2024年度舞台芸術専門家招へい事業(YPAMとの共催事業)~ASEAN諸国から10名が来日し日本の舞台関係者と交流~

国際交流基金(JF)は、日本とASEANの次世代の交流促進と人材育成を目的とする包括的な人的交流事業「次世代共創パートナーシップ-文化のWA2.0-」の一環として、東南アジアのアーティスト、フェスティバル・劇場ディレクター、演出家など、各国の舞台芸術界をリードする専門家を日本へ招へいします。 横浜国際舞台芸術ミーティング(Yokohama International Performing Arts Meeting、以下YPAM)との共催により、ASEAN諸国(9か国)から以下の10名を招き、日本側の舞台関係機関・専門家との交流を図ります。この交流事業を通し、東南アジアにおける日本の舞台芸術に対する理解が深まるとともに、国際的なネットワーク形成が促進され、継続的な交流や新たな創作活動につながることを期待しています。

なお各招へい者は、12月4日~6日また13日にYPAMで開催されるトークイベントに登壇予定です。

詳細はこちら:YPAMトークイベントについて

招へい期間:2024年12月2日(月曜日)~16日(月曜日)

被招へい者

国名 氏名 所属/役職
インドネシア Ratri Anindyajati
ラトリ・アニンディアジャティ
Indonesian Dance Festival ディレクター
カンボジア Sopheak Soung
ソピアック・ソウン
クメール・アート・アクション 創設者、ディレクター
シンガポール Daniel Kok
ダニエル・コック
DANCE NUCLEUS アーティスティックディレクター
タイ Thongchai Pimapunsri
トンチャイ・ピマーパンシー
H0m0Haus フェスティバル プロデューサー/PainKiller ディレクター
タイ Varissara Borkird
ワリッサラー・ボーカード
Bangkok International Performing Arts Meeting(BIPAM)エグゼクティブ・ディレクター/Bangkok International Children’s Theatre Festival(BICT)プロジェクトマネージャー
フィリピン Marco Viaña
マルコ・ヴィアナ
The Virgin Labfest 共同ディレクター/Tanghalang Pilipino アソシエイト・アーティスティックディレクター
ベトナム Phuong Vũ
フオン・ヴー
写真家/Antiantiart ディレクター
マレーシア Adriana Nordin Manan
アドリアーナ・ノルディン・マナン
Cocoon Creative Lab アーティスティック・ディレクター
ミャンマー Khin Mon Thu
キンモントゥー
dwM Dance Academy CEO、MD、代表/ダンサー/インストラクター/振付家
ラオス Ounla Phaoudom
ウンラー・パーウドム
Fanglao Studio オーナー、 ディレクター

プロフィール

ラトリ・アニンディアジャティ(Ratri Anindyajati)

Indonesian Dance Festival ディレクター

ラトリ・アニンディアジャティ氏の写真

プロデューサー、カルチュラル・マネージャーとしてパフォーミング・アーツ、国際芸術祭、非営利の文化団体に多数携わる。ローカルとインターナショナル間の共同制作、多国間交流、持続可能性のある芸術文化事業への連携促進やプロデュースに関心がある。

ソピアック・ソウン(Sopheak Soung)

クメール・アート・アクション 創設者、ディレクター

ソピアック・ソウン氏の写真

ソピアック・ソウン氏は、王立芸術大学で戯曲演出を学び、演出家として15年の経験を持つ。演劇を通して社会問題を浮き彫りにする作品を手がけ、プノンペンのゴミ処分場スタン・ミエンチャイの周辺に暮らす子どもたちの苦難を描いた『Daytime’s Darkness』は特に高く評価されている。

2012年、ドイツのハノーファーの国際演劇祭に参加。2014年、オーストラリアで開催されたメディア・制作のイベントに貢献。2015年にはクメール・アート・アクションを設立し、朗読劇の一種であるLakhorn Niyeayの伝統を復興し、軽んじられがちなナラティブを描き出す上でこの演劇形態が果たす役割を訴えることを目指している。

2019年5月には、拠点とする地域および海外の作家とコラボレーションし、ワシントンDCのジョージタウン大学で40か国200人を超えるアーティストに向けて講演を行った。続いて2022年にカンボジアで開催されたアジア・ユース・シアター・フェスティバルにも参加、この催しにはアジア13か国から約200人の若いアーティストが集まった。

数多くの公演の演出を通して、国内外の観客に向けて、カンボジアの豊穣な文化遺産に対する理解と認識とが広がるよう尽力している。

ダニエル・コック(Daniel Kok)

