オマーン(2022年度)
日本語教育 国・地域別情報
2021年度日本語教育機関調査結果
なし
日本語教育の実施状況
全体的状況
沿革
オマーンの学校教育において常設の日本語教育は近年まで行われてこなかったが、2011年10月から2012年1月まで、日本外務省の事業により、日本語教師を日本から招致し、当地の2つの大学において約3か月間の短期集中日本語講座が実施された。この成功を受け、2015年2月より、国立スルタン・カブース大学にて当地で初となる常設日本語講座が開設され、選択科目の外国語としてこれまで開設されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大による影響もあり、2020年9月の新学期開始時点で日本語教師が不在のため同講座は閉講中となっている。
学校教育以外では、2005年1月から、オマーン・日本友好協会が日本語教師を雇い、有料の講座で、13歳以上から登録可能な日本語公開講座を開設していたが、こちらも新型コロナウイルスの感染拡大による影響もあり、2020年9月の新学期開始時点で日本語教師が不在のため閉講状態となっている。
背景
オマーン人は非常に親日的であり、旅行や仕事で来日を希望する者の他、若者層では特にアニメなどの影響から日本ファンになる者も多い。
特徴
日本語講座が常設されていた国立スルタン・カブース大学では、一般教養の選択科目として取得可能であった。オマーン・日本友好協会の日本語講座は1学期3か月のコースが年に3回開講されていた。
当地における日本語教育はまだ新しく、ほとんどが初級の学習者である。日常生活で日本人と接する機会は限られているが、インターネットによって日本の歌やドラマ、アニメなどが視聴できるため、日本語講座に通わずとも日本語に通じている者も見られる。
最新動向
2015年2月に開設された国立スルタン・カブース大学の日本語講座は、登録希望者が多く、常に定員満員であった。オマーン・日本友好協会の日本語講座も、毎学期、新規受講者を特定数獲得しており、順調に運営されていた。新型コロナウイルスの感染拡大による影響もあり、いずれも2020年9月の新学期開始時点で日本語教師が不在であったことから閉講状態となっている。 2022年末、オマーン・日本友好協会が日本語講師1名の採用を決定し、2023年春頃、同協会で講座再開を見込んでいる。
教育段階別の状況
初等教育
日本語教育は実施されていない。
中等教育
日本語教育は実施されていない。
高等教育
2015年2月から国立スルタン・カブース大学教養社会科学部観光学科の全学部共通選択外国語科目として、常設日本語講座(初級のみ)が開設されていたが、2020年9月の新学期開始時点で日本語教師が不在であったことにより同講座は閉講中となっている。
学校教育以外
オマーン・日本友好協会が日本語公開講座を実施していた。レベルはL1からL4(入門及び初級程度)及び中級の計5レベル、全コース合計で週8コマ実施され、各コースは3か月間、学生はオマーン人が多数であるが、アメリカ人、インド人、パキスタン人などの外国人もおり、年齢・職業は多様であった。
教育制度と外国語教育
教育制度
教育制度
当国では、1997年から基礎教育制度の導入が開始され、従来の6-3-3制から10-2制へ変更されている。始めの10年間を「基礎教育」、その後の2年間を「中等教育」とし、計12年間の教育終了後は、高等学校卒業資格が与えられる。また、基礎教育10年間の前半の4年間は「第1期」、残りの6年間は「第2期」と呼ばれている。
教育行政
初等、中等教育機関は教育省、高等教育機関は高等教育・科学研究・技術革新省の所管となっている。
言語事情
アラビア語が公用語である。外国人労働者が多いため、都市部では英語がよく通じる。
外国語教育
基礎教育第1学年より、英語を履修。
外国語の中での日本語の人気
若者を中心にマンガ・アニメがインターネットを通じて視聴されており、教育機関に通わずに独自に日本語を学習している者も見られることからも、当地での日本語の人気は高い。
大学入試での日本語の扱い
大学入試で日本語は扱われていない。
学習環境
教材
初等教育
日本語教育は実施されていない。
中等教育
日本語教育は実施されていない。
高等教育
日本語教育は実施されていない(過去実績では『まるごと 日本のことばと文化 入門(A1)』。)。
学校教育以外
日本語教育は実施されていない(過去実績では『まるごと 日本のことばと文化 入門(A1)』、『まるごと 日本のことばと文化 初級1(A2)』 。)。
IT・視聴覚機材
国立スルタン・カブース大学では全教室にプロジェクター、Wi-Fi接続されたパソコンが設置されており、日本語の授業でも使用されていた。
教師
資格要件
初等教育
日本語教育は実施されていない。
中等教育
日本語教育は実施されていない。
高等教育
最終学歴及び日本語教師としての実務経験が問われ、特にネイティブの日本人が希望される。
学校教育以外
日本語教師としての実務経験が問われ、特にネイティブの日本人が希望される。
日本語教師養成機関(プログラム)
日本語教師養成を行っている機関、プログラムはない。
日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割
2020年2月まで、オマーン・日本友好協会が運営している日本語講座で1名の日本人教師が雇用されていた。また、同教師がスルタン・カブース大学での日本語講座も担当していた。
教師研修
現職の日本語教師対象の研修はない。
教師会
日本語教育関係のネットワークの状況
日本語教育関係のネットワークはない。
日本語教師派遣情報
国際交流基金(JF)からの派遣
国際協力機構(JICA)からの派遣
JF、JICAからの派遣は行われていない。
その他からの派遣
特になし。
日本語教育略史
2005年1月 | オマーン・日本友好協会による日本語講座開講 |
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2015年2月 | 国立スルタン・カブース大学にて常設日本語講座開講 |