ソウルでの2年目のお仕事―さらなるキラキラを目指して―

ソウル日本文化センター
兼行 めぐみ

ソウル日本文化センター(以下、JFソウル)に赴任して2年が経過し、このレポートを書くのも2回目となりました。1年目のレポートではJF日本語講座と教師研修についてお伝えしましたが、2年目も引き続きそれらの業務をさらにレベルアップを目指しながら行いました。またさらに、1年目とは違った業務への挑戦の機会もいただきました。今回のレポートでは、2年目に行ったテーマ別特別セミナー(以下、特別セミナー)での発表についてお伝えしたいと思います。

「まるごとセミナー」

JFソウルでは、日本語教師や日本語学習者を対象とした特別セミナーを2021年度から年に数回、実施しています。2021年8月には、JF日本語教育スタンダード準拠コースブック『まるごと 日本のことばと文化 中級2 B1』(以下、『まるごと中級(B1)』)の韓国語版が出版されたことを記念し、「『まるごと中級(B1)』韓国語版出版記念・特別セミナー ―執筆者に聞こう!韓国の実践を知ろう!―」をオンラインで開催しました。このセミナーでは、執筆者をお招きしお話しいただくとともに、韓国での授業実践についても紹介しました。

韓国語版『まるごと中級(B1)』の写真
韓国語版『まるごと中級(B1)』

その中で、JFソウル所属の上級講師とともに日本語指導助手(以下、指導助手)もJFソウルの日本語講座での実践例を発表することになりました。発表は「『まるごと中級2』特別活動の実践例~ビフォー・コロナ、アンダー・コロナ~」と題し、『まるごと中級(B1)』を用いた「まるごと中級コース」の概要、オンライン授業での実践例と成果などについてお話ししました。このような発表の機会は初めてだったため、セミナーの一か月ほど前から上級講師と打ち合わせを行い、日本語専門家にご指導いただきながら準備を行いました。『まるごと中級(B1)』を使った授業について、初めて聞く人にどうすればわかりやすく伝えられるか、当日まで修正や練習を何度も繰り返しました。

セミナー当日は世界28の国・地域から200名を超える参加があり、多くの方に関心を持っていただいたことをうれしく思うと同時に、どんどん増えていく参加者の数字にとても緊張したのを覚えています。発表では、参加者に『まるごと中級(B1)』の授業の楽しさが伝わるように……ということを意識して行いました。

発表後の質疑応答、またセミナー後のアンケートでも、参加者からたくさんの質問やコメントをいただき、多くの方が『まるごと中級(B1)』の授業に興味を持ってくださったことがうかがえました。JFソウルに赴任して約1年半、私自身もコロナ禍で試行錯誤しながら行ったJF日本語講座での授業をふりかえり、発信することができたこと、またそれが参加していただいた先生方に少しでも役に立ったかと思うと、うれしく、やりがいのある経験となりました。

「まるごとセミナー」での発表の様子の写真
「まるごとセミナー」での発表の様子

2年間をふりかえって

JFソウルでの指導助手としての任期もあと少しとなりました。コロナ禍での業務という思いもよらない状況の中での2年間でしたが、今ふりかえって思い出すのは、たくさん悩んだ時間、そしてその先で得られたキラキラした楽しい時間です。また、その時間をともに過ごした方々の顔が浮かんできます。ソウルで指導助手としてたくさんの挑戦の機会をいただけたことに感謝し、ここで学んだことを次の場所で活かし、さらにキラキラの瞬間を作り出していけるよう努めていきたいと思います。

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