北京日本学研究センター日本研究図書・新刊
北京日本学研究センターでは、その研究成果を広く対外的に発表・共有することを目的に年刊の学報である「日本学研究」をはじめ、各種刊行物を出版しています。
《新刊》
日本文学叢書: 今昔物語集 本朝部(上・下)
人民文学出版社発行(2008年4月)
訳:北京編訳社
校訂・注釈:張龍妹
人民文学出版社が六十年代に企画した『今昔物語集』本朝部の翻訳が周作人の校訂で2006年7月に、新星出版社から出版されています。しかし、周作人が原典に当たって校訂したとは考えられず、また、表現は簡潔になったものの、誤訳がほとんど訂正されていませんでした。
本書においては、北京編訳社原訳のもとに、新大系、新全集の『今昔物語集』本朝部をテキストに校訂し、出典、同話、類話、歴史事件や中国文学、日本近現代文学との関係についても注を付しています。さらに、稲垣泰一編『校訂今昔物語』の挿絵を配しています。
《既刊》
『日本古典文学入門』
外語教学与研究出版社発行(2006年10月)
主編:張龍妹
これまでの古典関係の入門書は日本の各分野の専門家達が作品を選び、注釈をしそれを中国の日本語教師らが翻訳するという形をとっていました。
そこで本書は、古典関係で中堅的な存在となっている11名の中国人研究者が執筆することで、中国人学習者にとって興味関心を引く作品を選択するとともに、よりわかりやすい注釈をつけています。各章に総論、作品作者紹介、作品鑑賞、文法要点、コラムとしての「背景小知識」を設け、現代日本語訳、中国語訳を付しています。「背景小知識」は「人皇の由来」「菅原道真と天満宮縁起」「三国意識」など古代文学文化を理解するのに欠かせない項目を設け、「文法要点」は古典文法の一般教科書の内容を網羅し、古典文法の教授にも役立つように配慮しています。
『吉田松陰与近代中国』
中国社会科学出版社発行(2007年3月)
著者:郭連友
本書は日本思想史及び歴史学の方法で、多くの一次資料を駆使して、幕末の代表的思想家吉田松陰の思想形成及び中国思想との関連について検証した新たな松陰論です。本書は松陰の思想形成における中国アヘン戦争や太平天国の影響、またその思想形成における孟子の民本主義や「易姓革命」の影響などを明らかにしています。さらに、松陰の改革思想の清末中国思想家(たとえば黄遵憲、康有為、梁啓超など)への影響を明らかにし、松陰の中国近代史における役割を指摘しています。
『日本農村社会保障-養老的社会学研究』
中国社会科学出版社発行(2007年3月)
著者:宋金文
日本は高齢化社会の先進国であり、社会保障のモデル国ともいわれています。しかし農村部に目線を向けば、そこには世界最高レベルにまで高齢化が進行し、社会保障制度もかなり整備されてはいるが、高齢者の養老問題は解決したとはいえない状態が続いています。
日本農村の高齢化や高齢者問題に関し、本書は中国人の立場から、イエやムラの崩壊とともに戦後に作り上げてきた社会保障の経緯と役割、農家家族や個々人の直面するさまざまな福祉問題、そしてそれを解決するための手法を、制度、歴史、現状の三つの部分から検証しています。
『経済発展与女性就業-亜州典型国家実証研究』
中国市場出版社発行(2007年3月)
著者:丁紅衛
本書は経済発展の過程における女子の就業選択行動の変化を経済学的に捉え、文化が異なる中国、日本、マレーシアの三カ国を対象に、統計データおよび個票データを用いた計量分析を試み、各国女子就業行動の特徴をまとめています。家族および個人の属性に限らず、女子の就業選択行動は経済発展に伴って変化する雇用慣行および社会意識、さらに経済政策・就業政策に強く左右されることを指摘しています。
『日本学研究』第16号
学苑出版社発行
編:北京日本学研究センター「日本学研究」編集委員会
毎年発行している学報です。今号は、北京日本学研究センター設立20周年記念シンポジウム「<日本的>の現在」の特集号です。
『日語教学与教材創新研究』
高等教育出版社発行
主編:曹大峰
2002年~2005年にかけて実施された中国の日本語教育における主幹科目「総合日本語(精読)」に関する総合研究プロジェクトの成果としてまとめられた関係論文集です。
《日本経済学名著訳叢》 生活・読書・新知三聯書店発行 | |
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叢書主編:金洪云(中国人民大学農業経済系副教授) 副主編:川島真(北海道大学大学院法学研究科助教授) 主に1980年代から90年代に刊行された経済学と管理学の書籍のうち、基本文献として日本で広く知られ、現代中国の需要に合ったものを選んでいます。 |
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既刊 | 『巴納徳組織理論研究』 王利平、林新奇、申淑子訳 (原著:『バーナード組織論研究』 飯野春樹著 文眞堂 1992) |
『環境経済学』 朴玉訳 (原著:『環境経済学』 宮本憲一著 岩波書店 1989) |
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『日本的農地制度』 金洪云訳 (原著:『日本の農地制度』 関谷俊作著 農政調査会 2002) |
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『内部組織的経済学』 金洪云訳 (原著:『内部組織の経済学』 今井賢一、伊丹敬之、小池和男著 東洋経済新報社 1982) |
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『日美企業管理比較』 徐艶梅訳 (原著:『日米企業の経営比較―戦略的環境適応の理論―』加護野忠男、野中郁次郎、榊原清則、奥村昭博著 日本経済新聞社 1983) |
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『泡沫経済学』 曽寅初訳 (原著:『バブルの経済学―日本経済に何が起こったのか―』野口悠紀雄著 日本経済新聞社 1992) |
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『経済思想』 洪振儀、金洪云訳 (原著:『経済思想』 猪木武徳著 岩波書店 1987) |
《日本社会学名著訳叢》 商務印書館発行 | |
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叢書主編:周維宏(北京日本学研究センター教授) 編集委員:宋金文、呉詠梅、王仲涛、祁周紅 学術顧問:野村浩一(立教大学名誉教授)、李強(清華大学人文学院教授) 1990年代以降に出版された社会科学各分野の学術著作のうち、日本の学術界で定評があり、よく知られた著作を選んでいます。 |
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既刊 | 『日本式企業管理的変革与発展』 黄咏嵐訳 (原著:『能力主義と企業社会』 熊沢誠著 岩波書店 1999) |
『近代家庭的形成和終結』 呉詠梅訳 (原著:『近代家族の成立と終焉』 上野千鶴子著 岩波書店 1998) |
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『日本的現代化与社会変遷』 (原著:『日本の近代化と社会変動』 富永健一著 講談社 1990) |
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『文化民族主義的社会学―現代日本自我認同意識的走向』 (原著:『文化ナショナリズムの社会学―現代日本のアイデンティティの行方』吉野耕作著 名古屋大学出版会 1997) |
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『秘密和恥辱―日本社会的交流結構』 (原著:『秘密と恥―日本社会のコミュニケーション構造』 正村俊之著 勁草書房 1995) |
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『価値社会学』 (原著:『価値の社会学』 作田啓一著 岩波書店 2001) |
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『移民和城市』 (原著:『エスニシティと都市』 広田康生著 有信堂高文社 1997) |
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『性別支配是一種装置』 (原著:『装置としての性支配』 江原由美子著 勁草書房 1995) |
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『日本的貧富差距―従収入与資産進行分析』 (原著:『日本の経済格差―所得と資産から考える』 橘木俊詔著 岩波書店 1998) |
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『家和同族的歴史社会学』 (原著:『家と同族の歴史社会学』 藤井勝著 刀水書房 1997) |