赴任から半年が経って…

ケルン日本文化会館
中川 愛理

ケルン日本文化会館の写真
ケルン日本文化会館

ケルン日本文化会館(以下、会館)は1969年に開館し、2019年に50周年を迎えました。会館は、緑豊かなヒロシマ・ナガサキパークに面していて、通勤時にはうさぎやりすを見かけることもあります。ケルンに、日本語指導助手(以下、指導助手)が派遣されるのは2021年度が初めてですが、今回は、私が赴任してから半年の間に携わってきた業務や、その業務を通じて感じたことを述べようと思います。

日本語指導助手としての業務

指導助手の担当している業務は主に、1)日本語講座の授業担当、2)日本語講座運営、日本語上級専門家のアドバイザー業務の補助、3)会館をはじめとした国際交流基金が行う日本語普及事業への貢献です。赴任して半年、講座や研修、イベントの多くは新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防のためオンラインで開催されていますが、日々学ぶこと、感じることの多くある、充実した日々を過ごしています。

日本語講座

2021年度秋冬学期は240名を超える学習者がオンライン日本語講座を受講しました。私は非常勤講師とチームで、Aufbaustufe(A2/B1レベル)のクラスとMittelstufe(B1レベル)のクラスを担当しました。『まるごと日本のことばと文化』(以下、『まるごと』)を使って授業をするのは初めてだったのですが、上級専門家と専任講師から『まるごと』や指導法に関するアドバイス、授業見学、フィードバックなどのサポートを受け、授業に臨むことができています。とくに、専任講師に授業見学をしてもらったことは、これまでの自身の授業との向き合い方を見直すきっかけにもなりました。例えば、『まるごと』にある授業の「聞く」という活動一つにしても、ただ音声を聞くのか、文字を一緒に読むのか、何のためにその活動をするのかを意識しなければなりません。また、内容がわかること→文型にフォーカスすること→アウトプットに持って行く、というふうに流れがあり、それを意識することで学習者への呼びかけや授業の組み立てが変わってきます。どのようにしたら学習者にとってより良い、わかりやすい授業になるのか、まだまだ自身の勉強、力不足を痛感する日々ですが、専任講師からのフィードバックや、先学期の自身の授業の反省点を改善し、今後の授業に繋げていきたいです。

日本語しゃべりーれん

日本語しゃべりーれんのポスターの画像
日本語しゃべりーれんのポスター

会館では、ドイツで日本語を学ぶ人が気楽に日本人と日本語で話す機会として、毎月第二土曜日に「日本語しゃべりーれん」というイベントを開催しています。現在はオンラインで開催しており、学習者はドイツの各地から、日本語ボランティアはドイツはもちろん日本からも時差を越えて参加があります。毎回、学習者20名、日本語ボランティア10名ほどの参加があり、参加者はクリスマスマーケットやビール、ドイツ料理、和食の話など、様々なトピックについておしゃべりし、学習者と日本人の良き交流の場となっています。今後は新型コロナウイルスの感染状況も見ながら対面での開催に戻し、ドイツで日本語を学ぶ人と日本人がオンラインの世界だけでなく現実の世界でも繋がるお手伝いをしていきたいです。

その他の業務

会館では、上級専門家、専任講師、指導助手がチームとなり、様々な研修を行っています。研修のテーマは多岐にわたり、私は運営補助を担当しています。

ケルン日本文化会館 日本語チームのみんなでの画像
ケルン日本文化会館 日本語チームのみんなで

11月にはケルン近くにあるジークブルクという町のアンノ・ギムナジウムで行われたJapantag(日本デー)にも参加し、専任講師が行う日本語講座の補助を担当しました。指導助手は、上級専門家や専任講師の仕事を間近で見て、様々な業務の補助を行うことで、多くの知識やスキルを得ることができると感じています。

今後の目標

着任から約半年が経過しました。まだまだ勉強中の毎日ですが、1日1日、やるべきことを確実にやり、力をつけていきたいです。そして、赴任が終了する頃には目に見えた成果を残すことができるよう、精進していきます。

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