平成27(2015)年度 国際交流基金賞 関連行事(受賞記念講演会)

浙江工商大学東亜研究院院長/教授 王勇氏 講演会
「此の時、声無きは声有るに勝る―東洋的文化交流のスタイル―」

講演概要

日中間の文化交流はシルクのような物資よりも書物を通じた知的交流が特徴的であったことから、これを「シルクロード」になぞらえて「ブックロード」と名づけた王勇氏(浙江工商大学東亜研究院院長/教授)。
今回の受賞記念講演会では、「ブックロード」から東アジアの筆談へと、自身がこれまで歩んできた学問の道のりを振り返りながら、日中文化交流の独自なスタイルについて論じます。物資の交流を主とする「シルクロード」に対して知的交流をメインとする「ブックロード」、西洋の聴覚コミュニケーションに対して東洋の視覚コミュニケーション――それぞれを対置した上で、白居易『琵琶行』の詩句「此の時、声無きは声有るに勝る」を借りて東アジアの筆談の特徴を表現、孫文や周恩来といった歴史的人物が日本人と行った筆談資料も紹介します。
日中間の知的交流史を新たな観点から捉えなおす絶好の機会です。多くの方々のご参加をお待ちしています。

作曲家 冨田勲氏 講演会
「TOMITAサウンド、世界を行く~シンセサイザーから初音ミクまで~」

講演概要

1970年代、私費で輸入したモーグ・シンセサイザーを駆使した作品をひっさげ、単身渡米して売り込んだアルバム「月の光」がビルボード一位、グラミー賞にノミネートされて一気に世界に活躍の場をひろげた世界の「TOMITA」。冨田勲さんは日本の伝統に立脚しながら新しい音楽の世界を切り開くパイオニアとして、「サウンド・クラウド」、「源氏物語幻想交響絵巻」などの作品を海外で発表し活躍してきました。バーチャル・シンガー「初音ミク」をソリストに起用した最新作「イーハトーヴ交響曲」は、北京でも上演され、大きな反響を呼びました。 第一部では、海外で大きな評価を受けた立体音響作品「トミタ・サウンド・クラウド」映像を見せつつ、音楽評論家の前島秀国さんから冨田さんのお話を聞きだしていただきます。 第二部は、「イーハトーヴ交響曲」北京公演の映像を見せつつ、「初音ミク」の生みの親クリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之さんとの対談形式で、バーチャル・シンガーのソリストとしての可能性について次回作の構想も交えながらお話しいただきます。

シビウ国際演劇祭 講演会(講演者:コンスタンティン・キリアック総監督)
「文化外交」

講演概要

ルーマニアの古都シビウで1994年に発足し、ヨーロッパの演劇祭としてアヴィニヨン、エディンバラの次に数えられるシビウ国際演劇祭。第2回の1995年から継続的に日本の劇団を招聘し、過去に故中村勘三郎、野田秀樹、野村萬斎なども参加しています。その創設者である総監督のコンスタンティン・キリアック氏が、同演劇祭が誕生した経緯、これまでの歴史、日本の劇団や大学との交流や連携、ボランティア参加プロジェクトなどについて語ります。俳優でもあるキリアック氏は、この日の午後に東京芸術劇場で上演されるルーマニア国立ラドゥ・スタンカ劇場「オイディプス」に出演後、限られた日本滞在の合間を縫って本講演会を行います。貴重な機会、どうぞご参加ください。

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国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
コミュニケーションセンター
電話:03-5369-6075 ファックス:03-5369-6044

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