ロシア(2020年度)

日本語教育 国・地域別情報

2018年度日本語教育機関調査結果

機関数 教師数 学習者数※
169 633 11,764
※学習者数の内訳
教育機関の種別 人数 割合
初等教育 1,059 9.0%
中等教育 3,257 27.7%
高等教育 3,497 29.7%
学校教育以外 3,951 33.6%
合計 11,764 100%

(注) 2018年度日本語教育機関調査は、2018年5月~2019年3月に国際交流基金が実施した調査です。また、調査対象となった機関の中から、回答のあった機関の結果を取りまとめたものです。そのため、当ページの文中の数値とは異なる場合があります。

日本語教育の実施状況

全体的状況

沿革

 ロシアにおける日本語教育の起源は、18世紀初期の皇帝ピョートル一世統治下で日本人漂流民による日本語教授が行われた時期に遡る。同じく18世紀にロシア科学アカデミー付属日本語学校が設置されたサンクトペテルブルグは、日本語学習の長い伝統と歴史を持つ。また、ロシア国内で東西の移動の拠点となっていたシベリアのイルクーツクでも18世紀から日本語学校が開かれていたほか、日本との地理的近接性をいかして交流の窓口となってきた港町ウラジオストクにおいても、19世紀末から極東連邦大学(旧称 極東国立総合大学)で日本語教育が行われている。1956年に設立されたモスクワ大学附属アジア・アフリカ諸国大学(旧称 東洋大学)の日本語・日本文学学科は、近隣諸国で教鞭をとる数多くの日本語教育者を養成してきた。また、ソ連邦崩壊後の1990年代後半にはサンクトペテルブルグ、モスクワ、極東以外の地域の大学においても日本語講座が開設された、さらには高等教育だけでなく初・中等教育機関における日本語教育や一般向けの日本語教育が開始されるなど、多様化が始まった。

背景

 長らく日本語教育の中心を担ってきた高等教育機関における学習の動機は日本文化(伝統文化、武道、文学、映画、アニメ、ポップカルチャー、テクノロジー等)への興味や留学、将来の就職や起業に役立てるためといった実利的目的等がある。

特徴

 複数の大都市においては、高等教育機関を中心として複数の日本語教育機関が存在し、日本語教育における拠点的な役割を果たしている。このような都市として、ヨーロッパロシア部ではモスクワ、サンクトペテルブルク、シベリア地域ではノボシビルスク、極東ではウラジオストク、ハバロフスク等が挙げられる。
 他の大規模・中規模の都市においては、日本との友好団体が実施する日本語講座が、一般向けのほか、年少者向けにも開講されており、周辺に日本語教育を実施している大学がない場合などは、その地域の日本語教育の中心的存在となっていることもある。
 モスクワや主要な地方都市では、中国語の学習熱が高まり、日本語の人気が相対的に低くなる傾向も一部に見られるが、日本文化への関心は世代を問わず見られる。

最新動向

 初中等教育においては、日本語が大学入試科目ではないこととも関係する履修校の限定性や高学年までの継続性、ロシアの外国語教育スタンダードに準拠した教科書が存在しないといった課題がある(中国語は2019年に大学統一入学試験科目として採用)。
 極東地域ではウラジオストク、ハバロフスクやユジノサハリンスクで複数の学校教育機関で日本語教育が実施されているが、2017年に合同の弁論大会、ネットワーク会議が実施された。モスクワ市内で行われる子ども日本語弁論大会に地方から参加がある場合もあり、初中等教育において地域間、またロシア全体での協力関係の萌芽が見受けられる。
 高等教育機関においては、2017年後半から2019年前半にかけて開催された「ロシアにおける日本年」の影響もあり、2019年9月の新学年度より定員数を増やした機関がモスクワ、カザンなどで確認された。
 2018年の日本語教育機関調査では、機関数、教師数、学習者数とも前回調査から約30%増となった。学習段階別ではその他教育機関の伸びが目立つ。モスクワ市内の高等教育機関では大学入学前に主にポップカルチャーへの興味から語学学校、個人教授で日本語を学び、更に本格的に日本語を学びたいと大学に入学する学生が一定数おり、既修者のみで編成されるクラスもできている。
 国際交流基金とモスクワ市立教育大学の共催によって開講されている、JF日本語教育スタンダードに基づく日本語講座(JF講座)は、20年秋現在6クラス、約130名の受講生を抱え、日本センター、語学学校等とならぶ、モスクワにおける学校教育以外の日本語教育の中心的存在となっている。

教育段階別の状況

初等教育

 (下記【中等教育】参照のこと)

