世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート)日本文化・日本語教育の中核的な存在として

カンボジア日本人材開発センター
小嶋香織

カンボジア日本人材開発センター(以下、CJCC)は、「ビジネス」「日本語」「日本文化」の3つを柱として運営を行っています。国際交流基金は、この3本柱の「日本語」「日本文化」の支援を行っています。CJCCで開講している日本語講座では、年間約1000名近くの受講生が日本語を学んでいます。また受講生の約75%が中高生を含む学生です。このことからも、カンボジアがとても“若い”国であることがわかります。

CJCCは、日本語講座だけでなく日本文化に関わる様々なイベントも企画しており、カンボジアにおける日本文化や日本語教育の中核的な存在と言えるでしょう。今年は2月22から25日にかけて、毎年恒例となっているKizunaフェスティバルが行われました。このイベントはカンボジアで行われる日本関連イベントでも最大規模のもので、今年は4日間で2万3000人以上の方がCJCCを訪れました。

ここでは、昨年行った日本語講座の新しい試み「ひらがな・カタカナCatch Up Class」とKizunaフェスティバルで行われた「学校対抗クイズ大会」について紹介します。

1.ひらがな・カタカナCatch Up Class

ひらがなとカタカナのゲームをしている写真
ひらがな・カタカナCatch Up Class

昨年11月、日本語の勉強を始めたばかりの受講生の中で、ひらがなとカタカナは学習したけど、まだ自信がないと感じている人を対象に「ひらがな・カタカナCatch Up Class」を開きました。まず初めに、クラスメートやカンボジア人の先生たちとひらがなやカタカナの勉強法を共有しました。受講生からは日本語学習サイトやアプリの紹介などがあり、日本語学習の先輩であるカンボジア人の先生は、日本語を学び始めたころの経験談を話しました。その後で、ひらがなとカタカナのゲームをしました。ゲームは思ったよりも盛り上がりました。このような企画を通して、受講者にとって少しでも日本語を続けて学ぼうというモチベーションにつながればと思います。

2.学校対抗クイズ大会

2018年2月24日、Kizunaフェスティバルのイベントの1つ「学校対抗クイズ大会」を開催しました。出場校はカンボジア内の日本語教育機関で、今年はプノンペンやその他の地方から13校がクイズ大会に参加しました。クイズは日本とカンボジア両国の言語や文化に関連するものが出題されます。大会出場者だけでなく会場に来ていたみなさんも一緒に答えを考えていました。そして、問題の正解が発表されると、会場内でどよめきの声や歓声が聞かれ、とても盛り上がりました。来場者を対象に行ったアンケートには、「日本の文化を知ることができた」といったコメントもありました。日本文化、カンボジア文化を知り、興味や関心を持ってもらえる人を増やすのもCJCCの大切な役割です。

学校対抗クイズ大会の写真
学校対抗クイズ大会

このように、CJCCの日本語講座を運営する講師やスタッフは、授業だけでなく学習者が日本語学習をもっと続けたいと感じてもらえるような企画をしたり、CJCCで行われる様々な日本関連イベントも運営したりしなければなりません。それは、CJCCがカンボジアにおける日本文化・日本語教育の中核的な存在として、様々な役割が求められているためです。

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