2023年度舞台芸術専門家招へい事業 ~5か国から舞台芸術フェスティバル・劇場のディレクターなどを招へい~

国際交流基金(JF)は、韓国、スペイン、トルコ、オーストラリア、シンガポールの5か国より、影響力のある舞台芸術フェスティバル・劇場のディレクターなど、各国の舞台芸術界をけん引する専門家を日本へ招へいします。本事業を通じ、海外における日本の舞台芸術に対する理解が深まり、両国の舞台芸術関係者のネットワーク形成が促進されることを目指します。

また2023年12月14日には、YPAM(横浜国際舞台芸術ミーティング)にて、この度招へいする専門家のうち、韓国、スペイン、トルコの3か国のフェスティバル・ディレクターが登壇するトークイベントを開催し、訪日中の新しい発見などについて共有しながら、これからの舞台芸術交流について意見交換を行います。

被招へい者

国名 氏名 所属 役職 招へい期間
韓国 Choi Seok Kyu
チェ・ソッキュ
Seoul Performing Arts Festival (SPAF) 2022-2026
ソウル国際舞台芸術祭
Artistic director
芸術監督
2023年12月8日~12月14日
スペイン Angel Murcia
アンヘル・ムルシア
Veranos de la Villa
(マドリード市の芸術祭)
Artistic director
芸術監督
2023年12月8日~12月15日
トルコ Handan Uzal Dündar
ハンダン・ウザル・ドュンダル
Istanbul Theatre Festival
イスタンブール演劇祭
Programming & Operations Manager
プログラム運営責任者
2023年12月9日~12月18日
オーストラリア Emma Porteus
エマ・ポーテウス
Assembly 197 Co-Creative Director
共同クリエイティブ・ディレクター
2023年12月7日~12月13日
Situate Art in Festivals Executive Producer
エグゼクティブ・プロデューサー
Alex Wisser
アレックス・ウィッサー
Cementa Festival Co-Founder, Creative Director
共同創設者・クリエイティブ・ディレクター
2023年12月6日~12月15日
Kandos School of Cultural Adaptation Co-Founder
共同創設者
シンガポール Sara Joan Fang
サラ・ジョーン・ファン
Esplanade -Theatres on the Bay
エスプラネード・シアターズ・オン・ザ・ベイ
Head of the Children and Youth Programming
子ども・青少年プログラム責任者
2024年1月10日~1月17日 

被招へい者プロフィール

チェ・ソッキュ Choi Seok Kyu(韓国)

ソウル国際舞台芸術祭(SPAF)芸術監督(2022~2026年)

チェ・ソッキュ氏の写真(c)KSJ チェ・ソッキュ氏は、現在ソウル国際舞台芸術祭(SPAF)の芸術監督(2022~2026年)を務めるほか、ソウル舞台芸術見本市(PAMS)のクリエイティブ・ディレクターも兼任するフェスティバル・ディレクター、プロデューサー、リサーチャーである。「ニュー・ナラティブ」、「芸術における科学技術イノベーションとポストヒューマニズム」、「ローカリティとトランスローカリティ」などの現代アートの重要なテーマに焦点を当て、クリエイティブなリサーチ・レジデンシー、ラボ、ワークショップをはじめとする数多くのプロジェクトを発案・実施してきた。これまでに、英国/韓国シーズンフェスティバル2017-2018、春川国際マイムフェスティバル、安山国際ストリート劇フェスティバルなどのフェスティバル・ディレクター及びクリエイティブ・ディレクターを歴任。2005年にはアジアナウ・プロダクションズ(AsiaNow)を創立し、10年以上にわたり国際交流の分野で韓国の演劇界のために尽力する一方、プロデューサーや劇作家としてさまざまな国際的な共同制作やレジデンシー・プロジェクトを展開してきた。2013年から、各種プロジェクトの立案・推進を目的とするアジア地域のプロデューサーの連携ネットワークであるアジア・プロデューサー・プラットフォーム(APP)及びAPPキャンプにも尽力している。

アンヘル・ムルシア Angel Murcia(スペイン)

Veranos de la Villa(マドリード市の芸術祭)芸術監督

アンヘル・ムルシア氏の写真 1967年スペインのバスク地方に生まれる。
アンヘル・ムルシア氏は、1989年から官民両セクターでエグゼクティブ・プロデューサー、文化イベントのマネージャーとして活躍。さまざまな制作会社のエグゼクティブ・プロデューサーを務めるほか、バルセロナ市及びバレンシア市、マドリードのラ・アバディア劇場、マドリード自治州、スペイン文化省のプロダクション・マネージャーを務めてきた。2020年からはマドリード市主催の夏の芸術祭Veranos de la Villaの芸術監督の任にあたっている。
また、プロデューサー、文化事業マネージャーとしての活動のかたわら、公共セクターを中心に、舞台芸術における制作と管理運営の指導にも常に携わってきた。これまで、オルテガ・イ・ガゼット大学院大学研究所 、ラ・ファブリカ及びファクトリア・クルトゥラルにおいて修士課程の授業を担当するとともに、舞台芸術テクノロジー・センター(スペイン文化・教育・スポーツ省 )で研修コースを指導。さらに、スペイン国際開発協力庁(AECID) 及びスペイン国立舞台芸術・音楽機関(INAEM)の依頼でスペイン及び南米で講演を行うほか、中国の中央戯劇学院(ACAD)の招へいで劇団マネジメントに関する国際フォーラムにおいて、劇団の管理運営についての講義を担当した。

ハンダン・ウザル・ドュンダル Handan Uzal Dündar(トルコ)

