グアム(2020年度)

日本語教育 国・地域別情報

2018年度日本語教育機関調査結果

2018年度日本語教育機関調査結果に関する帯グラフ。機関数は14件、教師は21名。初等教育は52名で全体の3.5%、中等教育は1,208名で全体の80.3%、高等教育は245名で全体の16.3%、学校教育以外は0名で全体の0.0%。

(注) 2018年度日本語教育機関調査は、2018年5月~2019年3月に国際交流基金が実施した調査です。また、調査対象となった機関の中から、回答のあった機関の結果を取りまとめたものです。そのため、当ページの文中の数値とは異なる場合があります。

日本語教育の実施状況

全体的状況

沿革

 グアムの学校教育の中の主たる外国語は日本語とスペイン語である。これはグアムの歴史的背景が大きな要因であると思われる。それは300年にわたるスペイン統治、フィリピンとの関係(スペイン語)、第二次世界大戦以前からの日本からの移住者の定住(ヤマシタ、シミズ、オネデラなどは現地ファミリーネームとして定着)等の影響によるものであろう。
  外国語としての日本語教育は1960年代後半から70年代にかけて実施されるようになり、特に1970年代からの観光業の発展に伴い、日本からの企業の進出、移住者や旅行者の増加を通して実質的な発展を遂げた。バブル経済時にも年間旅行者数は増え続け、その数は2005年頃までに100万人を超えた。日本人旅行者を主な対象とする観光業、ホテル業、販売業、飲食業では日本語話者は雇用機会に恵まれ、就業とベースアップにも繋がった。近年は韓国(旅行者数は現在日本を抜いて第1位)、中国、台湾、そしてロシアからの旅行客が増加し、日本語以外の外国語教育の必要性も増しているのが実情である。しかし依然として、教育現場においては現在も日本語が筆頭の外国語として位置づけられている。
  高等教育の現場では、1952年創立のグアム大学(2年制教員養成機関)が1965年に4年制大学として認定され、外国語としての日本語講座はその頃に開始した。2年制短期大学のグアムコミュニティカレッジにおいては、日本語講座は創立当初の1977年から設置されていたものと思われる。
  中等教育の現場では、1970年にジョンFケネディ高校(公立)に日本語講座が設置されたのが最初で、他の公立高校にも相次いで導入された。私立高校では1960年代後半から70年代前半にかけて殆どの学校で日本語講座が導入された。中学校での日本語講座は、1995年にウンタラン中学校(公立)で選択科目として初めて導入されたが、高校ほど安定的ではなく(日本語教師の有無、他の選択科目との競合)、公立・私立とも1セメスターの選択科目として導入されている程度(全校ではない)。
  グアムにおける日本語教育は、長きにわたり(少なくとも2010年ごろまでは)上向きの成長を続けていたが、現在はヘリテージ・ランゲージであるチャモロ語の必修科目化(公立高校)、大学における必修外国語の履修期間の短縮(2セメスターから1セメスター)、日本語専攻の廃止など、履修学生数の減少傾向が見られる。

背景

 グアムでは中等・高等レベルの学校教育で「外国語としての日本語教育」を行う一方、観光業においても「現場の日本語=接客のための日本語教育」を同時に行ってきた。グアムの主力産業が観光業であることから、免税店やホテル、あるいは旅行代理店などのサービス産業が日本語教育を必要とし、また就労者に現場で必要な日本語を教育してきた。グアムの日本語教育は、学校教育機関における外国語教育としての日本語と、観光産業と結びついた現場の日本語(接客の日本語)教育という二本の柱をもって発展してきたと言えるだろう。しかし近年、日本人旅行者が減少し、韓国人旅行者が増加しており(現在日本を抜いて韓国が第1位)、韓国及び中国からの企業進出も増えている中で、70年代から続く老舗企業を除き、主にホテル業などは日本資本から韓国資本へと入れ替わりが続いている。このため学校外での外国語表示に関しては韓国語・中国語が増大している。

