米国若手日本語教員(J-LEAP) 10期生 年間報告書
カリフォルニア州イマージョンスクールの日本語を教えるとは違う環境を経験して

バデューゴ・ウッドランズ・エレメンタリー・スクール
杉本 美憂

カリフォルニア州の日本語教育事情と利点

カリフォルニア州は、人口3,935万人(2020年現在)でアメリカでは一番人口が多い州です。面積は424,000平方キロメートルと日本の約1.1倍の大きさで、人口密度が高い州であるということがわかると思います。しかし、人口が多いことによって、さまざまな人種の人間が混在しており、場所によってさまざまな文化を見受けられることができました。

それによって他の文化はもちろん、多くの日本人も在住し日本語教育は他の州に比べると盛んに行われているように実感します。小学校から大学まで州内で日本語学習を行うことができることは特徴の一つであるということができ、学習者は2世・3世が多く、学校行事への日本人保護者のボランティアも多いことから質の高い日本語とのふれあいができていると実感しました。

学校環境と日本語で日本語を教えない環境であるイマ―ジョンの特徴

受入機関であるバデューゴ・ウッドランズ・エレメンタリー・スクールは、幼稚舎から6年生までの学生が通学している学校で、日本語イマ―ジョンを導入しています。わたしも、日本語を教えるというよりは、日本語を使用して算数や理科、社会を教えていました。教師数は、日本語イマ―ジョン各2学年につき日本人教師1名体制で指導しています。学生数は、学年によって差がありますが、平均20名程度でした。

学生はのびのびと日本語を学習できる環境にあります。家庭内で日本語を使用する学習者とそうでない学習者の日本語能力に差はあるものの、それを学生同士がお互いに助け合っている姿が見受けられ、とてもいい環境で勉強できていると感じます。使用教材も各先生によってさまざまですが、各学年の学習指導要領に則って、学習しなければならない項目は必ず学習しているという状況でした。

カリフォルニアという環境×児童生徒の好奇心=最高の日本語教育の場

カリフォルニアは、さまざまな人種の人がいていろいろな文化を理解する姿勢が人々の中で見受けられました。アジア人は、まだまだ少ない人種である中で、日本語/日本文化を受け入れてくれる且、抵抗なく学習しやすい環境ということに関しては、とてもよい環境であると感じます。また、お互いがお互いを尊重しあえている学習環境で、日本語自体の能力を伸ばしていくという環境はとても貴重で、日本人が少ない州ではなかなかできない素敵な環境だと思います。児童ならではの、好奇心と探求心、そしてそれを吸収する力を最大限に活かしてあげられる環境づくりをもっともっと広げられれば、日本語教育により可能性があると感じました。

日本で、日本語を教えるだけではできなかった、児童とのふれあいは大変貴重なものになりました。

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