中等教育

 日本語教育の位置づけは多くの場合、音楽、美術等と同様の選択科目であるが、外国語教育重点校に選択必修科目として採用されていることもある。第二外国語の選択肢の中から日本語を選ぶのは、日本の産業・技術等に関心を持つ保護者の場合も、アニメや武道に代表される日本文化を好む生徒自身の場合もあり、様々である。
 日本語教育の特別カリキュラムを有する初等・中等教育機関も存在し、例えばペルミ市のある機関では1~11年生の全生徒が日本語または中国語を選択することになっており、熱心に日本語が学ばれている。そのような学校では、高学年(日本の高校に相当)の時点で日本語能力試験N4程度の日本語能力を有する生徒も見られる。
 モスクワ、サンクトペテルブルグ、ノボシビルスク、ウラジオストクといった初中等教育が比較的盛んな地域の学校教師が協力し、現在のロシアの教育スタンダードに適合した教材を作成しようという動きが2016年に起こったが、課題解決には至っていない。

高等教育

 日本語学習の動機は、研究目的、純粋な日本文化等への興味、就職等実利的な目的に大きく分けることができる。卒業後は日本への留学もしくは日本語を生かせる就職を希望する学生が多いが、日本関連企業や日本語教育機関への採用数は限られている。高等教育機関における日本語学習者は、おおむね高い日本語運用能力を有する。
 日本の大学との協力関係に基づいた交換留学も見受けられるが、日本側の予算によるものや継続性の低いものも含まれる。ロシア全国の18大学で日露青年交流センター派遣教師が活躍している。

学校教育以外

 ロシアの市場経済化支援を当初の目的として日本政府が設立した「日本センター」が、6都市(モスクワ、サンクトペテルブルク、ニジニ・ノヴゴロド、ウラジオストク、ハバロフスク、ユジノサハリンスク)で社会人対象の日本語教育を行っている。2009年に全ロシア国立外国文献図書館「国際交流基金」文化事業部(モスクワ日本文化センター)で開講した一般向け日本語講座は、2011年9月、モスクワ市立教育大学との共催のもと、JF日本語教育スタンダードに基づく日本語講座に移行した。
 その他、大学、各地日露友好団体、民間の語学学校等多くの機関で、学生、社会人等を対象とした日本語講座が開講されている。

教育制度と外国語教育

教育制度

教育制度

 4-5-2制。
 ロシアの初等・中等教育は11年制の学校(シュコーラ)で行われる。シュコーラには普通学校と専門学校(特定の科目の教育に力を入れた学校)がある。11学年のうち、1~4学年が初等教育、5~11学年が中等教育にあたる。1~9学年は義務教育である。10、11学年へは高等教育を希望する者が進学するほか、並行して専門教育学校も存在する。
 高等教育は、11学年卒業後の大学(かつて5年制の専門学士だったが、移行期間を経て現在は4年制学士が主流)で学士号を取得する。

教育行政

 初中等教育を啓発省が、高等教育を科学・高等教育省が管轄する。

言語事情

 ロシア語。ただし、ロシア人以外の民族が多数派の地域においては複数言語が併用されており、民族語メディアも多数存在する。

外国語教育

初等教育

 (下記【中等教育】参照のこと)

中等教育

 一般学校においては第2学年から第一外国語の授業が始められている。主として英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語から選択される第一外国語の学習は必須である。
 第二外国語は教育スタンダード上では必修となっているが、実際には教師・教材等が確保できる場合に行われているケースが見受けられ、必要性を含め議論の対象となっている。ドイツ語、フランス語、スペイン語、中国語が正規の第二外国語科目として認知されている。
 選択科目としての外国語授業は、評価や履修記録が成績表に残されないこともあり、課外活動に相当する場合もある。

高等教育

 専攻に関わらず、第一外国語の履修が義務付けられており、言語学、文学、翻訳・通訳論、国際関係論、世界経済等の専攻においては第二外国語、ときには第三外国語の履修が義務付けられる場合もある。

外国語の中での日本語の人気

 第一外国語として教授される英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語等ヨーロッパ言語が人気であるが、その他の言語としては日本語の人気は比較的高い。2019年に大学入学共通試験に導入された中国語の学習熱によって相対的に日本語の人気が低くなる傾向も見られるが、日本文化への関心は世代を問わず高い。

大学入試での日本語の扱い

 大学入試で日本語は扱われていない。一方、大学が実施主体となって潜在的入学者である学校生徒の学習知識を測る試み(「オリンピアーダ」)に日本語が採用される例はあり、特定の大学においては入学試験の際追加的な評価対象となっている。2019年より大学入試統一試験で中国語が開始された。

