世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート)ミンスク国立言語大学における日本語教育

ミンスク国立言語大学
相原幹子

大学の外観の写真
新緑のころ

ベラルーシでは二つの大学で日本語を学ぶことができます。その一つがミンスク国立言語大学です。国際交流基金から派遣されている日本語専門家は平均週4コマの授業を担当しています。ミンスク国立言語大学では、時期により時間割が変わります。直接担当するクラスがなく、担当授業以外のクラスに参加することもあります。また多いときには週に8コマ担当することもあります。主専攻のクラスで日本語の授業が多いのはもちろんなのですが、副専攻のクラスでも多くの時間が日本語の授業となっています。

日本語学習者は年々増え、現在、ミンスク国立言語大学には二つの主専攻のクラスと、七つの副専攻のクラスがあります。主専攻は通訳学部の学生で、現在2年生です。授業で学ぶだけでなく、自ら自律的に学習している姿も見られます。

実際に日本語を学んでいる学生だけでなく、2017年度は「以前、日本語を勉強していた」と日本語の教科書を見て話しかけてくる学生がいました。2018年度は「大学で日本語を勉強していないのだが、日本語能力試験を受けるにはどうすればいいのか」とか、「第三外国語として日本語を学ぶことはできないのか」などと尋ねてきた学生もいました。日本語学習希望者が増えていることがうかがえます。

発表の準備をしている写真
発表準備中

私が2018年度担当となった英語学部の学生は、将来英語教師となることを目指している学生です。以前は英語学部の学生が日本語を学ぶことはありませんでした。しかし、2018年度の5年生が日本語を勉強したいと希望を出したことにより、英語学部でも日本語を勉強することができるようになったそうです。現在担当しているクラスは静かで、話すことより、文法や漢字を勉強したり、読んだり書いたりすることの方が好きという学生が多いです。話すときにも落ち着いて、静かに熱い思いを語る人が多い、という印象を受けます。学生からは日本に関することだけでなく、ベラルーシのこと、それ以外の国や地域のことなど、非常に興味深い話を聞くことができます。

このように現在も多くの日本語学習者が在籍し、今後日本語の学習を希望している学生もいるミンスク国立言語大学なのですが、学習者数、授業数の増加に教師数が追い付いていません。時期によっては、「本を読む時間もない」というほど多くの時間を先生方は授業のために費やし、非常に負担となっています。通訳学部は通訳・翻訳家養成を目的としていますので、通訳・翻訳に携わる卒業生が増えることは大変喜ばしいことです。それとともに教師になる人も増えるような状況になっていってほしいものです。

派遣先機関の情報
派遣先機関名称
Minsk State Linguistic University
派遣先機関の位置付け
及び業務内容
ミンスク国立言語大学の日本語専攻コースは、東洋語講座に設置されている。主専攻の日本語コースの学生募集は通訳学部で5年に1度行われており、主にプロの通訳・翻訳家の育成を目指している。副専攻で日本語を学ぶ学生は通訳学部と英語学部の学生である。専門家は週に4コマの授業を担当するとともに、他教師へのアドバイスなどを行う。
所在地 St.Zakharova 21,Minsk,220034,Belarus
国際交流基金からの派遣者数 専門家:1名
日本語講座の所属学部、
学科名称
東洋語講座
日本語講座の概要
沿革
  講座(業務)開始年 1993年
  国際交流基金からの派遣開始年 2002年
 
コース種別
  専攻、副専攻
 
現地教授スタッフ
  常勤3名(うち邦人1名) 非常勤1名(うち邦人1名)
学生の履修状況
  履修者の内訳 主専攻2年生29名、
副専攻7クラス各15名程度
  学習の主な動機 「日本・日本文化への興味」
「留学」「翻訳・通訳家希望」
  卒業後の主な進路 翻訳・通訳業務、官公庁、民間企業
  卒業時の平均的な
日本語能力レベル
日本語能力試験N1~N2受験可能程度
  日本への留学人数 2名程度

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