特徴

 学校教育の現場では、日本のアニメやゲームなどのポップカルチャーファンの学生が多く、日本語で日本のアニメを見ることを学習目的としている者も多い。総人口17万人のグアムにおいて、中学・高校だけで年間約1,200人、大学も合わせると計1,700人を超える学生が日本語を学んでおり、人口に対する日本語学習者の比率は他州と比べても非常に高いと言える。
  高等教育機関はグアム大学(4年制)とグアムコミュニティカレッジ(2年制)の2校あるが、共に外国語選択科目として日本語が常設されている。グアムの主要産業と関連して、両校とも日本語の履修者が多いのが特徴である。
  公立6高校およびDODEA校(米国防総合省直轄校)では10年生からの選択科目として日本語講座が常設されており、私立高校では必修選択科目(主要な私立高校7校のうち5校は10年生から、2校は9年生からの必修選択科目)として日本語講座が常設されている。学校規模及びクラス人数の違いから(公立校は1校当たり約1,500人、私立校は 約300~500人)公立高校での履修者数が多い。
  中学校は、中高一貫プログラムとして常設されている私立を除いて、公立の2~3校および私立の2~3校に1セメスター(半年間)の選択科目として日本語が設置されているが、受講者数や教員の状況により常設でないこともある。中学校における日本語教育は、日本語や日本文化に親しむことに重点を置いている。

最新動向

 公立高校では、かつては大学進学を希望する生徒は2年間の外国語履修が必須となっていたが、2010年度からこのルールが一部緩和、変更された。また近年、公立高校(全6校)において、ヘリテージ・ランゲージのチャモロ語が必修科目となったことで、選択科目である日本語やスペイン語は履修者数が減少傾向にあり、スペイン語に至っては講座閉鎖となるケースも見られる。日本語については引き続き常設外国語(選択科目)として開講されているものの、各公立高校の日本語教師数は、かつての2名体制から1名体制へと変わり、日本語から他の教科に回す等して、教師枠の調整を行っている模様である。なお、私立校から公立校に転校した場合、前の学校で日本語或いはスペイン語などを履修していてもチャモロ語を必修選択せねばならなくなり、外国語を継続できない場合がある。DODEA 校においては、中国語、スペイン語、日本語は従来どおりの教室での授業形態をとっているが、他の外国語に関してはインターネットによる通信教育を行っている。
 私立高校では全ての学校(全7校)で外国語が必修選択科目になっており、生徒全員が最低2年間の外国語を履修している。外国語の選択肢は日本語かスペイン語となっているが、2019年度からチャモロ語を外国語として正式採用した高校が1校あり、日本語履修者数はわずかに減少した。しかし、私立高校に通う生徒の約半数が日本語を履修しており、残りの半数の大半がスペイン語、その残りの少数が中国語、フランス語、あるいはチャモロ語を履修している状況であり、依然として日本語講座の人気は高い。
 一方、大学の一般教養課程での外国語履修は縮小傾向にあり、従来はJapanese101および102が必修だったものが2017年度秋セメスター入学者よりJapanese101のみ必修となった。また、400レベル:日本文化専攻が2015-16年度から廃止となった。
 近年、日本の大学が諸外国からの留学生受け入れを積極的に行っていることから、日本への留学を希望する学生が増えている。大学在学中の短期留学、高校卒業後の日本への進学など、その方向は多様である。さらに、定期的に行われる大学説明会もアメリカ本土及びグアム大学だけでなく、日本の国立大学、私立大学からの出展も増えている。
 2019—20年度からの特筆状況として、3月15日からグアムは自宅隔離が実施され、大学を含む公私立全校が全クラスオンラインに移行した。しかし、公立小中高校は家庭内での接続状況とオンラインクラスの設定状況から4th quarterは希望者のみのクラスとなったようである。2020-21年は8月から開始された新年度は、大学は秋学期、翌年の春学期ともオンラインクラスに決定された。小中高校は新年度を迎えたものの、再び全島自宅隔離の実施によりオンラインクラスとなっている。