学習環境

教材

初等教育

 (下記【中等教育】参照のこと)

中等教育

  • 『子どものための日本語』M.R.ゴロミドワ著
  • 『初心者の為の日本語』1、2 L.T.ネチャエワ著(モスクワ、ブックビッツァ出版)
  • 『日本語初歩』国際交流基金日本語国際センター(凡人社)
  • 『みんなの日本語』スリーエーネットワーク(スリーエーネットワーク)
  • 『ひろこさんのたのしいにほんご』根本牧ほか(凡人社)
  • 『書く、読む、話す』シェフテレービッチN.S.、ストルーゴワE.V.
  • 『日本語入門 はじめのいっぽ』(FonetiXpress)
  • 『5年生のための日本語』M・Bヤドリシニコワ著(モスクワオープン教育大学)
  • 『エリンが挑戦!にほんごできます』国際交流基金(凡人社)
  • 『げんき』(ジャパンタイムズ)
  • 『できる日本語』(アルク)

高等教育

  • 『日本語教科書』全4巻、I.V.ゴロヴニン監修、改訂第3版(「現代語」出版社)
  • 『初心者の為の日本語』1、2 L.T.ネチャエワ(モスクワ、ブックビッツァ出版)
  • 『中級における和露・露和通訳』M.A.ミーシナ(モスクワ、トリヴォーラ出版)
  • 『日本語漢字入門』国際交流基金日本語国際センター(凡人社)
  • 『日本語第一歩』富田隆行(凡人社)
  • 『新日本語の基礎』海外技術者研修協会(スリーエーネットワーク)
  • JAPANESE FOR BIGINNERS』吉田弥寿夫(学習研究社)
  • 『よく使われる新聞の漢字と熟語』豊田豊子(凡人社)
  • 『ペアで覚えるいろいろな言葉』秋元美晴ほか(武蔵野書院)
  • 『日本語作文Ⅰ』C&P日本語教育(専門教育出版)
  • 『書く、読む、話す』シェフテレービッチN.S.、ストルーゴワ E.V.
  • 『日露漢字辞典』N.ネヴェーロフ、R.ノズドレヴァ、T.ロザノヴァ、T.タラソヴァ
  • 『日本語 通訳』S.ブイコヴァ(モスクワ、ムラヴェイ・ガイド出版)
  • Gairaigo - Yaponskaya transkriptsia inostrannikh slov “Gairaigo - Japanese Transcription foreign words”E.V.Maevskij, N.G.Ruisina(Muravei-Gaid)
  • 『日本語Graphic StylisticsGraphicheskaya stilistika yaponskavo yazika” (Japanese Graphic Stylistics)』E.V.Maevskij(Muravei-Gaid)
  • BASIC KANJI BOOK Vol.1、2』加納千恵子ほか(凡人社)
  • INTERMEDIATE KANJI BOOK Vol.1,2』加納千恵子ほか(凡人社)
  • 『新文化初級日本語ⅠⅡ』文化外国語専門学校(文化外国語専門学校)
  • 『テーマ別 中級から学ぶ日本語』松田浩志(研究社)
  • 『テーマ別 中級から学ぶ日本語 ワークブック』松田浩志ほか(研究社)
  • 『テーマ別 上級で学ぶ日本語』松田 浩志(研究社)
  • 『文化中級日本語』文化外国語専門学校(文化外国語専門学校)
  • 『毎日の聞き取り50日上下』太田淑子ほか(凡人社)
  • 『初級日本語げんき』坂野永理ほか(ジャパンタイムズ)
  • 『まるごと』(三修社)
  • 『できる日本語』(アルク)
  • 『大学二年生用の日本語教科書第二版』ストリジャック・U.P.、ロバチョーフ・L.A.、マエフスキー・E.V.、リャブキン・A.G.、ヤヌシェーフスキー・V.A.

