2024年度舞台芸術専門家招へい事業 ~7か国から舞台芸術フェスティバル・劇場のディレクターなどを招へい~

国際交流基金(JF)は、ドイツ、ハンガリー、ベルギー、ブラジル、メキシコ、米国、カナダの7か国から、影響力のある舞台芸術フェスティバル・劇場のディレクターなど、各国の舞台芸術界をけん引する専門家を日本へ招へいします。本事業を通じ、海外における日本の舞台芸術に対する理解が深まり、両国の舞台芸術関係者のネットワーク形成が促進されることを目指します。

また2024年12月13日・14日には、YPAM(横浜国際舞台芸術ミーティング)にて、この度招へいする専門家が登壇するトークイベントを開催します。

詳細はこちら: YPAMトークイベントについて

被招へい者

国名 氏名 所属 役職
ドイツ Melanie Zimmermann
メラニー・ツィマーマン
Real Dance Festival
リアル・ダンス・フェスティバル
Artistic director 芸術監督
ハンガリー Péter Ertl
ペーテル・エルトル
National Dance Theater
国立ダンスシアター
Executive Director
エグゼクティブ・ディレクター
ベルギー Daniel Blanga Gubbay
ダニエル・ブランガ・グッベイ
Kunstenfestivaldesarts
クンステンフェスティバルデザール
Artistic co-director
共同芸術監督
ブラジル Maitê Lacerda
マイテ・ラセルダ
SESC(Social Service of Commerce)
セスキ・ブラジル商業連盟社会サービス連盟
Dance Assistant at the Cultural Action Department
文化活動部門ダンスアシスタント
メキシコ Gabriela Morales Martínez
ガブリエラ・モラレス・マルティネス
Festival Internacional Cervantino
セルバンティーノ国際芸術祭
Programming Director
プログラム・ディレクター
アメリカ合衆国 Daniel Jones
ダニエル・ジョーンズ
Oz Arts Nashville
オズ・アーツ・ナッシュビル
Manager of Artistic Programming
芸術プログラム・マネージャー
カナダ Caroline Ohrt
キャロライン・オート
National Arts Centre
国立芸術センター
Executive Producer, Dance
エグゼクティブ・プロデューサー、ダンス

被招へい者プロフィール

メラニー・ツィマーマン Melanie Zimmermann(ドイツ)

リアル・ダンス・フェスティバル 芸術監督

メラニー・ツィマーマン氏の写真
(c)Kerstin Schomburg

メラニー・ツィマーマン氏は、映画・テレビ業界勤務を経てフランクフルト・アン・デア・オーダーとパリで文化研究とダンスを学んだ。フォーサイス・カンパニーに携わり、フランクフルト・アム・マインとブリュッセルでハンス=ティース・レーマンに師事して劇作術を学ぶ。2010年danceWEB奨学生。フリーランスのダンス・劇のドラマトゥルクとして、ワンダ・ゴロンカ、ピーピング・トム、ローラン・シェトゥアンなどの作品に従事したほか、ダンス・ コレクティブMAMAZAのプロジェクトマネージャーを務めた。2010年から2023年にかけて、ハンブルクのカンプナーゲル劇場 のダンスドラマトゥルク兼キュレーターとして、国内外のダンスプログラム及び「ダンス・プラットフォーム2014」や「ダンス・エデュケーション・ビエンナーレ2020」をはじめとする主要なダンスイベントの共同責任者を務める。また、2014年から「フォークス舞踊祭(Fokus Tanz Festival)」のキュレーションを担当し、カンプナーゲル劇場のプログラムに関連する数々のフェスティバルを企画。近年はネットワーク形成活動を通じて、障害を持つアーティストや黒人ダンス文化の当事者支援を行っている。ダンスシーンにおける不平等の解消を目指す取り組みとして、インクルーシブな芸術学校プロジェクト「Bottom Up Dance School」を共同設立し、2024年9月からは第2期を開始。2023年と2024年にはストリートダンス大会「Juste Debout」のハンブルクでの特別大会 「Gold」及び「Finals 」を共同プロデュース。同大会がパリ以外で開催されたのは初めてで、ARTEでテレビ放映された。2023年からハノーファーで開かれる国際舞踊祭「リアル・ダンス・フェスティバル」の芸術監督を務める。

ペーテル・エルトル Péter Ertl(ハンガリー)

