日本と海外のアーティストのコラボレーションを支援
2024年度 舞台芸術国際共同制作

2024年は公募により以下の団体からの申請案件を採択しました。

アルシュ
タニノクロウ×フランス国立演劇センタージュヌヴィリエ劇場(フランス)

企画名:『Maître Obscur』

タニノクロウ氏の写真
タニノクロウ
(c) T2G Théâtre de Gennevilliers
Daniel Jeanneteau氏の写真
Daniel Jeanneteau
(c) Olivier_Roller

アルシュ及びフランス国立演劇センタージュヌヴィリエ劇場による『Maître Obscur』の創作。
ダニエル・ジャンヌトーがジュヌヴィリエ劇場のディレクターに就任して以来、特に日本に注目が集まっており、この度ジャンヌトーの招へいによりタニノクロウ(庭劇団ペニノ主宰)がジュヌヴィリエ劇場のアソシエイト・アーティストとなった。
タニノが2004年より改変しながら再演を重ね、2018年にジュヌヴィリエ劇場で上演された『ダークマスター』を、意識の操作と支配の問題を探る全く新しい『Maître Obscur』としてタニノ自身が創作する。
『Maître Obscur』は2年間にわたる濃密なコラボレーションを経て、2024年9月にフェスティバル・ドートンヌ参加作品としてジュヌヴィリエ劇場で公開される。

<成果発表>2024年9月19日~10月7日(会場:フランス国立演劇センタージュヌヴィリエ劇場)
※詳細はジュヌヴィリエ劇場(フランス語のみ)及び庭劇団ペニノのウェブサイトをご参照ください。

KYOTO EXPERIMENT
松本奈々子×アンチー・リン(チワス・タホス)(台湾)

企画名:KYOTO EXPERIMENT 2024 『ねばねばの手、ぬわれた山々』

松本奈々子氏の写真
松本奈々子
(c) Shingo Kanagawa
アンチー・リン氏の写真
アンチー・リン
(c) Julia Lin Kingham

パフォーマンス・ユニット「チーム・チープロ」の松本奈々子と、台湾の先住民族タイヤル族にルーツを持ち、台北とナーム/メルボルンを拠点とするニューメディア/パフォーマンス・アーティスト、アンチー・リン(チワス・タホス)の共同制作によるパフォーマンス・プロジェクト。
近年、松本の創作過程でさまざまな歴史的・文化的表象が重層的に身体化され変容する状態を松本自身が「妖怪ボディ」と呼称し始めたことを出発点に、日本と台湾で「妖怪」の伝承を共同リサーチし、作品を創作する。タイヤル族独自の精神性に基づいた創作を行っているリン(タホス)との協働を通して、アジア圏における文化の固有性/横断性の両面にアプローチする創作プロセスと上演を実現することを目指している。
松本とリン(タホス)は、明治時代の日本の文化人類学者が日本及び台湾の口承伝説を採集していたことに注目し、タブー(とそれを取り巻く社会)の物語としての妖怪、女性やクイアの視点からの妖怪、タイヤル族に伝わる世界観に立脚した土地との関係性、近代化と口承伝説の消滅、などのトピックを参照しながら近代以降の東アジアの政治史も踏まえ制作を行う。

<成果発表>2024年10月12日~14日 (会場:THEATRE E9 KYOTO)
※詳細はKYOTO EXPERIMENTウェブサイトをご確認ください。

KAAT神奈川芸術劇場
KAAT×Vanishing Point(英国)

企画名:『品川猿の告白 - Confessions of a Shinagawa Monkey』

KAATの写真
KAAT
Vanishing Pointの写真
Vanishing Point
(c) Mihaela Bodlovic

KAAT神奈川芸術劇場及び英国の現代演劇を代表する劇団ヴァニシング・ポイントとの国際共同制作による新作クリエイション。2022年から数度にわたり、国内外のワークショップやディスカッションを重ね、日英の俳優とクリエイティブスタッフが四つに組み、本公演に向けて創作を重ねてきた。
今回手掛ける作品は、世界でも知られている日本人作家の一人である村上春樹の短編小説『品川猿』、『品川猿の告白』を原作とした幻想的なコミック・ミステリー。人間の言葉を話し、人間の文化を理解するように育てられた猿を巡る物語である。他者への強制、罪と救済、記憶、そしてアイデンティティといった多層的なテーマを扱った本作を、日本語と英語二カ国語が飛び交うダイアローグと独特な視覚的言語を用いて描き、比類のない夢のような世界を創り上げる。2024年11月29日(28日プレビュー)にKAAT神奈川芸術劇場にて初演後、2025年2月下旬に劇団の拠点グラスゴーにて上演する。

