日韓国交正常化60周年記念 チェルフィッチュ『リビングルームのメタモルフォーシス』韓国公演

国際交流基金(JF)は、韓国・ソウルで開催される「ソウル国際舞台芸術祭(SPAF)」において、日本の演劇カンパニーであるチェルフィッチュによる作品『リビングルームのメタモルフォーシス』を上演します。本公演は、日韓国交正常化60周年を記念して実施するものです。

本作品は演劇作家・岡田利規と作曲家・藤倉大によるコラボレーション作品です。独特な言葉と身体の関係性を軸に方法論を更新し続けるチェルフィッチュが、演劇と音楽のパフォーマンスを舞台上に並置することにより、言葉と音の関係性の新しいありようを提示します。

オーストリア最大級の国際フェスティバルであるウィーン芸術週間からの委嘱に端を発した本作品は、2021年度のJFによる舞台芸術国際共同制作事業において制作を開始、ワークインプログレス公演を実施しました。その後、2023年に世界初演欧州ツアー、2024年に東京、2025年に神戸、愛知と公演を重ねています。

今回のソウル公演では、現地のアンサンブル「SYMPHONIC ARMONIA」が演奏を担当し、チェルフィッチュの俳優陣とコラボレーションします。韓国を代表する国際舞台芸術祭における本公演の実施を通じて、さらなる日韓交流の発展を期待します。

舞台の斜め左側から見た公演中の光景。舞台の下では人々が楽器を演奏している。

前方から演奏が行われており、中央前方には弦楽器奏者が見える。

(c) 前澤秀登

2021年度の舞台芸術国際共同制作事業におけるワークインプログレスの様子はJFの舞台芸術オンライン配信サイト「STAGE BEYOND BORDERS」よりご覧いただけます。

また2024年9月に行なわれた東京公演は、「THEATRE FOR ALL」にて配信されています。

公演情報詳細

公演概要
上演作品 チェルフィッチュ×藤倉大 with SYMPHONIC ARMONIA
『リビングルームのメタモルフォーシス』
出演 青柳いづみ、朝倉千恵子、石倉来輝、川﨑麻里子、矢澤誠、渡邊まな実
演奏:SYMPHONIC ARMONIA
日時 2025年11月1日(土曜日)19時~
11月2日(日曜日)19時~
上演時間 80分
上演言語 日本語
字幕 英語、韓国語
会場 大学路芸術劇場・大劇場(Daehakro Arts Theater Grand Theater)
ウェブサイト

主催:国際交流基金(JF)、ソウル国際舞台芸術祭(SPAF)

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プロフィール

【チェルフィッチュ】

岡田利規が全作品の脚本と演出を務める演劇カンパニーとして1997年に設立。2007年クンステン・フェスティバル・デザール(ブリュッセル、ベルギー)にて『三月の5日間』を上演、初めての国外進出を果たす。以降、アジア、欧州、北米、南米あわせて90都市以上で作品を上演し続けている。フェスティバル・ドートンヌ・パリ(フランス)、ウィーン芸術週間(オーストリア)など世界有数のフェスティバル・劇場の委嘱および国際共同製作による創作も多数。
近年は、スクリーンに投影された映像が人の感覚に引き起こす作用によって展示空間を上演空間へと変容させる試み〈映像演劇〉を舞台映像作家・山田晋平氏とともに始動、2018年に演劇公演/展覧会『渚・瞼・カーテン チェルフィッチュの〈映像演劇〉』(熊本市現代美術館)を発表。
音楽家や美術家とのコラボレーションも積極的に行い、2019年・2020年には美術家・彫刻家の金氏徹平とのコラボレーションによる『消しゴム山』(KYOTO EXPERIMENT)『消しゴム森』(金沢21世紀美術館)を発表。2023年には作曲家の藤倉大とのコラボレーションによる『リビングルームのメタモルフォーシス』(ウィーン芸術週間)を発表。

【岡田利規】

岡田利規氏のポートレート
(c) Kikuko Usuyama
演劇作家、小説家、演劇カンパニー「チェルフィッチュ」主宰。その手法における言葉と身体の独特な関係が注目され、2005年『三月の5日間』で第49回岸田國士戯曲賞を受賞、同年7月『クーラー』で「TOYOTA CHOREOGRAPHY AWARD 2005ー次代を担う振付家の発掘ー」最終選考会に出場。2013年に演劇論集『遡行 変形していくための演劇論』(河出書房新社)を刊行。2016年からはドイツの公立劇場レパートリー作品の作・演出も継続的に務める。2020年『掃除機』(ミュンヘン・カンマーシュピーレ)および2022年『ドーナ(ッ)ツ』(ハンブルク、タリア劇場)でベルリン演劇祭(ドイツ語圏演劇の年間における“注目すべき10作”)に選出。
タイの現代小説をタイの俳優たちと舞台化した『プラータナー:憑依のポートレート』で第27回読売演劇大賞・選考委員特別賞を受賞。能のナラティヴの構造を用いた『未練の幽霊と怪物 挫波/敦賀』(KAAT神奈川芸術劇場)で第72回読売文学賞・戯曲・シナリオ賞及び第25回鶴屋南北賞受賞。2021年には『夕鶴』(全国共同制作オペラ)で歌劇の演出を手がけた。
小説家としては、2007年に『わたしたちに許された特別な時間の終わり』(新潮社)を刊行。第2回大江健三郎賞受賞。2022年に『ブロッコリー・レボリューション』(新潮社)で第35回三島由紀夫賞および第64回熊日文学賞を受賞。

【藤倉大 】

藤倉大氏のポートレート
(c) SISI BURN
大阪府生まれ。15歳で単身渡英しJ.ベンジャミンらに師事。これまでに数々の作曲賞を受賞、国際的な委嘱を手掛ける。オペラの国際評価も高く、2015年にシャンゼリゼ劇場、ローザンヌ歌劇場、リール歌劇場の共同委嘱による《ソラリス》を世界初演。20年に自身3作目のオペラ《アルマゲドンの夢》が新国立劇場で世界初演された。17年から東京芸術劇場で開催の「ボンクリ・フェス」アーティスティック・ディレクターを務める。23年に4度目となる尾高賞を受賞。近年の活動はリモート演奏のための作品発表や、テレビ番組の作曲依頼等多岐に渡る。録音はソニー・ミュージックジャパンインターナショナルやMinabel Recordsから、楽譜はリコルディ・ベルリンから出版。
ホームページ:Dai Fujikura

[お問い合わせ]

国際交流基金(JF)
文化事業部 舞台芸術チーム
担当:河合、松岡
E-mail:pa@jpf.go.jp
(メールを送る際は、全角@マークを半角に変更してください。)

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