米国若手日本語教員(J-LEAP)14期生 年次報告書 「教えること・広げること・つながることinピッツバーグ!!」
シェーラー・エリア・ハイ・スクール
西田 はるか
アメリカ建国の地・ペンシルベニア州での日本語教育!
ペンシルベニア州はアメリカ北東部に位置し、アメリカ建国の歴史と深い関わりを持つ州として知られています。州都はハリスバーグ、最大の都市はフィラデルフィア、私が住むピッツバーグは州内第二の都市です。州面積は約119,280平方キロメートル、人口は約1,310万人です。
ピッツバーグは、州の西側に位置し、五大湖の一つとして有名なエリー湖から南に車で2時間程度の距離にあります。ピッツバーグは白人が多数を占め、アジア系は3%ほどです。19世紀に鉄鋼産業が発展し「鉄鋼の街(スチール・シティ)」として知られていました。現在はカーネギーメロン大学やピッツバーグ大学といった世界的な教育機関・研究機関を中心にAIやロボティクスなどテクノロジーの街に変容しつつあります。言語学習アプリとして有名なDuolingoもピッツバーグの街から生まれました。ペンシルベニア州内には500の公立校の学区があり、多くの私立校もあります。
州内の日本語教育の規模はあまり大きくありませんが、ピッツバーグ内のいくつかの高校・大学では選択科目として日本語クラスがあり、また日本語補習校もあり、日本語を学ぶ機会が提供されています。一方で、地域の方が日本文化に触れる機会は比較的限られていると感じます。
シェーラー・エリア・ディストリクトでの日本語教育について
私の派遣先であるシェーラー・エリア学区はピッツバーグ郊外北部に位置しており、周辺には緑が多く、穏やかで過ごしやすいエリアにあります。教師は高校に約100人、中学校に約50人所属しています。学生数は中学と高校を合わせて約1800人、そのうちの88%が白人、アジア人は1%ほどです。中学校では7年生向けにランゲージ・エクスプロアクラスという、日本語・スペイン語・ラテン語・フランス語のすべてを数か月ずつ体験し、8年生で受講する外国語クラスを選ぶ機会があります。中学校で私も週に2回ほど授業に参加し、先生が企画した文化紹介の補助やスピーキング練習などを担当しています。
高校の日本語クラスは計5レベルあり、1日5コマ、生徒は全体で60名です。高校での事務的な仕事は、これまでのJ-LEAPアシスタントティーチャー(以下、AT)とリードティーチャー(以下、LT)が作り上げてきたレッスンプラン、アクティビティをLTと見直したり、教材作りのための素材集めやスライド作成、採点などをしています。授業内ではLTと一緒に文法の導入、会話練習やスピーキングのテストなど、授業をサポートできるよう励んでいます!
シェーラーの日本語プログラムを地域の方に知ってもらう活動がアメリカと日本の架け橋の第一歩になると信じて・・・!
シェーラー高校にはJapanese National Honors Society(全米優等生協会)があり、約25名が在籍しています。日本食クッキング、日本映画を鑑賞したりする放課後クラブや、シェーラーの日本語プログラムの宣伝、日本文化の普及のためにさまざまなイベントを実施してきました。なかでも、生徒が主体となり地域の小学校や中学校を訪問し、本のしおり作りや折り紙のイベントを開催したり、日本語プログラムを紹介するためのパンフレットを作成し、保護者向けの説明会でプログラムの魅力を伝える活動にも取り組みました。ホームカミングという地域のお祭りでは、生徒たちと寿司やたこ焼き、おにぎりを作って販売し、地域の方に日本文化を体験していただきました。
また、1年目の冬にインタビューを受け、地元新聞やニュースサイトにJ-LEAPでの活動が掲載されました。ピッツバーグに住む方たちは普段、異文化に触れ理解を深める機会が比較的少ないので、年齢を問わず、多くの地元の方にアメリカの学生への日本語教育を目に留めていただけたことは、大変貴重な機会でありがたかったです。そして、5月にニューヨークの総領事館を訪問し、領事館の方々と、ピッツバーグでの日本語教育や学生たちの様子についてお話しし、イベントの集客方法についてアドバイスなどをいただけたことを、大変光栄に思いました。
人とつながるということ
1年間アメリカで生活し、改めて人とのつながり方を学びました。ピッツバーグの方たちは初対面でもよく会話をし、つながりを築くことを大切にしています。そして、そのつながりを生活の中で生かしていることが印象的でした。例えば、車を購入する際に知人を通じて信頼できるディーラーを紹介してもらったり、いつも周りの方が助けてくれたり、人のネットワークが生活の支えになっています。母国語で不自由なく生活してきた日本では、こうした価値観を深く意識することは多くありませんでした。そして、一つ一つの縁を大切にし、恩返しができることは何か心がけることをホストファミリーから学びました。教育現場でもこれは同じで、生徒の会話練習の相手になることで、生徒も毎日必ず「今日もありがとう。もっと日本語を頑張るね!」と伝えてくれ、それが嬉しく、私の活力になっていました。私がアメリカで出会った方々は、率直で親しみやすく、コミュニケーションの機会とその縁を大切にする方が多いと感じます。人との縁を大切にすることは、結果として自分にも返ってくるという人間関係の本質的な部分を学びました。2年目の目標としては、地域の方たちに日本をもっと体験してもらえるような交流の機会を増やしていきたいです!
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