国立ダンスシアター エグゼクティブ・ディレクター

ペーテル・エルトル氏の写真

ペーテル・エルトル氏は、ダンサー、教師。ハンガリーのプロのダンスアンサンブルに公演の場を提供する国立ダンスシアターで2013年から統括責任者を務める。同シアターのレパートリーは幅広く(年間公演400回)、国内外の民俗舞踊、クラシックバレエ、コンテンポラリーダンスなど、あらゆる分野のダンスが上演されている。エルトル氏のキャリアは、ダンスへの情熱はもちろんのこと、ハンガリー国内外での教育と指導、経験の伝授に占められている。ハンガリー舞踊大学の民族舞踊学科で優れた成績を収め、ペーチ大学で成人教育および文化マネージャーの資格を取得。卒業後、1987年から2005年まで民族舞踊グループの名門ホンヴェード・アンサンブルで活動。パフォーマー兼振付家として数々の公演に携わる。また、カナダのナイアガラの滝でキャンプをする子ども向けプログラム「Cifra」を立ち上げ、20年間(1992~2011年)にわたってマネージャーを務め、多くのカナダの子どもたちにハンガリーの豊かな民俗芸術を紹介した。

ダニエル・ブランガ・グッベイ Daniel Blanga Gubbay(ベルギー)

クンステンフェスティバルデザール 共同芸術監督

ダニエル・ブランガ・グッベイ氏の写真
(c)Bea Borgers

ダニエル・ブランガ・グッベイ氏は舞台芸術のキュレーター、ライター。2018年から、舞台芸術における有数のコミッション機関であるブリュッセルのクンステンフェスティバルデザールの芸術監督を務める。教育者及び公共プログラムの独立キュレーターとして活動。携わった作品に、『The Telepathic School』(Ural Biennale、2021年、エカテリンブルク)、『Yogurt and Other Spaces of Labour』(アシュカル・アルワン、2021年、ベイルート 、ゼイネップ・オズとの共同制作)、『Four Rooms』(オンライン発表、2020年)、『Can Nature Revolt?』(マニフェスタ、2018年、パレルモ)、『The School of Exceptions』(2016年、サンタルカンジェロ)などがある。

2014年から2018年まで舞台芸術研究機関Centrale Fiesで「Live Works」サミットの共同キュレーターを務め、現在はベイルート・アート・センターの芸術委員会のメンバーである。ヴェネツィア建築大学でジョルジョ・アガンベンに学び、パレルモとバレンシアで文化研究の博士号を取得。2015年から2019年までブリュッセル王立美術アカデミーの芸術・振付部門の責任者を務め、現在も同校で教鞭を執る。傍らで執筆活動も続け、『South as a State of Mind』、『e-flux』、『Mada Masr』、『Performance Journal』などに寄稿している。

マイテ・ラセルダ Maitê Lacerda(ブラジル)

SESC(セスキ・ブラジル商業連盟社会サービス連盟)文化活動部門ダンスアシスタント

マイテ・ラセルダ氏の写真
(c)Marina Zan

マイテ・ラセルダ氏は1990年9月9日生、ブラジル、サンパウロのヴォツポランガ出身。パフォーマー、振付家、研究員、キュレーターとしての知識と経験を活かし、多様な分野のアーティストや文化活動関係者との協働を促進する活動に取り組む。

現在は、文化活動部門(GEAC)でダンス研究員として勤務。民間非営利団体Sesc São Pauloの各ユニットのダンス分野の開発を進めている。2021年と2023年に開催された「Sesc ダンスビエンナーレ」ではキュレーターを務めた。また2024年は、2024年と2025年に開催される同団体の「Palco Giratório」の制作・キュレーションチームに携わっている。両フェスティバルとも、ダンスと舞台芸術のシーンの動きに密接に連動した催しである。

ガブリエラ・モラレス・マルティネス Gabriela Morales Martínez(メキシコ)

セバンティーノ国際芸術祭 プログラム・ディレクター

ガブリエラ・モラレス・マルティネス氏の写真

ガブリエラ・モラレス・マルティネス氏は、メキシコ国立自治大学ビジュアルアーツ学科卒業(2000~2004年)、後に同学でビジュアルアーツ修士号も取得(2012~2014年)。文化マネジメントの分野で20年以上の経験を持ち、INBA国立オペラハウス、メキシコシティの文化省、国立芸術センター、米メキシコ文化財団、バハ・カリフォルニア州芸術センターなど、メキシコの重要な文化機関に勤務してきた。携わった「アメリカ大陸の玄関口メキシコ」プロジェクトは大きく発展し、メキシコのアーティストが共同事業に向けて諸外国と強いつながりを築けるような舞台芸術マーケットの形成に貢献した。セルバンティーノ国際芸術祭では7年にわたりプログラム担当副ディレクターを経験し、2017年から現在まで同芸術祭の芸術プログラム担当ディレクターを務めている。

