作・出演:アイサ・ホクソン(フィリピン)とヴェヌーリ・ペレラ(スリランカ)による『マジック・メイド』公演・関連プログラム

上演中の舞台イメージ
photo by Bernie Ng, courtesy of Esplanade – Theatres on the Bay, Singapore

国際交流基金(JF)は、SPAC -静岡県舞台芸術センターと共催し、日本とASEAN地域の舞台芸術関係者を対象とした人的交流事業「BIOTOPE(ビオトープ)」を2026年から2028年までの3年間にわたり実施します。初年度のプログラムの一つとして、「SHIZUOKAせかい演劇祭2026」にて、アイサ・ホクソンとヴェヌーリ・ペレラによる『マジック・メイド』を上演します。また関連プログラムとして、同アーティストによるワークショップを開催。ワークショップでは、各アーティストが自身の創作手法や思考プロセスを紹介するだけでなく、参加者との対話や意見交換を通じて、双方向的に学び合う時間を設けています。異なるバックグラウンドをもつアーティストと参加者が交流することで、新たな視点や創作のヒントが生まれる場となることを目指します。

ほうきが吊るされた舞台の様子
Photo by Jörg Baumann

舞台上演者が膝をついている
photo by Bernie Ng,
courtesy of Esplanade – Theatres on the Bay, Singapore

演者がほうきを手に演じている
Photo by Jörg Baumann

身体で語る証言、ほうきにより解き放たれる抵抗
フィリピン出身のアイサ・ホクソンとスリランカ出身のヴェヌーリ・ペレラは、ジェンダーや労働、ナショナリズムの暴力性に焦点をあてた作品で国際的にも高い評価を得ている。多くのケア労働/家事労働者を海外に送り出す地域を出自とする2人は、そうした女性労働者たちの声を集め、自らの身体に宿した。繰り返される「掃く」動作は、女性の身体に押し付けられてきた役割や沈黙を可視化し、ほうきは抑圧の象徴から、抵抗と連帯を生み出す存在へと変容していく。皮肉やユーモアを帯びた身振りや語りによって立ち上がる抵抗のかたちは、特定の立場や経験に回収されることなく、観る者の身体感覚に触れ共感を呼ぶ。

公演概要

関連プログラム概要

【ワークショップ】 アイサ・ホクソン/ヴェヌーリ・ペレラ ワークショップ(演劇実践者向け)

海外で働く東南アジア出身のメイドへのリサーチを基にした『マジック・メイド』は、世界中で上演され、大きな評判を呼んでいます。本ワークショップでは、本作を創作し、自ら出演するアイサ・ホクソンとヴェヌーリ・ペレラが、どのように作品を作り上げていったのか、各国でどのような反響を受けたのかということをシェアします。また、彼女たちが本作のために作り上げた「ほうき学」を、実際に身体を動かして体験する機会も設けています。東南アジアの演劇実践などに興味がある劇作家・演出家・俳優・プロデューサーなど演劇実践に携わる方々にとっては、今後の活動のヒントとなるでしょう。

【ワークショップ】 『マジック・メイド』ワークショップ「ほうき学」入門

ほうきを手に、思い込みをひと掃き!
ほうきという身近な掃除道具を入り口に、身体・想像力・集団性の関係を探る2時間のワークショップです。本プログラムでは、ほうきを「魔女」と「メイド」という二つの対照的なイメージを行き来する象徴として捉えます。実際にほうきで「掃く」動きの共有や反復を通して、感覚の小さな変化や、他者との距離のゆらぎを体験していきます。『マジック・メイド』に通底する身体的アプローチを紹介しながら、両アーティストの創作の背景や考え方にも触れていきます。

プロフィール

アイサ・ホクソン Eisa Jocson(フィリピン)

アイサ・ホクソン氏ポートレート

フィリピン・ラウニオンを拠点に活動する振付家、ダンサー、ヴィジュアル・アーティスト。フィリピンのサービス・エンターテイメント産業における労働者に焦点をあて、ジェンダーと感情労働、移民などの関わりを探究するパフォーマンス作品を発表している。代表作に、『Death of the Pole Dancer』、『Macho Dancer』、『HOST』など。ベルリンのTanz im August、横浜のTPAM、チューリッヒのZürcher Theaterspektakelをはじめとするアジアやヨーロッパの国際フェスティバルに参加。受賞歴にフィリピン文化センター「13 Artists Award」(2018)、「Hugo Boss Asia Art Award」(2019)、「Tabori Award International」(2023)など。

ヴェヌーリ・ペレラ Venuri Perera(スリランカ)

ヴェヌーリ・ペレラ氏ポートレート

スリランカ・コロンボ出身の振付家・パフォーマー・キュレーター・教育者。暴力的ナショナリズム、家父長制、移民、植民地の遺産、階級といったテーマに基づく作品を創作し、世界各地のフェスティバルやシンポジウムに参加。韓国のチョン・グムヒョンや日本の手塚夏子などの振付家との緊密なコラボレーションも行う。SPACで上演された『ペール・ギュントたち 〜わくらばの夢~』(ユディ・タジュディン演出、2019年)に出演。現在はアムステルダムとコロンボを拠点に活動している。

[お問い合わせ]

国際交流基金(JF)
文化事業部 舞台芸術チーム
電話:03-5369-6063
E-mail:pa@jpf.go.jp
(メールを送る際は、全角@マークを半角に変更してください。)

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