教育段階別の状況

初等教育

 日本語教育は実施されていない。

中等教育

 2019年度現在、中学校レベルでは私立の1校を除いて公立・私立とも日本語は半年単位の選択科目であり、年間通して全6校で約250名が受講している。グアム教育省では2015-16年度に公立中学校統一のTeaching Planを作成するなどして発展を見せたが、作成当時の教師も異動してしまい、現在は個々の講座の状況や教師自身のスキル等によって使用状況は異なる。
 公立高校は休職教師の高校を除く5校とDODEA 校で日本語1と2(このうち2校は日本語3、もしくは4まで)を開講しているが、AP 試験、SAT は行われていない。私立高校は全7校に日本語プログラムが常設されており(うち1校は日本語4, 5までが常設)、IB 試験、AP 試験、SAT 等の試験も実施している。公立・私立合わせて年間およそ750~800名の高校生が日本語を履修している。多くの学校で日本からの修学旅行生徒との文化交流の機会があったが、2020年の3月の自宅隔離措置により、すべての機会は失われた。

高等教育

 グアムコミュニティカレッジでは日本語101と102 (年間100名程度)、グアム大学では日本語101から副専攻までのコースとTourism Japaneseが常設されており、2つの大学を合わせて年間合計350~400人の履修者を数える。残念なことに、上述のとおり、グアム大学では2015-16年度に日本文化専攻がなくなり、現在は副専攻のみとなっている。また、一般教養課程での外国語履修が縮小傾向にあり、従来はJapanese101および102の両方が必修だったものが、2017年度秋セメスター入学者からJapanese101のみの必修となっている。これに伴い、グアム大学では、かつて常勤講師3名および非常勤講師3名が日本語講座を担当していたが、現在(2019)は非常勤講師が担当していたクラスは廃止となった。また、アンダーソン空軍基地内のメリーランド大学で、日本語1と日本文化コースがあり、毎年60名程の学生が登録している。

学校教育以外

 代表的な日本語教育機関は日本人学校補習校の日本語クラスと、観光業種における接客日本語であるが、現在の自宅隔離及び旅行者が0に等しい状況下でそれらは休止状態である。

教育制度と外国語教育

教育制度

教育制度

 5-3-4制。
 1-5年小学校、6-8年中学校、9-12年高等学校。
 アメリカ本土と同様に1~12年までが義務教育である。日本語は、公立中学校では7年生からの選択科目、公立高校は10年生からの選択科目、私立高校は9あるいは10年生からの2年間の選択必修科目になっている。
 高校卒業後のグアムの教育機関は、グアムコミュニティカレッジ(2年制)とグアム大学(4年制及び修士課程2年制)がある。日本語はグアムコミュニティカレッジとグアム大学での各2セメスター(日本語101, 102)と、その後はグアム大学の副専攻コースまでが設置されている。

教育行政

 公立小中高校:グアム教育省Guam Department of Education
 グアムコミュニティカレッジ:グアム教育省Guam Department of Education
 グアム大学:グアム教育省Guam Department of Education
 DODEA校:米国防総省Department of Defense
 カトリック系私立学校:Catholic School System

言語事情

 公的言語はチャモロ語(現地語)と英語であるが、主要言語は英語である。昨今のグアムではヘリテージ・ランゲージであるチャモロ語の危機が叫ばれ、公立高校でのチャモロ語の必修化やグアムスタディーズの見直しがなされている。1950~1960年代にはチャモロ語よりも英語を話す事を主としていたが、最近では自分たちのオリジナル言語を使うムーブメントが大きな力を持ってきている。また、グアムの地政学的条件により、フィリピン等のアジア各国、ミクロネシア各国及び地域や、最近ではロシアからの移住者も多い。それら移住者の家庭では英語が第二言語、外国語履修は第三言語になる事がある。グアム以外からの移住者の使用言語は先に述べた地域によるが、タガログ語使用者の人口割合が圧倒的に多く、続いて韓国語、中国語、台湾語、日本語と続き、太平洋島嶼国諸語と続く。

