次世代日本研究者協働研究ワークショップ:
国際学会パネル発表報告

2019年度国際交流基金(JF)主催事業「次世代日本研究者協働研究ワークショップ」の参加学生が、国際学会でパネル発表を行いました。

発表者:
次世代日本研究者協働研究ワークショップの参加学生4名
発表者所属機関:
南開大学(中国)、香港大学(香港)、高麗大学(韓国)、
モナシュ大学(オーストラリア)
発表学会:
AAS-in-Asia 2020
(今年度はコロナウイルス流行拡大防止のためオンラインで実施)
開催日程:
2020年8月31日(月曜日)~9月4日(金曜日)

オンライン発表中の様子
オンライン発表中の様子

次世代日本研究者協働研究ワークショップとは

JFは、若手の日本研究者が国際的・学際的な研究者として活躍できるよう、2018年度から「次世代日本研究者協働研究ワークショップ」を開催しています。
このプログラムでは、アジア各国・地域から優秀な学生たちが集まり、研究者として身に付けておくべき基礎知識についての講義や、分野・地域を超えたネットワーキングの重要性について学びます。ワークショップ最終日には、学生が数人ずつでグループを組み、学会発表をイメージした模擬パネル発表を行います。

このワークショップでは、研究成果の公開に向けての注意点や、研究のプロポーザルや申請書の書き方など、実践的な知識を身に付けるための講義も行っています。今回国際学会で発表を行った参加者は、ワークショップでの学びと国際的・分野横断的なネットワークを活かしながら学会参加に向け準備を進め、多様性に富んだパネル発表を行いました。

次世代日本研究者ワークショップ参加時の様子
パネルタイトル “Constructing the Cultural Public Sphere of and Beyond Japan: Fluidity and Dynamics in East Asia
メンバーの研究分野はメディア研究、歴史学、文学・観光研究、社会学と多様。それぞれの所在国から遠隔で参加した。
写真は次世代日本研究者ワークショップ参加時のもの。

国際学会や協働研究の場で実績を残していくことは、若手研究者がキャリアを積んでいく上で非常に重要です。JFはこのようなプログラムを通じ、引き続き若手研究者を支援していきます。

パネル発表者の声

参加者の写真1

権 民赫(KWON Minhyeok)さん

「次世代日本研究者協働研究ワークショップ」は様々な学問を研究する研究者が集まっていました。
10日間私も1人の研究者として、豊富な文化的背景を持つ参加者と交流することができました。
先生方が今まで積み重ねてきた貴重な研究の経験から研究者としての心構えを学び、参加者のパネル発表からそれぞれの専門分野について勉強し、私自身の研究テーマに関する新しいアイデアを考えることができました。
ワークショップで知り合った方々とのネットワーク、そしてパネル発表に対する理解は、「AAs-in-Asia 2020」のパネル構成・準備・発表に大きな力となりました。
国際フォーラムでの経験が少ない若き研究者にとって、「次世代日本研究者協働研究ワークショップ」は一人前の研究者になるために必要な知識を得られる「学習の場」であり、その知識を実際に試してみることのできる「実践の場」でもありました。
日本研究者の皆さんにもぜひおすすめしたいです。

参加者の写真2

刁 恬甜(DIAO Tiantian)さん

2019年11月に開催された国際交流基金主催事業「次世代日本研究者協働研究ワークショップ」は刺激的な体験でした。韓国、中国、インドからの講師陣は、日本研究者としての自らの経験を共有してくれました。講師の方々のお話を聞いたことは、自分の博士論文の研究内容や、研究者としての今後の進路についてよく考えるきっかけとなりました。ワークショップ中一番楽しかったのは、ネットワーキングや協働研究の機会でした。
このワークショップを通して、アジア研究の学会でパネル発表を組む際の、共通性や多様性の重要性に気付くことができました。ワークショップ中のグループのメンバーは全員異なる専門領域や方法論をもっていましたが、その中でもそれぞれの研究の共通点を導き出すことができました。ここでもらったコメントは、その後学会でパネル発表を目指すうえで励みとなりました。ワークショップ後すぐに、2020年度AAS-in-Asiaに向けパネルを組むことを考え始めました。国際交流基金のワークショップでの発表をもとに、グループメンバーの研究を結びつける一貫性のあるテーマを見つけようとしました。メンバーと話し合いを重ねて、パネルの発表題目を決めました。同時に、ワーショップの講師と参加者に、パネルのチェアとディスカッサントを依頼しました。二人とも、パネルのプロポーザルを書くにあたって鋭い意見をくれました。他のメンバーと協力して3週間ほどでプロポーザルをまとめあげ、みんなの努力のおかげで、私たちのプロポーザルは2020年度AAS-in-Asia委員会によって採択されました。
国際交流基金の「次世代日本研究者協働研究ワークショップ」は、様々な地域や大学の研究者と知り合う、またとない機会を与えてくれました。2019年度のワークショップや、国際交流基金の惜しみない支援ぬきには、パネル発表はできなかったと思います。

[お問い合わせ]

国際交流基金(JF
日本研究・知的交流部 アジア・大洋州チーム
電話:03-5369-6070
Eメールアドレス:asiaoceania@jpf.go.jp
(メールを送る際は、全角@マークを半角に変更してください。)

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