チュニジア(2020年度)
日本語教育 国・地域別情報
2018年度日本語教育機関調査結果
機関数 | 教師数 | 学習者数※ |
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4 | 6 | 185 |
教育機関の種別 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
初等教育 | 0 | 0.0% |
中等教育 | 0 | 0.0% |
高等教育 | 55 | 29.7% |
学校教育以外 | 130 | 70.3% |
合計 | 185 | 100% |
(注) 2018年度日本語教育機関調査は、2018年5月~2019年3月に国際交流基金が実施した調査です。また、調査対象となった機関の中から、回答のあった機関の結果を取りまとめたものです。そのため、当ページの文中の数値とは異なる場合があります。
日本語教育の実施状況
全体的状況
沿革
チュニジアにおける日本語教育は、1977年にエル・マナール大学ブルギバ現代言語研究所(Institut Bourguiba des Langues Vivantes, Université de Tunis el Manar)(以下、ブルギバ現代言語研究所)へのJICA海外協力隊(日本語教師)派遣によって開始されたが、1993年にJICA海外協力隊派遣は終了し、日本語教育は中止となった。その後、1999年に同研究所でアラビア語を学んでいた日本人留学生が、一般社会人及び学生を対象とした日本語教育を開講した。以降、現在まで継続的に日本人等の教師が日本語を教えている。
ブルギバ現代言語研究所とは別に、2002年にカルタゴ大学外国語研究所(Institut Supérieur des Langues de Tunis, Université de Carthagne)において日本語教育が開始されたが、2008年を最後に資金不足により中断した。以降、現在に至るまで当研究所では日本語教育は開校されていない。なお当研究所も通称ブルギバスクール・シテ・ハドラと呼ばれているが、前述したブルギバ現代言語研究所とは異なる。
背景
チュニジアは伝統的に親日的な国であるが、日本企業や在留邦人の数が少なく、日本語能力が直接学生の就職等に結びつくという環境ではない。フランス語圏に属するチュニジアにおいては、英語を使いこなせる人材の育成が必要不可欠である。
特徴
チュニジアには、在日経験があり比較的高い日本語能力を有する者もいるが、読み書きができる者は極めて少ない。これらの者の中には、継続して日本語を学習したいと希望する者も若干名いるが、中級者以上が学習できる環境は現在のところ整っていない。
最新動向
チュニジアで日本語教育を行っている機関は、ブルギバ現代言語研究所(1977~)である。カルタゴ大学ボルジュ・セドリア先端科学技術学院(Ecole Nationale des Sciences et Technologies Avancées de Borj Cédria(ENSTAB))(1990年代後半~)とエル・マナール大学チュニス国立技術学校(Ecole Nationale d’Ingénieur de Tunis(ENIT))(2014年~)でも日本語教育は行われているが、単位や学位を取得できるものではない。2017年よりエル・マナール大学医学部でも日本語教育が開校されたが、同様に単位や学位を取得できるものではない。このほか2017年より、チュニス市内にある私立のビジネス・スクール(First Leading Consulting)で日本語教育が開校された。
日本語教育に対する要請は多く寄せられているものの、指導が可能な人材の不足から全ての要望には応えられていない状況である
教育段階別の状況
初等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
中等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
高等教育
2000年頃、カルタゴ大学ボルジュ・セドリア先端科学技術学院(ENSTAB)において学生とJICA関係者により日本語教育が開講された。その後紆余曲折を経て、2015年から日本に留学経験のあるチュニジア人教師によって日本語教育が実施されるようになり、2017年からはブルギバ現代言語研究所の卒業生(日本への留学経験なし)が日本語を教えている。
2014年からエル・マナール大学チュニス国立技術学校(ENIT)において、2017年からエル・マナール大学医学部において日本語教育が開講され、日本人講師が教えている。しかしながら、すべての大学における日本語教育は単位や学位を取得できるものではなく、クラブ活動に近い形で実施されている。
学校教育以外
ブルギバ現代言語研究所では、社会人や一般のチュニジア人を対象にした日本語教育が開設されている(大学生も受講できるが、学位の付与はない)。4年終了時に行われる試験の合格者には、ブルギバ現代言語研究所の卒業証明書が授与されるが、国際的な資格として通用するものではない。