外国語教育

 外国語教育は公立・私立とも中学校から選択科目として設置されている。中学校の主な外国語はスペイン語と日本語で、8年生の1セメスターの選択科目(私立1校は6年生からの通年選択科目)となっている。公立高校は10あるいは11年生からの選択科目として外国語が設置されているが、ヘリテージ・ランゲージとしてのチャモロ語は1年生の必修言語科目である。私立高校は3年間必修の1校を除き、全校2年間の選択必修科目である。選択言語はスペイン語、日本語が主流で、中国語、フランス語、チャモロ語がある学校もある。

外国語の中での日本語の人気

 グアムでは引き続き日本語の学習者が多い。特に若年層は日本のアニメやゲームなどのポップカルチャーのファンが多く、日本語で日本のアニメを見ることを学習目的としている者も多い。また、中学校では日本からの修学旅行生との交流経験を通して日本語を選択する学生も多い。

大学入試での日本語の扱い

 大学入学のための成績証明には2年以上の外国語履修がほとんどの場合必修とされるが、アメリカ本土の大学では外国語必修を問わないところも増加している。グアム大学は高校での外国語履修を問わない。

学習環境

教材

初等教育

 日本語教育の実施は確認されていない。

中等教育

 公立中学校の日本語教育においては、日本語、あるいは日本や日本文化に親しむことに焦点を当てており、特に教科書は使用されていない。半年間の選択科目を設定している公立私立とも、ひらがな、カタカナのフラッシュカード、日本地図、教師作成のパワーポイントなどが使用されている。
 Catholic school systemでは 2009年に全科目の共通指導要綱が作成されており、公立高校は2016~2018年度に全校共通の指導計画設定(レベル1と2)作業を行った。公立高校の教科書に関してはグラントの申請とともに提案が行われているが、予算の関係上実現されていない。現場では教師用参考図書として「Elementary Japaneseげんき:坂野永理ほか(The Japan Times)」あるいは「YOOKOSO!:Yasu-hiko Tohsaku (McGraw Hill)」が利用されている。私立高校では「Adventure in Japanese:Hiromi Peterson & Naomi Hirano-Omizo (Cheng & Tsui)」「YOOKOSO!:Yasu-hiko Tohsaku (McGraw Hill)」「Elementary Japaneseげんき:坂野永理ほか(The Japan Times)」が使用されている。また、公私立高校とも市販あるいは手作りのフラッシュカード、映画あるいはテレビ番組等、パワーポイント、カレンダーやポスター、日本語のグアム新聞(週2回発行)、旅行者用のパンフレットなどを利用している。学校、教師によるが、教室内でのスマホ利用、PC利用も可能である。

高等教育

 グアム大学では101から200レベルの教科書は「Elementary JapaneseげんきⅠ&Ⅱ:坂野永理ほか(The Japan Times)」あるいは「YOOKOSO! / An Invitation to Contemporary Japanese and Continuing with Contemporary Japanese:Yasu-hiko Tohsaku (McGraw Hill)」を使用し、中上級レベルは各インストラクター及びレベルに合わせた教材を用いている。また、LL教室とラボで視覚聴覚的なアプローチも可能になっている。一方グアムコミュニティカレッジは「YOOKOSO! / An Invitation to Contemporary Japanese:Yasu-hiko Tohsaku (McGraw Hill)」を用いている。コンピューターが設置された教室では視覚聴覚的なアプローチも可能になっている。

学校教育以外

 日本語補習校で小・中学生向きクラスが開設され、「塾」の形態をとっているが、決まった教科書を使用しているというようなことは把握していない。 また、日本企業内での従業員教育としての日本語教育は接客を目的としているので、業種にあった対応を想定してのロールプレイが主流である。

IT・視聴覚機材

 DODEA高校は2010年前後には既に十分なデジタル化が終了していた。現在、公立高校でも同様にデジタル化が進められている。公立高校は、新設高校と改築校から先行してデジタル化が進んでいる。私立高校では2010年以降デジタル化が急速に進み、殆どの学校でモニターやプロジェクターが設置されている。電子書籍の教科書が採用される科目も多い(日本語は未だ実現せず)。
 グアム大学では2001年春にL.L.のデジタル化を行って以来キャンパス内のWi-Fi、各クラスルーム内でのデジタル化が進んだ。グアムコミュニティカレッジもコンピューター設置、校内Wi-Fi化は対応済みである。

