国際交流基金賞50周年記念 千 玄室さんからのメッセージ

平成7(1995)年度 国際交流基金賞
茶道裏千家前家元
千 玄室
[日本]
国際交流基金賞五十周年記念メッセージ
グローバルな地球規模の人々や文化・芸術の交流を目指した国際交流基金が誕生してから五十年の歳月が経過いたしました。その間の活動は、人々の注目を集めるものから目に見えない活動まで、素晴らしい成果を上げてきたことと思います。戦後日本の復活や立て直しのため、経済的支援と日本固有の伝統文化や芸術振興のための役割は、特に大きなものがあったと言わざるを得ません。
私は、茶道文化という伝統的総合文化を世界に紹介、布教し、多くの方々に少しでも深く理解していただきたいと、戦後すぐの昭和二十六年(1951)のアメリカを最初に、昭和三十年(1955)より令和五年の今日まで、訪問した国は七十ケ国に三百回に及ぶ訪問をし、一碗の茶を以て世界平和への祈りを果たしてまいりました。私の人生のターゲットは「一碗からピースフルネスを」ということです。
お陰様で世界各国に茶道を習得し、色々な協会や宗教寺院を通じて、茶道の理解者が増え、ハワイ大学をはじめとする米国や中国、ポーランドなどで茶道がクレジットになっている大学もございます。また、日本文化の代表としての茶道研究を始める学生も増えつつあります。私も、その功績で、平成七年(1995)に国際交流基金賞を頂き、恐縮すると同時にありがたいことだと存じております。
裏千家15代・前家元
千 玄室
(原文 日本語)
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