(医学部は6~7年間)。
初等教育の6年間が義務教育。
教育行政
初等・中等教育機関は教育省の管轄下にある。
言語事情
公用語はスペイン語。観光地、観光施設では英語話者もいる。また、公用語ではないが、先住民の言語もいくつかある。
外国語教育
初等教育から外国語として英語を履修。
近年、ニカラグア政府は英語教育に注力しており、公立小学校教諭への教授法研修などを積極的に実施しており、英語の重要性が高まっている。
外国語の中での日本語の人気
ニカラグアでは就職に有利などの有用性から圧倒的に英語が人気であり、次いでフランス語、学習者は少なくなるがドイツ学校(初等・中等)があることからドイツ語も好まれる。
日本のアニメやマンガへの関心から、日本語を学習しようとする者が増えてはいるが、人気は少数にとどまっている。しかし、中米大学言語センターでは、日本語講座受講者数は、英語に次ぎ、2番目となっていることから、人気が高いことが覗える。近年は、ビジネスに役立つとの観点から、中国語(台湾語)、また韓流(K-Pop)人気による韓国語への関心が高まりつつある。
大学入試での日本語の扱い
大学入試で日本語は扱われていない。
学習環境
教材
初等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
中等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
高等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
学校教育以外
中米大学言語センターの日本語講座では、JF「日本語普及活動助成プログラム」による教材(『まるごと 日本のことばと文化』シリーズ/国際交流基金/三修社)を使用している。
IT・視聴覚機材
中米大学言語センターの日本語講座では、PCを利用し、「MARUGOTO+(MARUGOTO Plus)」を使用している。
また、「みなと」を活用した独習者も多く、2019年の日本語スピーチコンテスト朗読部門では3位入賞を果たしている。
教師
資格要件
初等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
中等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
高等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
学校教育以外
JICA海外協力隊員と同隊員の指導を受けた日本語講座修了生。一部現地教師は国際交流基金研修を修了している。
日本語教師養成機関(プログラム)
JF事業「海外日本語教師研修(長期)」への参加。
日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割
日本語のネイディブ教師(日本人教師)の雇用は確認されていない。
JICA海外協力隊員の派遣が有る場合、同隊員が唯一の日本語のネイティブ教師となる。
教師研修
現職の日本語教師対象の研修は確認されていない。
現職教師研修プログラム(一覧)
中米カリブ日本語教育セミナー(国際交流基金助成)
教師会
日本語教育関係のネットワークの状況
中米カリブ日本語教育ネットワーク
最新動向
2019年8月、第11回中米カリブ日本語教育セミナー参加。
日本語教師派遣情報
国際交流基金からの派遣
なし
国際協力機構(JICA)からの派遣
なし
その他からの派遣
(情報なし)
日本語教育略史
1986年 | 中米大学外国語学部言語センターに日本語講座開講 |
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1995年 | 日本語教師としてJICA海外協力隊員が派遣開始 |
1996年 | 中米大学外国語学部言語センターが学部改組により人文学部語学科の一部門として吸収、名称が「中米大学外国語センター」となる。 |
2000年 | 中米大学外国語センターと中米大学の語学関係諸部門が統合し「中米大学高等語学センター」となる。 |
2014年 | 商科大学外国語センターに日本語講座が開講(2020年10月現在、休講中) 第6回中米カリブ日本語教育セミナー開催 |
2015年 | 中米大学に日本語中級講座が開設 |
2017年 | 「中米大学高等語学センター」が平成29年度外務大臣表彰を受賞。 第19回スピーチコンテスト実施 第9回中米カリブ日本語教育セミナー開催 中米大学で日本語中級講座修了式実施(9月) |
2018年 | 「中米大学高等語学センター」が中米大学人文学部から同大学直轄になり「中米大学言語センター」となる。 第20回スピーチコンテスト実施 |
2019年 | 第21回スピーチコンテスト実施 |
2020年 | 第22回スピーチコンテスト実施 |
2021年 | 第23回スピーチコンテスト(オンライン)実施 |
2022年 | 第24回スピーチコンテスト実施予定 |