教師

資格要件

初等教育

 日本語教育は実施されていない。しかし公立の教師資格については中等教育者資格と同じである。 私立については各学校による。

中等教育

 公立校の場合、学士号取得に加えPraxis(Ⅰ/Ⅱ)に合格しないと普通教員免許(3年ごとの更新)が授与されない。私立校の場合は、多少違いがあるが学士号取得はほぼ必須条件である。公立校の場合は、免許の更新、給与待遇に違いが出るため修士号を持つ教員も多い。高校の日本語教師全15名のうち5名が修士号、2名が博士号取得者である。

高等教育

 グアム大学では准教授以上は博士号を求められる。非常勤教師(adjunct)は、通常修士号以上を求められる。グアムコミュニティカレッジでも最低限修士号の取得が求められる。

学校教育以外

 特に基準はないようだが、日本人の講師が多く、企業内では、学士号取得者及び上席者が大半を占めている。

日本語教師養成機関(プログラム)

 グアム大学で日本語を2セメスター以上受講し、PraxisⅠ、又はⅡに合格することによりグアム教育庁の発行する中等教育日本語教員免許(日本語)を受けることが出来る。また、グアム大学卒業と同時に日本のJETプログラムに応募し、日本語を更に学んでからグアムの学校で日本語を教えることを希望する学生もいる。日本語教師養成を行っている機関、プログラムは確認されていない。

日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割

 大学、コミュニティカレッジを含むグアムの全日本語教師19名のうち12名が日本人である。そのうちコミュニティカレッジの非常勤講師以外が常勤講師で、正規授業を受け持っている。また、日本人学校補習校ではプリスクールから中学3年生までのクラスを非常勤講師が受け持っているが、その全員が日本語母語教師である。現在、日本語母語のアシスタント雇用は確認されていない。
 公立校はグアム教育省の教員資格が必須であるため、大学での必要単位の取得(あるいは再取得)とPraxis合格を含めて日本語母語話者には厳しい状態である。DODEA校に関しては米国籍も求められるため、状況はさらに難しい。公立高校では米国内大学の入学資格から外国語履修の必修が削減されている状況下、外国語教師数やクラス数の縮小も重なり、日本語教師の資格はあっても教師ポストの空きがないという状態となっている。私立校は米国の教員資格がなくとも採用の機会があり、各外国語とも母語話者を教師としているため日本人が職を得る機会があるが、公立私立ともに誰かが退職しない限り次の機会は訪れないのが実情である。

教師研修

 グアム日本語教師会(Guam Nihongo Teachers Association)がメンバー教師を対象としたワークショップを開催している。ワークショップのゲスト講師については、米国本土から招くとコストが嵩む為、グアム内の大学講師に依頼する場合が多い。私立校においては日本でのワークショップ(AP日本語およびIB日本語)の為に学校から100%の資金援助を受けて継続参加している。

現職教師研修プログラム(一覧)

 国際交流基金の研修以外に、特に明記すべきグアム独自の教師研修プログラムは現在のところない。

教師会

日本語教育関係のネットワークの状況

 グアム日本語教師会(Guam Nihongo Teachers Association: GuNTA)が中心となり、日本語教育関係者のネットワークを構築している。教師会の会員は全教育レベルを対象としているが、現在は高校の日本語教師が中心となっている。主な活動としてワークショップや学習者向けのイベント(日本語祭りと日本語チャレンジボウル)があったが、2020年3月以来オンラインミーティングのみでコミュケーションを継続している。定例会では現状報告及びクラス運営のアイデアラッシュなどを中心に意見交換をしている。自宅隔離においてイベント開催が難しい中、日本領事館の提案協力によりバーチャル日本語祭りや映画祭などが開催される予定が立ち、新しい試みとして日本語チャレンジボウルに代わるスタンダードエグザムなどの案も検討される予定である。

