ロシア能楽公演 金剛流による能「羽衣」を上演
「樂―茶碗の中の宇宙展」開催記念

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)は、ロシア・エルミタージュ美術館(サンクトペテルブルク)およびモスクワ市演劇センター「桜の園」にて、「金剛流 ロシア能楽公演」を上演します。これは、ロシアが世界に誇る2大美術館、エルミタージュ美術館、プーキシン美術館において開催される 「樂-茶碗の中の宇宙」展 にあたり行われるもので、併せて実施する裏千家による茶道講演会・デモンストレーション とともに、日本で受け継がれてきた哲学や思想、伝統の技、そして芸術に総合的に触れていただく機会として企画しました。

650 年の歴史を持つ能楽界において五流のうち四流の宗家が東京を本拠地とする中で、京都に宗家が存在する唯一の流儀である金剛流。サンクトペテルブルクの公演では 、二十六世宗家・金剛永謹師の監修・出演による 「羽衣」をはじめ、重厚かつ華やかな舞台を披露し 、日本が誇る伝統芸能の魅力をお届けします。

モスクワ市立演劇センター「桜の園」公演では、二十六世宗家・金剛永謹師監修のもと、二十七世若宗家・金剛龍謹など、出演者の平均年齢が31歳という若さ溢れる布陣で上演します。伝統芸能の世界では異例の若手を中心にした舞台に、今から期待が高まります。

プーシキン美術館でのオープニングでは、公演に先立ち、金剛永謹師による謡と小鼓による「八島」が披露され、「桜の園」最終公演後には、若手能楽師とロシアの日本語・日本研究を行っている若者や演劇関係の若者たちとの青年交流の場を設け、日本の伝統芸能への理解を深めます。

「樂-茶碗の中の宇宙」展の詳細は事業ページをご覧ください。

能「羽衣」の写真
能「羽衣」舞台写真より 金剛永謹

概要

演目内容

一、素囃子「獅子」(「石橋」より)

解説

文殊の使いである獅子の霊験あらたかな舞い踊り、獅子の座につく姿を描いた「石橋」は、歌舞伎にも取入れられ石橋物と呼ばれる作品群を形成する程、言わば日本の伝統芸能を代表する作品のひとつ。今回は、素囃子による演奏のみで、作品が持つ緊迫感と迫力そして祝祭感をダイジェストでお届けします。

二、レクチャー

三、能「羽衣」

解説

昔話でもおなじみの羽衣伝説をもとにした作品で、室町後期以降、頻繁に上演される人気曲。能の大成者・世阿弥は伝書の中で、天女の舞を特別なものと考えていたようで、後の時代に舞の基本とされたと伝えられています。白砂青松、美しい天女の舞、そして遠く臨む富士山。清清しい心豊かな世界が、格調高く展開します。

[お問い合わせ]

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
文化事業部 事業第2チーム
担当:大平、玉塚
電話:03-5369-6063  ファックス:03-5369-6038
Eメール:arts2@jpf.go.jp
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