DANCE NUCLEUS アーティスティックディレクター

ダニエル・コック氏の写真

アーティスト。ボンテージマスターなど「パフォーマンスする主体」を通して傍観すること、観客であることの政治性に焦点を当て、観客との関係性を探求している。シンガポールのコレオグラフィック・センターDance Nucleusのアーティスティック・ディレクターとして、他のアーティストの活躍の場を広げ、アジア太平洋圏で地域を超えたパートナーシップ構築に取り組む。Dance Nucleusのレジデンス事業であるARTEFACTやELEMENT、[CP]3 コーチング・プログラム、パフォーマンスと展示を横断するVECTOR、エスプラネードシアター・オン・ザ・ベイと共同のコーチング・プログラムda:ns LABのキュレーションを行う。現在はシンガポールとベルリン間で活動。アーティストのルーク・ジョージとのコラボレーション作品を国内外で上演し、2023年にメルボルンのグリーン・ルーム・アワードでコンテンポラリー・アンド・エクスペリメンタル・パフォーマンスを受賞した『Still Lives』では異文化間の協働を重視している。

トンチャイ・ピマーパンシー(Thongchai Pimapunsri)

H0m0Haus フェスティバル プロデューサー/PainKiller ディレクター

トンチャイ・ピマーパンシー氏の写真

トンチャイ・ピマーパンシー氏は、タマサート大学在学中に演劇に関心を持ち、同大学演劇部のあらゆるプロジェクトに意欲的にかかわった。最終学年でタイの演劇界と接点を持ち、プラディット・プラサートトーンやシニーナード・ケートプラパイら著名な演劇人と共作をする機会を得た。また、友人らと共に劇団「スプラッシング・シアター・カンパニー」を設立し、2015年に『Whaam!』でデビュー。岡田利規演出、ウティット・ヘーマムーン原作『プラータナー 憑依のポートレート』や平田オリザ原作・演出『バンコクノート』など、数々の国際制作プロジェクトにも携わる。俳優としての仕事に最も力を注いできたが、マネージメントにも積極的に関わり、劇団B-Floorの『Cloud State』(2022年)でプロデューサーとしてデビュー。バンコクを中心に活動するパティポン(ミス・オート)率いるクィアアーティスト集団、ミス・シアターのプロデューサーに就任、2024年6月に初開催された多様性のための舞台芸術フェスティバル「H0m0haus」のプロデューサーを務める。プロデューサーとしての最新作は、2024年9月初演のミス・シアターとドイツの演劇集団ヘンリケ・イグレシアスのコラボレーション作品『AFTERLIVES』。また、演出家としては6年間活動を休止していたが、2024年にメカニカルアーティストでDunkUnitのメンバーでもあるラポンパット・ドゥンプロイとコラボレーションし、『PainKiller: Test01』を制作した。これは人間とパフォーマンス空間における痛みをさまざまな角度から探るという、人間以外の物が登場する参加型パフォーマンスで、身体的・政治的な力を行使するための道具としての痛みの効果に注目し、支配者による国家的な「麻酔」のプロセスを明らかにしようとする試みである。

ワリッサラ・ボカード(Varissara Borkird)

Bangkok International Performing Arts Meeting(BIPAM)エグゼクティブ・ディレクター/Bangkok International Children’s Theatre Festival(BICT)プロジェクトマネージャー

ワリッサラ・ボカード氏の写真

現代アート分野に幅広い関心を持つアートマネージャー。立教大学で社会デザイン研究科の修士課程を卒業した後、アート分野に転身する前は2年間ビジネス開発の仕事に従事。2017年にバンコク芸術文化センター(BACC)に転職し、2019年末までスポンサーシップと資金調達に重点を置いて活動。2020年には、Bangkok International Performing Arts Meeting(BIPAM)のコアメンバーに加入し、現在はBIPAMのExecutive Directorを務める一方で、Bangkok International Children’s Theatre Festival(BICT Fest)のプロジェクトマネージャーとしても活躍。

マルコ・ヴィアナ(Marco Viaña)

The Virgin Labfest 共同ディレクター/Tanghalang Pilipino アソシエイト・アーティスティックディレクター

マルコ・ヴィアナ氏の写真
Photo by JL Javie

マルコ・ヴィアナ氏は、俳優、演出家、デザイナーとして高く評価され、授賞経験を持つ。センターステージ米国アーティスト・イン・レジデンスに参加、現在は「ザ・ヴァージン・ラブフェスト」フェスティバル共同ディレクター、およびフィリピン文化センターの国立演劇芸術カンパニー、タンガラン・ピリピノの副芸術監督。アクターズ・カンパニーの上級メンバーとして主演男優を務めるかたわら、ユニセフ認定の俳優ファシリテーターの一員としても活動し、フィリピンで基礎演技クラス、フォーラム・シアター・ワークショップ、子ども向けのアート・ワークショップを指導している。一方で、タンガラン・ピリピノ作品の舞台や衣装デザインで、創作活動の幅を広げている。携わった作品は『Lam-ang』、『Batang Mujahideen』、『Sandosenang Sapatos』など。『Nang Dalawin ng Pag-ibig si Juan Tamad』はロシアのモスクワ開催の「2018年ワールド・シアター・コングレス」で上演された。

