国際交流の夕べ 能と狂言の会 2013

国際交流の夕べ 能と狂言の会 -An Evening of Noh and Kyogen

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)京都支部では、海外からの留学生や研究者など、外国人の方々に日本の文化にふれていただくことを目的として「能と狂言の会」を開催します。

詳細
日時 2013年11月29日(金曜日) 18時開場 18時30分開演
場所

金剛能楽堂
京都市上京区烏丸通中立売上ル
TEL:075-441-7222

※公演ポスターはこちらからご覧頂けます。
国際交流の夕べ 能と狂言の会 【PDF:977KB】

演者、演目

狂言/ 茂山 千五郎 師「文蔵(ぶんぞう)」

能/ 金剛 永謹 師「小鍛冶 白頭(こかじ はくとう)」

主催 国際交流基金(ジャパンファウンデーション)京都支部
国際交流基金(ジャパンファウンデーション)関西国際センター
協力 公益財団法人 金剛能楽堂財団
後援 京都府、京都市、京都市観光協会、京都新聞社
入場料
(全席自由席)
一般/3,500円  学生/2,000円
※団体割引(20名様以上):10%Off
チケット販売先 金剛能楽堂、国際交流基金京都支部
(10月7日 発売開始)

演目紹介

狂言 「文蔵(ぶんぞう)」

狂言 文蔵(ぶんぞう)【鑑賞】
無断で旅に出て前夜帰宅した太郎冠者を主人が叱責すると、京都見物をし、主人の伯父を見舞ってきたという。主人は機嫌を直し、何か御馳走にならなかったかと尋ねると、太郎冠者は珍しい物を食べたが名を忘れたと答える。物にことよせて覚えていないかと問うと、主人がいつも好んで読む『源平盛衰記』の石橋山合戦の話に出てくる物を食べたと答えるので、主人はそのくだりを語りはじめる。主人が語り進めて「真田の与市が乳人親に文蔵と答ふる」というところにくると、太郎冠者はその文蔵を食ったという。主人は、それは釈尊出山のとき、霊鷲山(りょうじゅせん)で師走八日に召された温糟粥(うんぞうかゆ)のことであろう、温糟と文蔵の区別もつかないで主人に骨を折らせたと叱って留める。

同音異義語を利用した落語の地口(じぐち)落ちに似た結末をもつが、一曲の眼目は、主人が凛凛しい侍大将の真田与市と荒武者の俣野とを演じ分け、その組合いにいたるまでを、抑揚・緩急の変化をもたせながら仕方をまじえて語ることにある。

羽田昶

<『〔新訂増補〕能・狂言辞典』(平凡社,1999年)より>

能 「小鍛冶(こかじ)」

能 小鍛冶(こかじ)【鑑賞】
三条小鍛冶宗近は剣を打って奉れとの勅命を受けたが、しかるべき相槌の人がないのに困り、稲荷明神に祈願に出かける。すると気高い童子が現れて激励の言葉を掛ける。童子は中国と日本の伝説を引いて剣の徳を詳しく物語り(<クセ> <中ノリ地> )、心配なく準備にかかれと言い捨てて消え失せる(中入)。宗近が帰宅して用意を整えて待つと、霊狐が現れて相槌を務め、名剣小狐丸を仕上げる。

前場は草薙の剣の物語が中心だが、ここは<クセ>から直接<中ノリ地>へ続く形で、他の能に例がない。長唄«小鍛冶»などの原拠。
後場で鍛冶壇が用意される。それは一畳台に注連(めし)を張り、台の上には鉄床と槌、刀身、幣が置かれる。前ジテの中入に続く<来序>(ただしアイが宗近の下人の場合は<来序>なし)、鍛冶壇の設置、ワキの<ノット>、<早笛>、後ジテの登場、<舞動>、鍛冶の場と、囃子・演技とも変化に富み楽しめる。

荻原達子

<『〔新訂増補〕能・狂言辞典』(平凡社,1999年)より>

出演者プロフィール

狂言師 茂山 千五郎 師

狂言師 茂山 千五郎 師の写真

1945年生。大蔵流四世茂山千作(人間国宝・日本芸術院会員)の長男として、祖父三世千作、父四世千作に師事。1949年『伊呂波』のシテにて初舞台を踏む。

1973年欧州公演を皮切りに、欧米各地での海外公演を行う一方で、1976年に若手だけの「花形狂言会」を主宰。1986年重要無形文化財総合指定保持者に認定。2004年京都府文化賞功労賞、2008年文化庁芸術祭賞大賞を受賞。
1990年には国際交流基金の派遣により東南アジアでも公演を行う。1994年7月大蔵流十三世茂山千五郎を襲名。

能楽師 金剛 永謹 師

能楽師 金剛 永謹 師の写真

金剛流二十六世宗家。1951年、金剛流二十五世宗家金剛巌の長男として生まれる。5歳の時、仕舞『猩々』で初舞台を踏む。同志社大学文学部卒業。

1984年京都市芸術新人賞、1986年京都府文化賞新人賞、2005年京都府文化賞功労賞を受賞。1991年重要無形文化財総合指定を受ける。1998年金剛流二十六世宗家を継承。
主なる開曲は、『道成寺』『安宅』『木賊』『卒塔婆小町』『檜垣』等である。又、北米、カナダ、スペイン他諸外国への公演団長として活躍する。
社団法人 日本能楽会常務理事、金剛会理事長、公益財団法人 金剛能楽堂財団理事長、京都市立芸術大学客員教授。

[お問い合わせ]

国際交流基金京都支部
電話:075-762-1136

〒606-8436 京都市左京区粟田口鳥居町2番地の1 京都市国際交流会館3階

About Us国際交流基金について