<成果発表>2024年11月28日~12月8日(会場:KAAT神奈川芸術劇場)
※詳細はKAAT 神奈川芸術劇場のウェブサイトをご覧ください。

P
金山寿甲×アシル・リー(米国)

企画名:新作ワークインプログレス公演

金山寿甲氏の写真
金山寿甲
(c) 田中大介
Ashil Lee氏の写真
Ashil Lee
(c) Carlos Montano

ヒップホップの手法を演劇に取り込みながら、社会への風刺を織り込んでリアルとフィクションを行き来する作風で現代演劇界に新風を吹き込む金山寿甲(東葛スポーツ)と、ニューヨーク・オフブロードウェイを拠点に、俳優/ 劇作家としてメンタルヘルスと演劇の融合など独自の活動を続ける次世代アーティスト、アシル・リー。
東京/日本に暮らす韓国移民3世である金山と、NY/アメリカに暮らす韓国移民2 世であるリー。同じルーツを持ちながら異なる社会で生まれ育ち、同時代を生きるふたりが出会い、互いのごく個人的なライフストーリーを通して、それぞれのアイデンティティのあり方とその向こうにある社会の様相や多文化社会の現在形をつぶさに見つめ、演劇作品として表出する。2024年は、2025年の本格クリエイションと本公演を見据えたワークインプログレス公演を実施する。

<成果発表>
※2024年12月上旬を予定
※詳細はprecogのウェブサイトをご覧ください。(詳細は秋ごろ公開予定)

音楽詩劇研究所
音楽詩劇研究所(河崎純)×チョン・ウォンキ(韓国)

企画名:「ユーラシアンオペラ『黒潮の子』」

音楽詩劇研究所(河崎純)の写真
音楽詩劇研究所(河崎純)
チョン・ウォンキ氏の写真
チョン・ウォンキ

韓国の済州島、台湾原住民族、琉球(とくに与那国島)の文化の現在に着目した音楽詩劇「ユーラシアンオペラ」の新作を2024年12月沖縄・東京で上演。河崎純、チョン・ウォンキ、日韓の両作曲家を中心に、韓国、台湾などの伝統音楽奏者、ダンサー、映像作家、美術家が、各島に出自を持ち、故郷の文化と対峙するアーティストとの対話からコラボレーションによる作品を織り上げる。島から島へと船で移動する越境者の姿と、「故郷」と対話を続けるディアスポラの現在を重ねつつ、故郷とはいかなるものか、その原像を訪ね、未来の多文化共生のありようを創作の中に求める。メインキャストは、与那国島出身の若手映画監督・俳優の東盛あいか。歌唱ソリストは、台湾原住民族タイヤルに出自を持つエリ・リャオと、済州島の歌手・俳優ムン・ソクポム。日本で編成される室内楽アンサンブルのほか、韓国からはカヤグム、伝統打楽器奏者、台湾からは中国笙奏者も参加。

<成果発表>沖縄公演:2024年12月7日、8日(会場:てんぶす那覇)
東京公演:2024年12月10日、11日(会場:日暮里サニーホール)
※詳細は音楽詩劇研究所のウェブページをご確認ください。

現代人形劇センター
白神ももこ×ラタナコーン・インシシェンマイ(ラオス)

企画名:ラオス×日本 ろう者と聴者が協同する『アジアのオブジェクトシアター』

白神ももこ氏の写真
白神ももこ
(c) 北川姉妹
ラタナコーン・インシシェンマイ氏の写真
ラタナコーン・インシシェンマイ

2023年度の舞台芸術国際共同制作事業として、本作はラオスでの5日間のリサーチと、日本での13日間の共同ワークショップを経て、2023年11月に東京でワークインプログレス公演として発表された。 ラオスで現地の生活文化、精神性に触れるところからスタートした本プロジェクト。日本でのクリエイションでは、両者がそれぞれ持ち寄った素材や道具で人形(オブジェ)を構成し、あるいは素材そのものに命を感じ取りながら創作した。オブジェクトと空間、または身体との関わりを探求し、日本とラオスの創造におけるアプローチの違いをそのままに、実験的な形で公演を行った。
2年目の今年はそれをベースに、12月にラオスチームが来日し、3週間程度の日本での共同制作の後、神奈川県内の会場にて発表予定。内容についてはさらに踏み込んで、モノをめぐり、モノと身体の交感、それらが重層して生まれる世界を探る。

<成果発表>詳細後日発表(会場:KAAT神奈川芸術劇場中小スタジオ)
※詳細は現代人形劇センターのウェブページ をご覧ください。

[お問い合わせ]

国際交流基金(JF
文化事業部舞台芸術チーム
電話:03-5369-6063
メール:pa@jpf.go.jp
(メールを送る際は、全角@マークを半角に変更してください。)

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