イスタンブール演劇祭プログラム運営責任者

ハンダン・ウザル・ドュンダル氏の写真 1984年トルコに生まれる。
ハンダン・ウザル・ドュンダル氏は、2006年、エーゲ大学コミュニケーション学部ラジオ・テレビ・映画学科を卒業。卒業後半年間、語学力向上の目的でフランスに暮らす。2007年に帰国し、イスタンブールでテレビ番組や広告の助監督としてさまざまな制作会社に勤務。
2010年、イスタンブール文化芸術基金 (İKSV)に入り、一年にわたり複数の部署で専門的経験を積んだ後、2011年にイスタンブール演劇祭の常勤メンバーとなる。以来、トルコで最大の規模を誇り最も権威あるこの舞台芸術イベントを、企画・実施するチームの一員として活動している。
2022年現在、ハンダン・ウザル氏は、イスタンブール演劇祭のプログラム運営責任者として、2年ごとに交代するキュレーターと協力して演劇祭の企画・運営の両面に責任者として携わる。また、İKSVが毎年授与するGülriz Sururi – Engin Cezzar 劇場奨励賞の責任者も務めている。

エマ・ポーテウス Emma Porteus(オーストラリア)

Assembly197共同クリエイティブ・ディレクター、Situate Art in Festivalsエグゼクティブ・プロデューサー

エマ・ポーテウス氏の写真(c)Melanie Kate Creative エマ・ポーテウス氏は、人とコミュニティの両方を良い方向に変えるアートの力を深く信じて活動している。Vrystaat Festival(南アフリカ)、ANTI Festival(フィンランド)、Sydney Festival(オーストラリア、ニューサウスウェールズ州)、Dancehouse、FOLA、Melbourne Fringe Festival、Next Wave(オーストラリア、ビクトリア州)、Tracks(オーストラリア、ノーザンテリトリー準州)、Dark Mofo、Mona Foma、Tasdance、Ten Days on the Island、Festival of Voices、Junction Arts Festival、Tasmania Performs(オーストラリア、タスマニア州)など、オーストラリア国内のみならず世界各地の多分野にわたる学際的プロジェクトにおいて、パフォーマンス・メーカー及びプロデューサーとして15年以上の経験を持つ。現在はAssembly 197の共同クリエイティブ・ディレクター及びSituate Art in Festivalsのエグゼクティブ・プロデューサーを務める中で、人と場所をつなぐパフォーマンスとアート制作のモデルに大きな関心を持っている。アートの創造に手を貸す存在である場所、人々、コミュニティに直接語りかける豊かな体験を生み出すため、国やコミュニティを問わずどこでも実現可能な巡回イベントとして、ライブ、ビジュアルアート、フェスティバルの創作・プロデュースに携わっている。

アレックス・ウィッサー Alex Wisser(オーストラリア)

Cementa Festival共同創設者・クリエイティブ・ディレクター、Kandos School of Cultural 共同創設者

アレックス・ウィッサー氏の写真 アレックス・ウィッサー氏は、オーストラリアのニューサウスウェールズ州カンドスを本拠地として活動するアーティスト兼クリエイティブ・プロデューサーである。大規模かつ長期的な分野横断的アートプロジェクトや、日常の文化的状況・文脈にアートが加わるとどのような力が生まれるかを探求する、コミュニティ参加型の芸術実践などを展開している。
Cementa Festival及びKandos School of Cultural Adaptation (KSCA)の設立・発展に参加。いずれも地域に基盤を置いた社会性の高い取り組みで、現代アートカルチャーを現実世界の文脈に適合・関与させ、社会と文化をよくすることを目指すものだ。Cementa Festivalの開催に5回にわたり参加し、200人を超えるアーティストに、社会に深く関わる芸術(ソーシャリー・エンゲージド・アート)の形態や作品を探究し、ギャラリーや美術界の外の文化的な文脈で機能するアートの力を絶えず高め再考する機会を与え、催しを成功に導いた。彼のKSCAへの貢献としてはいくつか挙げられるが、そのひとつに、長期にわたり農村と協働して農耕文化をより持続可能な方法に変革しようと取り組んでいることがある。この取り組みは、いくつかのフェスティバルの設立や市民による再生農業の探求につながり、こうした新しい農業の形態に対する市民ならびに当局者側の意識変革に大きく貢献することとなった。

サラ・ジョーン・ファン Sara Joan Fang(シンガポール)

エスプラネード・シアターズ・オン・ザ・ベイ子ども・青少年プログラム責任者

サラ・ジョーン・ファン氏の写真 サラ・ジョーン・ファン氏は、シンガポールの国立舞台芸術センターであるエスプラネード・シアターズ・オン・ザ・ベイの子ども・青少年プログラム責任者である。毎年10日間にわたり多分野にまたがるプログラムを通じて青少年に関連する諸問題を取り上げる子どもフェスティバルMarch Onや、エスプラネードの中心的な活動である学校向けシリーズ企画Feed Your Imaginationをはじめ、家族向け・学校向け各種プログラムの戦略的企画立案・実施を監督する。この役職に就く前には、シンガポール国際芸術祭を実行する制作チームを率いたほか、10年以上にわたり音楽プロデューサーの職にあった。
サラ氏は日本のアートやアーティストのファンで、2016年には、エスプラネードでは初めて一つの国に焦点を当てた芸術祭 Super Japanを企画・実行した。10日間にわたり開催されたこの芸術祭には、120のプログラム、560人のアーティストが参加し、15万人を超える観客が集まった。サラ氏は、この訪問プログラムを通じて日本とシンガポールのアーティストが協働する機会が生まれることを期待している。

[お問い合わせ]

国際交流基金(JF)
文化事業部舞台芸術チーム
電話:03-5369-6063
メール:pa@jpf.go.jp
(メールを送る際は、全角@マークを半角に変更してください。)

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