学校教育以外

 一般の学校に関しては、教科書使用の状況は教師の裁量により様々である。学校の方針により日本で発行された教科書のみを使うところも見られる。

  • 『みんなの日本語』(前出)
  • 『初心者のための日本語』L.T.ネチャエワ著
  • 『書く、読む、話す』シェフテレービッチN.S.、ストルーゴワ E.V.
  • 『子どものための日本語』M.R.ゴロミドワ著
  • 『まるごと』(三修社)

IT・視聴覚機材

 伝統的に行われてきた個人授業、家庭教師の形態は日本語教育でも存在し、インターネットを通じた日本語授業も確認されている。

教師

資格要件

初等教育

 (下記【中等教育】参照のこと)

中等教育

 日本語専攻で高等教育機関を卒業・修了(学士・修士号)している例が多い。

高等教育

 日本語専攻で高等教育機関を卒業・修了(学士・修士号)していることが通例となっていた。大学の日本語専門課程の卒業生がそのまま大学に残って日本語教師となる例も多く見られていたが、昨今、修士号が要件となることが目立ってきた。
 ただし、2000年代に行われた学制改革によって、5年制の専門学士+3年制の博士候補(大学院)から4年制の学士+2年制の修士+それ以上の博士課程へと変更された機関が多く、資格に関し一概に述べることは難しい。

学校教育以外

 日本語専攻で高等教育機関を卒業・修了(学士・修士号)した者の他、語学学校で日本語を学び、教師になる場合もある。

日本語教師養成機関(プログラム)

 リャザン国立大学(卒業証書に日本語教育と記載される例)

日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割

 現地教育機関と直接契約を結ぶ例、政府機関や民間国際交流団体等のプログラムによって派遣されている例が、大都市・地方都市を問わず存在する。教育機関の財政状況は概して厳しい。

教師研修

《国内研修》
 モスクワで毎年行われる日本語教師会総会、日本語教育学国際シンポジウムにおいて、ロシア及び近隣諸国の日本語教師による、日本語教育関連研究の成果発表が行われている。
 モスクワ日本文化センター(全ロシア国立外国文献図書館「国際交流基金」文化事業部)ではオンラインでも日本語教授法講座(2ヶ月)、日本語教師セミナー(不定期各回完結)、「日本語教師の日」(毎月1回。2020年10月より開始)など、ロシアの広域性や新型コロナウイルス対策に伴う活動が行われている。
 また、国際交流基金から派遣されている日本語専門家らにより、各地で日本語教師を対象とした勉強会、セミナーが開催されている。
《訪日研修》
 国際交流基金の海外日本語教師研修等

現職教師研修プログラム(一覧)

教師会

日本語教育関係のネットワークの状況

 ロシア・CIS日本語教師会は、1991年にモスクワ国立大学附属アジア・アフリカ諸国大学日本語講座の講座長ゴロウニン教授(当時)を会長として発足した。活動状況としては、例年秋にモスクワ国際学生日本語弁論大会、日本語教師会総会、ロシア子ども日本語弁論大会(子ども日本語祭)を国際交流基金、在ロシア日本大使館等と共催で実施している。なお、2017年9月からウェブサイト、SNSを用いたネットワーキングの試みが行われている。  
 サンクトペテルブルグにおいても、日本人日本語教師を核とした教師のネットワーク「日本語教育を考える会」が勉強会や日本語教育セミナー企画などを行っている。
 沿ヴォルガ地域においては、ニジニ・ノヴゴロドで2007年4月に沿ヴォルガ地方日本語教師会が発足し、第1回総会が開催された。沿ヴォルガ地域日本語弁論大会にはニジニ・ノヴゴロドに加え、カザン、オレンブルグ、アストラハン等近隣都市からも参加がある。また最近は弁論大会と同時期に教師向けのセミナーも実施されるようになった。同地域で日本語教育関連行事を実施している都市としては他に、カザン連邦大学を中心に別途弁論大会や教師セミナーを実施しているカザン、日本語教師会議を開催しているサマラなどを挙げることができる。
 エカテリンブルグでは2008年に日本語教師会が発足し、教師向け勉強会等を行っていたが、2014年にはチェリャビンスクやペルミの日本語、日本語教育関係者も含む「ウラル地域日本語(通訳翻訳)教師会」が発足し、勉強会の他、日本語教育セミナーも実施しており、2018年から2019年にかけてフォーラム及びセミナーが3回開催された。またウラル連邦大学を中心にウラル地域の弁論大会も実施されている。
 2000年、西シベリア地域の中心都市であるノボシビルスクにシベリア日本語教師会が発足し、拠点をノボシビルスク市立「シベリア・北海道文化センター」においた。2006年にはトムスク、クラスノヤルスクを含む「シベリア日本語教育協会」に発展し、法人登録も行った。
 極東地域では2005年よりサハリンに日本語教師会が存在する。ハバロフスクとウラジオストクでもかつては日本人中心の教師会が存在していたが長く実態がなかった。それに代わり、2018年、ウラジオストクで日本人教師の声かけで「ウラジオストク日本語教師サークル」が設立され、2019年に「ウラジオストク日本語教師会」へと発展した。さらに2020年、ハバロフスクで太平洋国立大学を中心に「ハバロフスク日本語教師会」が発足した。
 これら各地域教師会で企画される日本語教育セミナーには、国際交流基金から派遣されている日本語教育専門家が講師として招かれることが多い。