ダニエル・ジョーンズ Daniel Jones(アメリカ合衆国)

オズ・アーツ・ナッシュビル 芸術プログラム・マネージャー

ダニエル・ジョーンズ氏の写真
(c)Kara MeLeland

ダニエル・ジョーンズ氏は、ナッシュビルを拠点に活躍するクリエイティブ・プロデューサー、劇作家、作家、ディレクター。社会に変化を引き起こすライブアート体験の普及に情熱を注いでいる。2022年には『ナッシュビル・シーン』誌の「最優秀アーティスト支援者」に選ばれている。現代美術・舞台芸術センターであるオズ・アーツ・ナッシュビルのプログラム兼パートナーシップ担当副ディレクターとして、ブラジル、日本、チリ、ドイツ、南アフリカ、フランスなど世界中から訪れる多くのアーティストをサポートしてきた。また、約930平方メートルに及ぶ同センターのユニークな倉庫型アトリエで作品作りをするナッシュビルのアーティストと緊密に連携し、新作発表イベント「Brave New Works Lab」を毎年開催するなど成果を上げている。

さらに、2018年に非営利団体Kindling Artsを共同設立し、以来、製作芸術監督として、ナッシュビルを拠点とする数々のアーティストと協力し、120を超えるユニークな企画を立ち上げてきた。Kindlingのプログラムは、『ナッシュビル・シーン』誌で「規制や検閲に縛られない自由さにあふれ、全身全霊で打ち込んでいて、我々がパフォーマンスアートと聞いて想像の及ぶ範囲を押し広げてくれる」と称賛されている。クリエイティブ・プロデューサーとして携わったプロジェクトには、エデンの園の創世物語をさまざまな学問分野とクィアの視点から語り直した『The Naughty Tree』、世代を超えたダンサーと若手女性ミュージシャンによるコラボレーション『The Girlhood Project』、Defy Film Festivalと組んだオムニバス映像作品『Heroic Couplets: Poetry into Film Collaborations』のうちの2篇、アメリカ史上最悪の列車事故に着想を得たマルチメディアの没入型体験『HAUNTED』などがある。舞台芸術関係者の協会 であるテネシー・プレゼンターズの理事長、ナッシュビル芸術連盟(Nashville Arts Coalition)の理事としても活動。2023~2025年の舞台芸術国際ネットワーク(ISPA)のフェローシップに米国南東部から選出された芸術運営者3名のひとり。

キャロライン・オート Caroline Ohrt(カナダ)

国立芸術センター エグゼクティブ・プロデューサー、ダンス

キャロライン・オート氏の写真
(c)Rémi Thériault

キャロライン・オート氏は、2023年3月からカナダ国立芸術センターのダンスのエグゼクティブ・プロデューサーとして、ダンスと視覚芸術の分野で活動している。
カナダのモントリオールを拠点とする、同国を代表するコンテンポラリーダンス公演企画団体Danse Danseの共同芸術監督を務め、ネットワーク形成のスキルを活かして世界的に評価の高いダンスカンパニーやアーティストの公演を実現させてきた。文化と慈善活動の両面からの連携強化、アーティストと観客のための機会創出、アーティストの育成支援など、同団体の発展に貢献している。

現代のクリエイションを形作る人々との対話を欠かさない姿勢が評価され、カンパニー マリー・シュイナール(モントリオール)と音楽・ダンス学校のドメーヌ フォルジェ(サン・イレネー)の役職に就任。美術史に関する経歴を活かして視覚芸術のコレクターの相談役を務め、モントリオール美術館でも職務を果たした。理事会や審査会への参加を通じてコミュニティに積極的に関わり、現在はモントリオール芸術評議会の副会長及びモントリオール・コンテンポラリーダンス学校の理事を務めている。
そのひとつであるNAC Danceは、国内外の作品をバランスよく組み合わせた演目を1~3年前から入念に準備し、9月から翌年5月にかけてのフルシーズンで、NACの3つのメイン会場及びパートナーのコミュニティで上演している。

[お問い合わせ]

国際交流基金(JF)
文化事業部舞台芸術チーム
電話:03-5369-6063
メール:pa@jpf.go.jp
(メールを送る際は、全角@マークを半角に変更してください。)

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