フオン・ヴー(Phuong Vũ)

写真家/Antiantiart ディレクター

フオン・ヴー氏の写真

フオン・ヴー氏は、ベトナム文化の中心地であるハノイに生まれ、若き演出家として手掛けるプロジェクトのそれぞれに精魂を注ぎ込んでいる。ファッション・フォトグラファーとしてキャリアをスタートしたが、自然とディレクターの仕事に興味が移っていった。さまざまなスタイルを操り、テクスチャーを活かす才能に定評がある。ダンサーとしても10年以上活動しており、作品の中で音楽性とリズムを精緻に表現している。制作に従事してきた経験から、完璧なビデオを作り上げるためには創造力だけでは足りないことを熟知している。幅広く作品を手掛けている中でも、特にDen vâu、MCK、tlinh、トク・ティエン、スボイ、Wowy、チー・プー、De Choat、MIN、トロン・ヒュー、フク・デュ、AMEEといったベトナムのトップアーティストのミュージックビデオが名高い。また、多くの企業のビデオやビジュアルキャンペーンのディレクターを務めており、クライアントはApple、VTV、ポルシェ、Netflix、ベトナム航空、サムスン、ピアッジオ、ハイネケン、ヤマハ、パナソニック、VinFast、ガレナ、VNG、88rising、クリア、YoMost、メイベリンなどがある。

アドリアーナ・ノルディン・マナン(Adriana Nordin Manan)

Cocoon Creative Lab アーティスティック・ディレクター

アドリアーナ・ノルディン・マナン氏の写真Photo by SueAnne Koh

アドリアーナ・ノルディン・マナン氏は、作家、翻訳家、劇作家、研究者、キュレーター、劇作家、教育者、起業家の8つの職歴を持つ。政策調査のキャリアを経て芸術分野に進み、「コクーン・クリエイティブ・ラブ」(CCL)を創設、芸術監督を務める。遊び場とシンクタンクの機能を兼ね備えるCCLは、言語、朗読、新しい作品の創出支援活動を通じて文化交流に取り組み、多層的な世界への架け橋を築いている。

CCLは、執筆・執筆関連サービスを行う企業Protagonist Studioのクリエイティブ部門で、翻訳、政策調査、創造性教育などを行っている。

2023年に『Fault Lines』で劇作家としてデビュー。同作は初めて手がけた長編劇で、ニューヨークの劇作家教育機関「プレイライト・レルム」主催の「インターナショナル・スクラッチパッド・シリーズ」(2021年)で準決勝進出、最優秀助演男優賞、最優秀オリジナル脚本賞、最優秀監督賞、「BOHキャメロニアン・アーツ・アワード」(2024年)の2023年最優秀賞などに選ばれ、絶賛された。2019年には、ロクマン・ハキムの『Pengap』の翻訳が、マレー語作品として初めてコモンウェルス短編小説賞の最終候補作になった。

ニューヨーク大学で政治学修士号、メイン州のコルビー大学で学士号を取得。出身地でもあるクアラルンプールに在住。マレー語、英語、スペイン語を話す。

キンモントゥー(Khin Mon Thu)

dwM Dance Academy CEO、MD、代表/ダンサー/インストラクター/振付家

キンモントゥー氏の写真

キンモントゥー氏は、プロのダンサー、ダンス教師として10年以上の経験を持つ。ブラジルの首都ブラジリアのルシア・トラー・アカデミーに学び、現在はミャンマーのヤンゴンに在住し、プロのダンス教師、振付家として活動する。ダンスを志す若い世代を支援するため、指導、アートの創造、より良いコミュニティの醸成に取り組んでいる。

ウンラー・パーウドム(Ounla Phaoudom)

Fanglao Studio オーナー、ディレクター

ウンラー・パーウドム氏の写真

ウンラー・パーウドム氏は、ラオスのチャンパーサック県に生まれ、学業を続けるために14歳でビエンチャンに移る。2004年にLaobangFai Associationでヒップホップ(BBOY)を踊り始める。2011年、ラオスで新たにダンスグループ(HOPPIN)を設立。2013年、ヌートナファ・ソイダラと共に、ラオス初のコンテンポラリーダンス・カンパニー、Fanglao Dance Companyを設立。2022年にはFanglao Studio Sole. Co., Ltd.の名で新たにダンスカンパニーを立ち上げる。

[お問い合わせ]

国際交流基金(JF)
文化事業部舞台芸術チーム
電話:03-5369-6063
メール:pa@jpf.go.jp
(メールを送る際は、全角@マークを半角に変更してください。)

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