最新動向

 ロシア・CIS日本語教師会は年1・2回(春・秋)の会議・シンポジウムを継続的に実施している。この会議で行われる実践研究発表は伝統的に高等教育機関における日本語教育が中心であったが、参加者の多様化傾向がみられる。

日本語教師派遣情報

国際交流基金からの派遣(2020年10月現在)

日本語上級専門家

  • モスクワ市立教育大学 1名

日本語専門家

  • モスクワ国立大学 1名
  • ノボシビルスク国立大学 1名
  • 極東連邦大学 1名

国際協力機構(JICA)からの派遣

 なし

その他からの派遣

日露青年交流センター日本語教師支援事業

  • ウラル連邦大学(エカテリンブルク) 1名
  • リャザン国立大学 1名
  • クバン国立大学 (クラスノダール) 1名
  • ニージュニー・ノヴゴロド国立言語大学 1名
  • カザン連邦大学 1名
  • ノボシビルスク国立工科大学 1名
  • オレンブルグ国立大学 1名
  • モスクワ市立教育 1名
  • アストラハン国立大学 1名
  • サンクトペテルブルク国立文化大学 1名
  • キリスト教人文アカデミー(サンクトペテルブルク) 1名
  • ハバロフスク国立経済法律大学 1名
  • 太平洋国立大学(ハバロフスク) 1名
  • イルクーツク国立大学 1名
  • 北東連邦大学(ヤクーツク) 1名
  • ブリヤート国立大学(ウラン・ウデ) 1名
  • 海洋国立大学(ウラジオストク) 1名
  • 極東連邦大学(ウラジオストク) 1名

シラバス・ガイドライン

 ロシアでは日本語教育は東洋学教育に含まれており、教育省の指示に基づきモスクワ国立大学附属アジア・アフリカ諸国大学を中心とした高等教育機関が東洋学教育の全国統一基準を作成している。大学の東洋学専攻における日本語教育の枠組み(時間数等)はそれに基づいているが、シラバスの内容は各大学に任されているため、日本語教育としての統一シラバスは存在していない。初中等教育に関しては、教育省作成の「外国語学習に関するロシア連邦教育スタンダード」というものがあり、日本語も専攻科目、第2選択外国語としてはそれに準ずることになるが、日本語科目としての統一シラバスは存在していない。

評価・試験

 日本語能力試験は日本語学習の到達点を測る基準として一定の評価を受けており、受験者数は毎年増加している。
 試験は次の11か所で実施されている。モスクワ(1998年開始)、ウラジオストク(2001年開始)、ハバロフスク、ユジノサハリンスク、ノボシビルスク(それぞれ2006年開始)、イルクーツク(2007年開始)、サンクトペテルブルグ(2008年開始)、ペルミ(2012年開始)、アストラハン(2014年開始)、ヤクーツク(2018年開始)、カザン(2019年開始)。モスクワ、ウラジオストク、サンクトペテルブルクは年2回の実施である。

日本語教育略史

18世紀 サンクトペテルブルク、イルクーツクで日本語教育開始
1898年 サンクトペテルブルク国立大学東洋学部に日本語学科設立
1899年 東洋学院(現極東連邦大学)設立
日本語教育が開始される
1956年 モスクワ大学附属アジアアフリカ諸国大学の日本語・日本文学学科設立
1998年 モスクワで日本語能力試験開始
2001年 ウラジオストクで日本語能力試験開始
2006年 ハバロフスク、ユジノサハリンスク、ノボシビルスクで日本語能力試験開始
NPO法人シベリア日本語教育協会設立
2007年 イルクーツクで日本語能力試験開始
沿ヴォルガ地方日本語教師会設立
2008年 モスクワ市の初等・中等教育機関への大規模な日本語教育導入、モスクワオープン教育大学で現職日本語教員の研修を目的とした2年間(144時間)のコース開講(現在は閉講)
エカテリンブルグで日本語教師会設立
サンクトペテルブルグで日本語能力試験開始
2009年 シベリア日本語教育シンポジウム開始
2011年 モスクワ市立教育大学でJF日本語教育スタンダードに基づく日本語講座(JF講座)を開設
2012年 ペルミで日本語能力試験開始
2014年 アストラハンで日本語能力試験開始
2018年 ヤクーツクで日本語能力試験開始
2019年 カザンで日本語能力試験開始
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