米国若手日本語教員(J-LEAP) 13期生 総合報告書
日本語がつないだトーランスの2年間

トーランス・ハイ・スクール
渡邉 沙和子

1年目から2年目へ ―教師としての成長―

2年目は、新たに二つのクラスを担当する機会をいただき、クラスマネジメントや授業運営についてより深く学ぶことができました。授業では時間配分を意識して生徒の集中力を維持できるよう工夫したほか、ペアワークの組み合わせを調整し、生徒同士が積極的に学び合える環境づくりに努めました。
また、文化紹介では、文化そのものだけでなく、その背景や実際に使われる場面も取り上げることで、生徒が日本文化をより身近に感じられるよう工夫しました。さらに、普段あまり関わりのない生徒同士をペアにするなど、クラス全体の一体感を高め、日本語をクラスメイトと学ぶ楽しさを実感できる授業を心掛けました。
これらの経験を通して、一つの指導方法にとらわれず、生徒の様子や状況に応じて柔軟に授業を組み立てられるようになりました。1年目は計画どおりに進まないことに焦りを感じることもありましたが、2年目は落ち着いて対応できるようになりました。授業で最も大切なのは、計画どおりに進めることではなく、生徒一人ひとりに合った学びを提供し、安心して主体的に参加できる学習環境をつくることであると実感しました。

教室を超えた地域との交流

派遣先機関以外では、日本語や日本文化を通じた交流の機会を広げる活動に積極的に取り組みました。近隣校では文化紹介や日本語授業を実施し、現地の日本語教師からは、日本から来た教師と直接交流できること自体が生徒にとって貴重な経験になると言っていただきました。複数の学校で授業を行い、多くの生徒に日本や日本語に興味を持つきっかけを提供することができました。
また、地域では、中学生や社会人を対象とした日本語クラスを開講し、既存の語学講座への参加が難しい方にも気軽に学べる場を提供しました。学習者一人ひとりのペースに寄り添いながら継続的に支援したことで、地域の方々とのつながりを深める貴重な機会となりました。さらに、教会では、じゃんけんや昔遊び、お好み焼き作りなどを通して、日本文化を体験する機会を提供しました。
特に印象深かったのは地域の日本語クラスです。社会人の学習者の方々は、忙しい日々の中でも時間を作り、熱心に学習に取り組んでくださいました。「日本を訪れた際に、現地の人と日本語でコミュニケーションを取ることが楽しみ」と話してくださったことが印象に残っています。これを一つのきっかけとして、日本語や日本文化への興味を持ち続けてくれたらとても嬉しいなと思います。

自分らしさを活かした日本語教育

派遣校では、リードティーチャーとは異なる立場だからこそできる貢献を常に考えながら活動しました。日本で生まれ育ち、生活してきた経験を生かし、日本の文化や日常生活を具体的に紹介する授業を行いました。生徒が日本語を単なる「言語」としてではなく、日本という国や文化と結び付けながら学べる環境づくりに努め、その結果、「日本をより身近に感じながら日本語を学ぶことができた」という声をいただきました。
また、自習時間には積極的に生徒と日本語で会話することを心掛けました。言いたいことがすべて伝わらない難しさも含めて言語学習の一部であることを伝え、間違いを恐れず挑戦する姿勢を大切にしました。そのような日々の関わりを通して、生徒の日本語学習への自信や意欲の向上につなげることができました。
さらに、地域では、日本語に興味はあるものの学習を始めるきっかけがなかった方を対象に日本語クラスを開講し、安心して挑戦できる場を提供しました。学習者一人ひとりのペースに寄り添いながら継続的に支援することで、「これからも日本語学習を続けたい」という意欲につながったと感じています。
これらの活動を通して、派遣校や地域における日本語教育の充実に貢献するとともに、日本や日本語への関心を高め、日米の交流を深める機会を創出することができたと考えています。

これからJ-LEAPに参加する人へー2年間の経験から

これから参加を考えている方には、長期の滞在だからこそ、自分が安心して生活できる環境づくりを大切にしてほしいと思います。日本文化や日本語を伝える場だけにこだわらず、多くの人とのつながりを大切にすることで、思いがけない出会いや縁が生まれ、新たな活動につながることもあります。私自身、そのような経験を通して、人とのつながりの大切さを実感しました。
また、文化や教育に対する考え方の違いを「良い」「悪い」で判断するのではなく、その背景にある価値観や文化を理解しようとする姿勢が大切だと感じました。学校や教師によって日本語教育の形はさまざまですが、その根底には日本語や日本文化を伝えたいという思いがあります。日本語教育を通して見えてくる日米のつながりを楽しみながら、多くのことを学び、経験してほしいと思います。
私自身、この2年間を通して、高校生が異なる言語や文化を学ぶことの意義を改めて実感し、その一端を担えたことを大変嬉しく思っています。この経験を今後のキャリアにも生かし、自分にできる形で日米の架け橋となる活動を続けていきたいと考えています。

  • 派遣先での写真1
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