国際交流基金賞50周年記念 ベルリン芸術祭からのメッセージ

平成13(2001)年度 国際交流奨励賞
ベルリン芸術祭
[ドイツ]
国際交流基金賞50周年、誠におめでとうございます。この半世紀の間に世界は大きく変化し、国際相互理解の促進はその意義を更新しながらより重要なものになっているように感じます。約70年の歴史を持つ我々ベルリン芸術祭もまた、そのような時代の変化に対応しながら、市民社会に果たす役割を果たすべく数々の文化的実践を行ってきました。

(c) Marlena Waldthausen / Berliner Festspiele
ベルリン芸術祭は、年間を通して様々なフェスティバルや展覧会、コンサート、ダンス、演劇、朗読会、講演会、討論会などを開催しています。現在これらのイベントは、ベルリン市内の様々な場所で開催されていますが、主にグロピウス・バウという美術館とベルリン芸術劇場の2つの会場を拠点に行なわれています。
我々が国際交流奨励賞を受賞したのは2001年、まさに新世紀が始まり、今日ではその課題がさまざまな形で顕在化しているグローバル社会が到来したタイミングです。それは2002年に、ベルリン芸術祭がドイツ連邦政府の文化機関として位置付けられた政策と軌を一にするものと言えるでしょう。
このような素晴らしい賞をいただいたことは、ベルリンという都市に限らずドイツのあらゆる地域の観客・市民への約束を果たし、ひいてはそのような主体として国際相互理解の促進に努めるという、我々の役割を再定義する一つのきっかけとなりました。長年取り組んできた日本の優れた芸術の紹介及びドイツと日本の相互理解促進が、このような形で評価をいただいたことに深い感謝をしております。
今後も国際交流基金賞が、国際相互理解の促進に貢献した人・団体を顕彰し、ますます発展していかれることを心よりお祈りしております。
マティアス・ペース
ベルリン芸術祭 芸術総監督
(原文 日本語)
※受賞団体「ベルリン・フェスティバル公社」は、受賞後の組織変更等を受け、日本語名が「ベルリン芸術祭」となりました。