国際交流の夕べ-能と狂言の会2023
国際交流基金(JF)京都支部では、海外からの留学生や外国人の方々、JFのフェロー、JF関西国際センター研修生に、日本の伝統文化にふれていただく機会を提供することを目的として、毎年秋に「国際交流の夕べ-能と狂言の会」を開催しています。2020年度から2022年度は、新型コロナウィルス感染拡大防止のため舞台動画の配信での開催となりましたが、2023年度は、コロナウィルス感染症への対策緩和に伴い4年ぶりに有観客での公演を再開いたします。
日時 | 2023年11月24日(金曜日)18時開場 18時30分開演 |
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場所 | 金剛能楽堂(京都市上京区烏丸通中立売上ル) 電話:075-441-7222 ※公演ポスター・チラシはこちらからご覧頂けます。 国際交流の夕べ-能と狂言の会2023チラシ【PDF:9.36MB】 |
演者・演目 | 狂言/大蔵流 茂山千五郎 師 『惣八(そうはち)』 能/金剛流 金剛永謹 師 『鵺 白頭(ぬえ はくとう)』 |
主催 | 国際交流基金(JF)京都支部 国際交流基金(JF)関西国際センター |
協力 | 公益財団法人 金剛能楽堂財団 有限会社茂山狂言会 立命館大学アート・リサーチセンター |
後援 | 京都府、京都市、公益社団法人京都市観光協会、京都新聞、公益財団法人京都市芸術文化協会 |
入場料 (全席自由席) |
一般/3,500円 学生/2,000円 ※団体割引(20名様以上):10%Off |
チケット販売 | 金剛能楽堂(窓口にて販売) 国際交流基金(JF)京都支部(事務所にて販売/電話予約) ※9月22日(金曜日)発売開始 |
お問合せ | 国際交流基金(JF)京都支部 電話:075-762-1136 |
演目紹介
狂言『惣八(そうはち)』

ある家の主人が僧侶と料理人を召し抱えるため高札を揚げます。
そこへ最近まで料理人をしていた僧侶と、最近まで僧侶であった惣八と名のる料理人がやって来てこの主人に雇われます。主人は僧に法華経の読経を、惣八には鯛と鯉を料理するように言いつけます。二人はやり慣れないことに戸惑い、相談して元の仕事と取り換えます。料理人姿の惣八が経を読み、元料理人が僧の姿で料理をして・・・。
元出家の料理人と元料理人の出家が、同じ主人に抱えられたことから起こるドタバタ喜劇です。
<狂言とは>
狂言とは、室町時代に能と共に形成された滑稽なお芝居です。平安時代末期から日本各地で起こった「猿楽」が元になっております。その後、能と狂言を合わせて「能楽」と呼ばれるようになります。能が悲劇的な歌舞劇なのに対し、狂言は喜劇的なセリフ劇です。観て笑って楽しむ芸能で、観客に緊張を与える能の間で、まるでサーカスの道化師のような役割を担ってきました。また生活の中の失敗談であったり、夫婦喧嘩を笑ってみたりと、現代でも変わらないものが笑いのテーマになっています。昔から伝わる普遍的な笑いの芸能が狂言なのです。
能『鵺 白頭(ぬえ はくとう)』

摂津の国 芦屋を訪れた旅の僧は、里人に一夜の宿を頼むが断られ、夜な夜な光る怪しげなものが出るという洲崎の御堂に泊まる。
そこへ一人の舟人が現れて自分は鵺の亡霊であると明かし、頼政に退治された有様を物語り、夜の波間に消えてゆく。
その夜、僧が読経していると、鵺の亡霊が真の姿を現す。鵺の亡霊は、頼政は鵺退治で名を上げて帝より御剣を賜ったことなどを語り、自分は成仏できずにいるといい、山の端にかかる月のように仏の光で我が身を照らし救いたまえと願いながら海中に消えていく。
鵺は頭は猿、尾は蛇、手足は虎、鳴く声は鵺という想像上の化け物。平家物語などで有名な源頼政の鵺退治の伝説を題材にし頼政の武勇をたたえながら、敗れた鵺の悲哀も描き、修羅物にも通じる見せ場の多い作品となっている。
<能とは>
能は室町時代に観阿弥と世阿弥親子によって大成し、現在まで何度も繰り返し演じられる舞台芸能です。仮面劇ですが、登場人物の全てでなく、主役(シテ)とそれに準ずる人(ツレ)だけがつけます。主役が仮面をつけない場合も、仮面をつけているように無表情です。能舞台には他の演劇の背景や道具類のような物はありません。時々、何かを象徴するような簡単な作り物が出されます。仮面や簡単な作り物、更に演目の中心の舞は観能者に想像力で能の世界に浸りこませる要素です。能には対話劇は少なく、一人の主人公に焦点を当てます(詩劇的)。源流が宗教儀式でしたので、それらは神能(脇能)として能の演目の一つのジャンルになっています。また仏教の影響で戦いに携わった者が修羅の世界に堕ちて苦しむ修羅能、王朝文芸のヒロインなどが登場する鬘物(世阿弥が志向した「幽玄」の世界)、雑能、切能(鬼能)という五つのジャンルが演目にはあります。
出演者プロフィール
狂言師 茂山 千五郎 師

1972年、五世茂山千作の長男として生まれる。本名は正邦。
4歳の時『以呂波』のシテにて初舞台。過去には「花形狂言会」「狂言小劇場」「TOPPA!」「心味の会」を主宰し、狂言のみならず能楽のファン開拓にも力を注ぐ。現在は「茂山狂言会」HANAGATA改め「Cutting Edge KYOGEN」弟茂との兄弟会「傅之会」落語家桂よね吉との二人会「笑えない会」を主宰し、幅広い年代層へ狂言の魅力を伝える。また上海京劇院・厳慶谷や川劇変面王・姜鵬とのコラボ公演など、他ジャンルとの共演も精力的に行う。2016年十四世茂山千五郎を襲名。2005年文化庁芸術祭賞新人賞、2008年京都府文化賞奨励賞受賞。
能楽師 金剛 永謹 師

1951年、二十五世宗家金剛巌の長男として京都に生まれる。幼少より、父・金剛巌に師事。
1998年9月能楽金剛流二十六世宗家を継承する。2003年5月金剛能楽堂を京都御所の西向かいに移転、竣工。重要無形文化財総合認定保持者。
「舞金剛」と呼ばれる華麗で躍動感溢れる金剛流独特の芸風に、「京金剛」といわれる優美で雅やかさが加わった芸風を特徴とし、シテ方五流宗家の中で唯一関西を本拠地とする。
金剛流第一回の海外公演であるカナダ・アメリカ公演団長を皮切りに、イタリア、フランス、スペイン、ポルトガル、ロシアなどでの海外公演も多数行う。
京都市芸術新人賞、京都府文化賞新人賞、京都府文化賞功労賞受賞。京都市文化功労者表彰。第67回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。2018年紫綬褒章受章。2023年(令和4年度)恩賜賞・日本芸術院賞受賞。2023年重要無形文化財「能楽」各個指定保持者(人間国宝)認定。
公益財団法人金剛能楽堂財団理事長。一般社団法人日本能楽会会長。一般社団法人金剛能楽会代表理事。一般社団法人金剛会代表理事。京都市立芸術大学客員教授。
著書に『金剛家の面』、『金剛宗家の能面と能装束』がある。
[お問い合わせ]
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