平成17(2005)年度 受賞者プロフィール
国際交流基金賞
宮崎 駿氏 アニメーション映画監督【日本】
「千と千尋の神隠し」
©2001 二馬力・GNDDTM
経歴
1941年、東京生まれ。63年、学習院大学政治経済学部卒業後、東映動画(現・東映アニメーション)入社。Aプロダクション、日本アニメーション等を経て、85年にスタジオジブリの設立に参加。
その間、「太陽の王子ホルスの大冒険」(68年)、「パンダコパンダ」(72年)等の劇場アニメ、「アルプスの少女ハイジ」(74年)等のテレビアニメ制作に携わり、「未来少年コナン」(78年)の演出を手掛け、「ルパン三世 カリオストロの城」(79年)で劇場作品を初監督。雑誌「アニメージュ」に連載した自作漫画をもとに、84年には「風の谷のナウシカ」を発表、自ら原作・脚本・監督を担当し注目される。
その後はスタジオジブリで監督として「天空の城ラピュタ」(86年)、「となりのトトロ」(88年)、「魔女の宅急便」(89年)、「紅の豚」(92年)、「もののけ姫」(97年)、「千と千尋の神隠し」(2001年)、「ハウルの動く城」(04年)といった劇場作品を発表。2001年にオープンした「三鷹の森ジブリ美術館」の構成・演出も手がけている。
主な著作など
「トトロの住む家」、「シュナの旅」、「何が映画か」(黒澤明氏との対談集)、「もののけ姫」、「出発点」など多数。監督作品は海外でも広く上映されており、DVD、VHS、著作および関連書籍は海外約50カ国で発売されている。
受賞歴
1998年 |
日本アカデミー賞最優秀作品賞(「もののけ姫」)、淀川長治賞 |
2001年 |
第49回菊池寛賞 |
2002年 |
第52回ベルリン国際映画祭金熊賞、第68回ニューヨーク映画批評家協会最優秀アニメ賞(以上「千と千尋の神隠し」)、朝日賞、フランス国家功労賞、パリ市勲章) |
2003年 |
第75回アカデミー賞長編アニメ映画部門賞(「千と千尋の神隠し」) |
2004年 |
第61回ベネチア国際映画祭オゼッラ賞(「ハウルの動く城」) |
2005年 |
第62回ベネチア国際映画祭栄誉金獅子賞 |
国際交流奨励賞
文化芸術交流賞
フィリピン教育演劇協会 【フィリピン】
沿革
1967年、舞台演出家セシル・ギドテ・アルヴァレスにより設立。1971年、ユネスコITI(国際演劇協会)フィリピンセンターとなり、同年、第1回第三世界演劇祭を主催。
1972年の戒厳令による設立者亡命を乗り越え、1983年より新しい世代のアーティスト、指導者を迎えて、ピ-プルズカルチャー全国フェスティバルを主催。
1986年から87年には、14年間にわたる戒厳令時代に対する“ピープルズ・パワー”の勝利を祝う作品、「自由への誓い」ワールドツアーで評価を確立した。以来、社会参画型の演劇活動を国内外で積極的に展開している。
業績 |
[日本の団体等との主なコラボレーション]
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受賞歴 |
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日本語教育賞
中国日語教学研究会 【中国】
沿革
1982年設立。中国全国の日本語教育界を組織化し、学術交流事業(教師同士の交流、日本語教育法、日本語、文学、文化、社会などの学術研究など)を行なう。
団体会員として日本語専攻コースを持つ大学126校が参加、教員数は1500人を超える。成立後20年来、毎年各地で学術シンポジウムを企画するほか、隔年で日本語教育の全国レベル、または国際的なシンポジウムを開催し、学術論文集を出版している。
このような活動を通じ、中国における日本語教育の実態を把握し、日本語教育の問題点の発見および情報の交換を通じて、中国の日本語教育界における指導的役割を果たしてきた。さらに日本、韓国、シンガポールなどアジア各国、地域の日本語教育機構と広範な学術交流ネットワークを展開している。
活動内容
2000年 |
大平学校(日本語研修センター)設立20周年記念シンポジウムの主催 |
2002年 |
中日国交正常化30周年記念東アジア日本語教育シンポジウムの主催 |
2004年 |
日本語言文化教学研究国際学術シンポジウムの主催 その他 学術論文集の出版多数 また、過去3回にわたり、ジャパンファウンデーションが実施する日本語教育機関調査への協力など。 |
日本研究賞
タバッスム・カシミーリー氏
前大阪外国語大学ウルドゥー語外国人教師 【パキスタン】
業績
パキスタン・パンジャーブ大学より文学修士号取得(1964年)、同大学文学博士号取得(1973年)。大阪外国語大学にて24年間、ウルドゥー語・ウルドゥー語文学の教鞭を執る。日本を拠点にウルドゥー文学批評活動を続け、750ページにおよぶ「ウルドゥー文学史,初期から1875年まで」を発表。
また、良寛、萩原朔太郎、白石かずこ、宮沢賢治、与謝野晶子などの日本人詩人の作品を翻訳し、ウルドゥー語文化圏に広く紹介してきた。
主な著作
「日本におけるウルドゥー語」(1985)
Fragmented Verses, Selected Poems by Tabassum Kashmiri 創作詩集の英訳版、(1991、BookTraders)
「鳥,花,池」(ウルドゥー創作詩全集)(1996)
「ウルドゥー語 会話編」(共著)(1999)
「ウルドゥー文学史,初期から1857年まで」(2002)
ほかウルドゥー文学、日本文学、詩に関するもの等、多数。
主な論文 |
「日本の現代詩:紹介と翻訳」(1985) 「良寛:日本の禅詩人」(1985) 「大江健三郎―ある日本人長編小説家」(1996) |