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第2回翻訳家座談会 ~多和田葉子著『献灯使』~

世界10か国以上で翻訳されている多和田葉子さんの小説『献灯使』。2018年に全米図書賞(翻訳文学部門)を受賞したことでも話題となりました。今回は、著者の多和田さんを交えて、タイ、米国、ドイツ、ノルウェー、トルコの翻訳家5名に、作品の魅力や翻訳時のエピソードについて語っていただきます。多和田さんと翻訳家の方々による日本語と各国語訳の作品(一部)朗読も予定しています。座談会の最後には視聴者とのQ&Aの時間が設けられます。

*英訳:満谷マーガレット

開催概要

開催日時
開催日時:2021年2月26日(金曜日)19時〜20時30分 (日本時間)
視聴用URL
https://www.youtube.com/watch?v=DLvpf78sGFA(アーカイブ動画)
使用言語
日本語(後日、英語字幕を付した動画をアーカイブにて公開します。)

登壇者プロフィール(敬称略)

作家

多和田 葉子(たわだ ようこ)
多和田 葉子さんの写真
(c) Elena Giannoulis

1960年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部ロシア文学科卒業後、ドイツに移住。ハンブルグ大学修士課程修了、チューリッヒ大学博士課程修了。芥川賞、谷崎潤一郎賞、読売文学賞、ゲーテ・メダル、クライスト賞、全米図書賞、国際交流基金賞などを受賞。独日2か国語で作品を執筆し、世界各国で頻繁に朗読や講演活動をしている。ベルリン在住。

『献灯使』の書影
著:多和田葉子、出版社:講談社
出版年:2014年、ISBN:9784062191920

翻訳家(五十音順)

ヒュセイン・ジャン・エルキン(Hüseyin Can Erkin)
ヒュセイン・ジャン・エルキンさんの写真

1968年生まれ。1991年アンカラ大学日本語日本文学科卒業。1996年北海道大学歴史学科修士号、2001年アンカラ大学日本学博士号取得。東京大学、立教大学、国文学研究資料館、歴史民俗博物館での客員研究・教授経験を持つ。現在、アンカラ大学日本語日本文学教授。トルコ語への翻訳を手がけた作家は多和田葉子、大江健三郎、川端康成、三島由紀夫、谷崎潤一郎、太宰治、宮沢賢治、村上春樹、村上龍、安部公房、村田沙耶香、夏川草介など。

トルコ語版の書影
訳:ヒュセイン・ジャン・エルキン、出版社:Siren Yayınları
出版年:2020年、ISBN:9786055903824
タラ・石塚・ハッセル(Tara Ishizuka Hassel)
タラ・石塚・ハッセルさんの写真

ノルウェー、オスロ市在住。ノルウェー翻訳家協会に所属。2005年オスロ大学にて日本研究の修士課程を修了。2回の日本留学経験と3年間の日本文化関係の職務経歴も持つ。短編翻訳は井伏鱒二著『山椒魚』、三島由紀夫著『雨のなかの噴水』、川上弘美著『溺レる』、多和田葉子著『不死の島』(いずれもSolum Bokvennen、2018年) など。長編文学翻訳は横山秀夫著『64』(Kagge、2019年) 、多和田葉子著『献灯使』(Solum Bokvennen、2020年) 。現在、多和田葉子著『地球にちりばめられて』を翻訳中。

ノルウェー語版の書影
訳:タラ・石塚・ハッセル、出版社:Solum Bokvennen
出版年:2020年、ISBN:9788256021260
ムティター・パーニッチ(Muthita Panich)
ムティター・パーニッチさんの写真

2005年より日本の文学・フィクション作品のタイ語翻訳を手がける。主な訳書に、多和田葉子著『犬婿入り』(2014年)、『献灯使』(2019年)、村上春樹著『1Q84』(共訳、2011年)、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(2014年)、『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』(2018年)、阿部和重著『IP/NN 阿部和重傑作集』(2014年)、阿部和重・伊坂幸太郎著『キャプテンサンダーボルト』(2017年)(いずれもGamme Magieより出版)、松浦理英子著『裏バージョン』(Earnest Publishing、2016年)。翻訳家としてだけではなく、通訳としても活動している。

タイ語版の書影
訳:ムティター・パーニッチ、出版社:Gamme Magie
出版年:2019年、ISBN:9786167591926
ペーター・ペルトナー(Peter Pörtner)
ペーター・ペルトナーさんの写真

1953年生まれ、ドイツ在住。マールブルク大学・テュービンゲン大学卒業後、東京大学にて日本哲学の研究を行う。大阪外国語大学にてドイツ語講師として勤務した後、1990年ハンブルク大学にて博士号を取得し、同大学助教授となる。1992年より25年以上にわたりミュンヘン大学日本センター・日本学教授を務める。専門は日本思想史、文学史。多和田葉子、西田幾多郎、梶井基次郎、中原中也等、日本の多数の著作をドイツ語に翻訳している。

ドイツ語版の書影
訳:ペーター・ペルトナー、出版社:Verlag Claudia Gehrke
出版年:2018年、ISBN:9783887696887
満谷 マーガレット(Margaret Mitsutani)
満谷 マーガレットさんの写真

アメリカ・ペンシルバニア州ピッツバーグ出身。ウースター大学卒業、東京大学大学院比較文学比較文化修士課程修了。40年以上にわたり、椙山女学園大学短期大学部、東京工業大学、共立女子大学などで教鞭をとり、現在共立女子大学名誉教授。多和田葉子、角田光代、大江健三郎などの作品の英訳を手掛ける。2018年には、多和田葉子著『献灯使』の英訳が全米図書賞(翻訳文学部門)を受賞した。

米国版の書影
訳:満谷マーガレット、出版社:New Directions
出版年:2018年、ISBN:9780811227629
英国版の書影
訳:満谷マーガレット、出版社:Granta
出版年:2018年、ISBN:9781846276705

司会

松永 美穂(まつなが みほ)
松永 美穂さんの写真

翻訳家・早稲田大学文学学術院教授。訳書にベルンハルト・シュリンク『朗読者』(2000年、新潮社)、ライナー・マリア・リルケ『マルテの手記』(光文社古典新訳文庫、2014年)、インゲボルク・バッハマン『三十歳』(岩波文庫、2016年)など。2000年に毎日出版文化賞特別賞、2015年に日本絵本大賞翻訳絵本賞受賞。

[お問い合わせ]

国際交流基金(JF)
文化事業部 企画調整チーム
電話:03-5369-6060
Eメール:arts@jpf.go.jp
(メールを送る際は、全角@マークを半角に変更してください。)

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