ザンビア(2022年度)

日本語教育 国・地域別情報

2021年度日本語教育機関調査結果

なし

日本語教育の実施状況

全体的状況

 ザンビアにおける日本への関心は近年高まっており、特に若者の間ではマンガ、アニメがネットメディアを通じてかなり浸透している。一方、これに対し日本語教育の機会のオファーはほとんどなく、関心がある若者も自力で学習ツールを探さざるを得ないのが現状である。これまで、ザンビアにおいて日本語教育を行う機関は存在しなかったが、2013年11月に首都ルサカ市のザンビア大学において、北海道大学アフリカルサカオフィス(*)の支援の下、日本語公開講座が開設された。コロナ禍による中断を経て2022年に再開された日本語公開講座には、のべ146名が参加した。しかし、大学側の都合で日本語公開講座は同大学内の孔子学院の施設内での運営を余儀なくされている。

*北海道大学アフリカルサカオフィスは、北海道大学のアフリカ初となる海外事務所として、ザンビア及び周辺国の高等教育機関との間での学術交流の促進を目的として2012年3月にザンビア大学キャンパス内に設立された。

最新動向

 なし

教育段階別の状況

初等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

中等教育

 日本語教育の実施は確認されていないが、課外活動などで日本語学習をしている者が一定数存在。

高等教育

 ザンビア大学において、2013年度から日本語公開講座が開設。また、ザンビア大学学生が履修する正課科目「日本語文法初歩」の設置がザンビア大学の学内評議会において認可され、2018年より卒業単位に含まれる正課科目が開講した。

学校教育以外

 ザンビア大学で実施されている講座以外は日本語教育の実施は確認されていないものの、課外活動などで日本語を学習している者が一定数存在。

教育制度と外国語教育

教育制度

 初等教育(Grade 1-7)、中等教育(Grade 8-12)及び高等教育(大学や専門学校及び職業訓練学校などがある)で構成されており、中等教育まで無償化されている。義務教育期間は初等教育(Grade 1-7)のみが対象であり、初等教育の就学率96.6%(2020年)に対し、中等教育は44.6%(2020年)と進学率が低いことが問題となっている。

教育行政

 教育分野は国家開発のための政策の重点分野の一つとされ、2021年の政権交代後、ヒチレマ大統領率いる新政府は、それまで早期・初等・中等教育を担当する一般教育省と高等教育を担当する高等教育省の二つに分かれていた省を教育省として合併するとともに、2022年1月から中等教育を無償化し、それに伴う教員不足を補うために3万人の新規教員を採用した。

言語事情

 公用語は英語。

外国語教育

 基礎教育のGrade4から、母語から英語での授業に切り替わる。

外国語の中での日本語の人気

 フランス及びイタリアの文化機関(アリアンセ・フランセーズ及びイタリア文化センター)がそれぞれの語学コースを提供している。また、孔子学院がザンビア大学内に設置されているほか、中国政府はザンビア人留学生を積極的に受け入れており、中国留学を目指す学生が中国語を熱心に学習している。日本語については、日本留学生やJICA研修生OBOGを中心に一定程度理解するザンビア人が散見されるほか、相手が日本人だとわかると片言の日本語を話しかけてくる一般人もいる。上記の日本語公開講座は、定員をはるかに上回る応募があり、日本のポップ・カルチャーイベントの参加者にも日本語学習に関心を示す者が多くいるなど、日本への関心の高さを反映して潜在的なニーズが高い可能性がある。

大学入試での日本語の扱い

初等・中等教育等で日本語教育が実施されていないため、大学入試で日本語は扱われていない。

学習環境

教材

初等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

中等教育

 日本語教育の実施は確認されていないが、課外活動などで日本語学習をしている者が一定数存在。

高等教育

 ザンビア大学の日本語正課講座・公開講座において、『みんなの日本語』(スリーエーネットワーク社)が使用されている。2016年11月に国際交流基金日本語普及活動助成事業により日本語教材52冊がザンビア大学に贈呈された。

学校教育以外

 日本語教育の実施は確認されていないが、課外活動として日本語学習をしている者が一定数存在。

IT・視聴覚機材

 ザンビア大学の日本語公開講座では、東芝ヨハネスブルク事務所から寄贈されたタブレット型パソコン12台が使用されてきた。

教師

資格要件

初等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

中等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

高等教育

 ザンビア大学では2013年11月の日本語公開講座開講時から、日本の大学院に留学経験のある人文科学部講師が中心になり、日本人ボランティアとともに日本語教育を行ってきた。2019年2月、JICAからJOCVの日本語教師1名が着任し、上記講師とともに正課・公開講座を受け持っていたが、2022年12月現在、同ポストは空席となっている。

学校教育以外

 日本語教育の実施は確認されていない。

日本語教師養成機関(プログラム)

 日本語教師養成を行っている機関は確認されていない。

日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割

 2019年2月、JICAからJOCVの日本語教師1名がザンビア大学に着任したが、2020年に新型コロナウイルスのため日本に退避し、リモートで教育支援を行った。その後、同ポストは空席となっている。

教師研修

 教師研修の実施は確認されていない。

教師会

日本語教育関係のネットワークの状況

 日本語教育関係のネットワークは確認されていない。

日本語教師派遣情報

国際交流基金からの派遣

 なし

国際協力機構(JICA)からの派遣(2022年10月現在)

 なし

その他からの派遣

 JICAJOCV)以外からの派遣なし。

シラバス・ガイドライン

 統一シラバス、ガイドライン、カリキュラムは確認されていない。

評価・試験

評価・試験の種類

 共通の評価基準や試験は確認されていない。

日本語教育略史

2013年11月 ザンビア大学に日本語公開講座が開設
What We Do事業内容を知る