最新動向

 2009年に作成した「グアム日本語プログラムスタンダード」の改訂版を作成中。

日本語教師派遣情報

国際交流基金からの派遣

国際協力機構(JICA)からの派遣

 国際交流基金、JICAからの派遣は行われていない。

その他からの派遣

 (情報なし)

シラバス・ガイドライン

初等教育

 日本語教育は実施されていない。

中等教育

 グアム教育省は、米国のナショナルスタンダーズに類似したカリキュラム・ガイドラインを公開しており、公立初等・中等教育機関では、このガイドラインに準拠したカリキュラムでのコース運営が求められている。しかし、ナショナルスタンダーズとは違い、言語ごとのガイドラインはなく、全外国語共通のものとなっている。
 私立校に関しては、3,4レベルとAP日本語、IB日本語のプログラムとの関連から、各校のCommon Coreに準拠しつつそれぞれプログラムを構成している。
https://sites.google.com/a/gdoe.net/gdoe/

 グアム教師会では2009年度にカリキュラム、教科書が異なる各校が共通に参考にできる「日本語ガイドライン」を編纂。「日本語チャレンジボウル」等の問題作成の際の目安になると共に、各校の日本語教師にとっても指導計画の内容と照らし合わせ参考にすることが出来る。「日本語ガイドライン」はレベル別(1 & 2)に文型、語彙、文法活用などに重点を置いて編集された。しかし、日本語4までを包含し、且つCommon Coreに準拠するスタンダードを見直す必要から 、「グアム日本語プログラムスタンダード」の再編集に取り組んでいる。2020年のコロナ禍を受け、オンラインに対応した学習範囲や教授法の見直しも含め、編集を続けている。

 米国情報を参照。

評価・試験

 2006年米国本土でのAP日本語プログラム開始とともに、グアムでもいくつかの高校でAP日本語試験が実施された。現在では毎年私立2校でAP日本語試験、1校でIB日本語試験が実施されている。全米日本語教師会(AATJ)が主催するNational Japanese Examは2012年から同じ私立校で継続して実施されている。またSAT日本語試験でも、日本語履修性が評価に値する得点を得ている。試験以外に、AATJ主催のNational Japanese Honor Society: JNHSが私立1校で2011-12年度から授与されている。

 米国情報を参照。

日本語教育略史

1970年 公立高校ジョン・F・ケネディ(JFK)高校で日本語教育開始
1970~80年代 公私立高校で相次いで日本語教育開始
1981~1983年 セント・ジョンズ・スクールの小学校部門(2年生)で日本語クラス開講(現在はない)
1990年代初頭 日本語教師会発足(途中休会)
1995年頃 ウンタラン中学校で日本語教育開始(現在はない)
1997年 グアム在留アメリカ軍人子弟のための学校(グアムスクール)がアメリカ軍基地内に設立、日本語クラス開講
同年頃 日本語ソングフェスティバル開催開始(寸劇と合唱部門)
2005年頃 日本語ウルトラクイズ開催開始
2009年 グアム日本語スタンダード編纂
2010年 グアム日本語チャレンジボウル(Guam Nihongo Challenge Bowl: GNCB)開催開始(ウルトラクイズから再編、移行)
2011年 私立ハーヴェスト高校で日本語クラス開講
JaLTA改めGuNTA登録(ノンプロフィット)
2015-18年 公立中学校共通Teaching Plan作成
2018-19年 日本語ソングフェスティバル休止
日本語祭り開催開始
GuNTA: グアム日本語プログラムスタンダード再編集中
2019-20年 私立セントアンソニー校で日本語クラス開講(8年生、1セメスターの選択科目)
日本語祭り開催
Guam Nihongo Challenge Bowl (GNCB) コロナウイルスによる自宅隔離のため休止
2020-21年 教師会月例会をGoogle Meetに移行(9月~)
日本領事館の協力により「バーチャル映画祭」「バーチャル日本語祭り」参加の予定
Guam Nihongo Challenge Bowl からGuam Japanese Standard Exam開催への検討中(日本領事館の協力による)
サイモンサンチェス高校日本語1年間の休止(日本語教師の休職による)

参考文献一覧

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