2017年10月からチュニス市内にある私立のビジネス・スクール(First Leading Consulting)で日本語教師の資格を有する日本人講師による日本語教育が開講された。
教育制度と外国語教育
教育制度
教育制度
9-4制。
基礎教育(初等学校と下級中等学校に分かれるが、一貫課程)が6歳からの9年間、高校(上級中等学校)が4年間で、そのほかに技術専門学校、職業訓練校などがある。高等教育は大学(3~7年)、高等技術大学(3年)などがある。
16歳までが義務教育。
教育行政
基礎教育、高等学校は教育省の管轄下にある。
大学、高等技術大学は高等教育・学術研究省の管轄下にある。
言語事情
公用語はアラビア語。
フランス語も都市部では一般的に広く使用されている。
外国語教育
通常基礎教育3年生(8歳程度)からフランス語(第一外国語)教育が始まる。
以前は基礎教育4年生(10歳程度)から英語(第二外国語)教育が開始されていたが、現在は、6年生(12歳程度)から開始されるようになっている。
外国語の中での日本語の人気
マンガ、アニメ等の人気の延長として、日本語に関心を持つ若者は増加傾向にある。
大学入試での日本語の扱い
大学入試で日本語は扱われていない。
学習環境
教材
初等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
中等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
高等教育
『みんなの日本語』スリーエーネットワーク(スリーエーネットワーク)を参考としている。(ENSTAB)
『まるごと』(株式会社三修社)を参考としている。(ENIT)
学校教育以外
『みんなの日本語』スリーエーネットワーク(スリーエーネットワーク)を参考としている。(ブルギバ現代言語研究所(2年生から4年生)、First Leading Consulting)
『まるごと』(株式会社三修社)を参考としている。(ブルギバ現代言語研究所(1年生))
IT・視聴覚機材
日本語教育にIT・視聴覚機材は使用していない。
教師
資格要件
初等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
中等教育
日本語教育の実施は確認されていない。
高等教育
資格要件は特にない。
学校教育以外
現地人講師は、日本語または日本文化等の博士号の学位取得が必要(博士号を有していない場合、契約講師として数年は勤務可能)とされているが、職階により資格要件は異なる。日本人講師は、学士号を有していれば、教授が可能。
日本語教師養成機関(プログラム)
日本語教師養成を行っている機関、プログラムはない。
日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割
当地では現在3名の日本人講師が以下の教育機関で雇用されている。
なお、ブルギバ現代言語研究所に所属する2名の講師は、日本語資格を有していない。
教師研修
現職の日本語教師対象の研修はない。
教師会
日本語教育関係のネットワークの状況
日本語教育関係のネットワークはない。
日本語教師派遣情報
国際交流基金からの派遣
国際協力機構(JICA)からの派遣
国際交流基金、JICAからの派遣は行われていない。
その他からの派遣
(情報なし)
シラバス・ガイドライン
統一シラバス、ガイドライン、カリキュラムはない。
評価・試験
日本語能力試験を実施する段階にはないが、学習者のレベルを測るための評価基準は作成している。
日本語教育略史
1977年 | エル・マナール大学ブルギバ現代言語研究所(Institut Bourguiba des Langues Vivantes, Université de Tunis el Manar)でJICA海外協力隊派遣の日本語教師によって日本語教育が開始。1993年7月に協力隊の派遣が終了し、日本語教育も終了。 |
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1999年 | エル・マナール大学ブルギバ現代言語研究所にて日本人留学生による日本語講座(一般社会人対象)が開講 |
2000年頃 | カルタゴ大学ボルジュ・セドリア先端科学技術学院(ENSTAB)で日本語教育が開講 |
2002年頃 | カルタゴ大学外国語研究所(Institut Supérieur des Langues de Tunis, Université de Carthagne)において日本語教育が開講(2017年現代、当研究所において日本語教育は開講していない) |
2004年 | カルタゴ大学環境テクノロジー学研究所にて日本語講座開講(2017年現在は開講していない) |
2014年 | エル・マナール大学チュニス国立技術学校(Eocle Nationale d’Ingénieur de Tunis(ENIT))にて日本語教育開校 |
2017年 | チュニス市内にある私立のビジネス・スクール(First Leading Consulting)にて日本語教育が開講 |
2017年 | エル・マナール大学医学部にて日本語教育が開講 |