国際交流の夕べ-能と狂言の会2024
国際交流基金(JF)京都支部では、海外からの留学生や外国人の方々、JFのフェロー、JF関西国際センター研修生に、日本の伝統文化にふれていただく機会を提供することを目的として、毎年秋に「国際交流の夕べ-能と狂言の会」を開催しています。
日時 | 2024年11月14日(木曜日)18時開場 18時30分開演 |
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場所 | 京都観世会館(京都市左京区岡崎円勝寺町44) 電話:075-771-6114 ※公演チラシはこちらからご覧頂けます。 国際交流の夕べ-能と狂言の会2024チラシ【PDF:3.8MB】 |
演者・演目 | 狂言/大蔵流 茂山 千五郎 師『棒縛(ぼうしばり)』 能/観世流 片山 九郎右衛門 師『融 酌之舞(とおる しゃくのまい)』 |
主催 | 国際交流基金(JF)京都支部 国際交流基金(JF)関西国際センター |
協力 | 公益財団法人 片山家能楽・京舞保存財団 公益社団法人 京都観世会 有限会社茂山狂言会 立命館大学アート・リサーチセンター |
後援 | 京都府、京都市、公益社団法人京都市観光協会、京都新聞、公益財団法人京都市芸術文化協会 |
入場料 (全席自由席) |
一般/3,500円 学生/2,000円 ※団体割引(20名様以上):10%Off |
チケット販売 | 京都都観世会館 事務所で販売または電話予約:075-771-6114 Webチケット予約・購入 >チケット予約 ※要ログイン 国際交流基金京都支部 事務所で販売または電話予約:075-762-1136 ※9月12日(木曜日)発売開始 |
演目紹介
狂言『棒縛(ぼうしばり)』

いつも主人が留守の間に召使いの太郎冠者と次郎冠者が、酒を盗んで飲んでしまいます。そこで主人は、留守中、酒を飲まれないように二人をだまして縛ってから出かけます。しかし、残された二人は縛られたままでも工夫し、お互いに酒を飲ませ合い、酒盛りを始めてしまいます。そこへ主人が戻ってきて・・・
縛られた二人が不自由なりにもなんとか工夫して酒を飲む姿はおかしく、不自由な身のまま舞うのは演者にとっても至難の技でみどころです。
<狂言とは>
狂言とは、室町時代に能と共に形成された滑稽なお芝居です。平安時代末期から日本各地で起こった「猿楽」が元になっております。その後、能と狂言を合わせて「能楽」と呼ばれるようになります。能が悲劇的な歌舞劇なのに対し、狂言は喜劇的なセリフ劇です。観て笑って楽しむ芸能で、観客に緊張を与える能の間で、まるでサーカスの道化師のような役割を担ってきました。また生活の中の失敗談であったり、夫婦喧嘩を笑ってみたりと、現代でも変わらないものが笑いのテーマになっています。昔から伝わる普遍的な笑いの芸能が狂言なのです。
能『融 酌之舞(とおる しゃくのまい)』

「融」の魅力は華麗な舞です。
「融」は9世紀に生きた実在の貴族、源融(みなもとのとおる)を主人公にした能です。天皇の息子として生まれた彼は、雄大な邸宅を京都に作り、その庭園で風流な生活を楽しみました。
時は流れ、荒れ果てた邸宅跡を旅の僧が訪れます。秋の夕べ、東の空に満月が昇ると桶を持った汐汲みの老人が現れて、ここは昔源融が築いた邸宅の跡で、彼は東北地方の有名な景観をそのままこの地に再現し、大阪湾から海水を運んで塩を作らせ、その時に出る紫色の煙を楽しんだと語ります。そして二人で月を楽しんでいると、老人は桶で水を汲む様子を見せ、姿を消します。
その夜、在りし日の姿で融の亡霊が現れると、満月の光の中、荒れ果てた周りの景色は昔の華麗な姿を蘇らせます。融は景観を愛でながら、音楽に乗って美しい舞を見せ、月が西に傾くとその姿を消すのでした。
端正で高密度な所作、美しい能装束、流麗な音楽、それらは優雅な日本の美を示しています。
<能とは>
能は14世紀以来絶えることなく演じられてきました。はじめは庶民の楽しむ芸能であり、五穀豊穣を願い、幸せを祈るものでありました。やがて先行文学を取り入れ、文藝的な深い世界を描くものになっていきます。神の祝福、死者の鎮魂、美的世界の現出、危機に瀕したときの人間の心など、主題は普遍性を持ち、その故に古くならずに演じ継がれています。
能の表現は、長年の研鑚により、端正に磨き上げられ、また観客の想像力によって、いろいろなことを表現する手法をとります。能面、能装束、音楽、所作、これらの中には日本文化を支える特質が宿ります。能を通して、ひととき日本の心を感じてください。
出演者プロフィール
狂言師 茂山 千五郎 師

1972年、五世茂山千作の長男として生まれる。本名は正邦。
4歳の時『以呂波』のシテにて初舞台。過去には「花形狂言会」「狂言小劇場」「TOPPA!」「心味の会」を主宰し、狂言のみならず能楽のファン開拓にも力を注ぐ。現在は「茂山狂言会」HANAGATA改め「Cutting Edge KYOGEN」弟茂との兄弟会「傅之会」落語家桂よね吉との二人会「笑えない会」を主宰し、幅広い年代層へ狂言の魅力を伝える。また上海京劇院・厳慶谷や川劇変面王・姜鵬とのコラボ公演など、他ジャンルとの共演も精力的に行う。2016年十四世茂山千五郎を襲名。2005年文化庁芸術祭賞新人賞、2008年京都府文化賞奨励賞受賞。
能楽師 片山 九郎右衛門 師

観世流能楽師シテ方。昭和39年片山幽雪(九世片山九郎右衛門)の長男として京都に生まれる。祖母は京舞井上流四世家元井上八千代、姉は五世家元井上八千代。父及び八世観世銕之亟に師事。片山定期能楽会を主宰。全国各地で多数の公演に出演する他、海外公演にも積極的に参加。また、学校公演及び学校における能楽教室の開催、「能の絵本」の制作、能舞台のCG化など、若年層のための能楽の普及活動も手掛ける。 重要無形文化財(総合指定)保持者。京都府文化賞奨励賞、京都市芸術新人賞、文化庁芸術祭新人賞、日本伝統文化振興財団賞、京都府文化賞功労賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞、観世寿夫記念法政大学能楽賞を受賞。公益社団法人京都観世会会長、公益財団法人片山家能楽・京舞保存財団理事長。
[お問い合わせ]
国際交流基金(JF)京都支部
電話:075-762-1136
〒606-8436 京都市左京区粟田口鳥居町2番地の1 京都市国際交流会館3階