米国若手日本語教員(J-LEAP) 12期生 総合報告書
ハワイと日本語でつながった2年間

ミッド・パシフィック・インスティテュート
庭山 恵太

日本語・日本文化を楽しく!深く!

ハワイに派遣され、2年目に入り、学校や生活にも慣れ、余裕を持って活動に取り組むことができました。授業は生徒がクラスメートと楽しくも、深く学べるように実施してきました。
生徒が楽しく学ぶために、授業中の練習は色々な難易度や方法を組み合わせ、生徒が飽きないように工夫しました。文化紹介ではできるだけ体験をいれるようにしました。相撲であれば、腕相撲や指相撲をやったり、お正月には、年賀状を日本語学習中のインドネシアやアラスカの高校生と交換したりしました。生徒たちは楽しそうに授業に取り組んでいて、やってよかったと感じました。
そのほかに、生徒が日本語を通して、深く考え、学んでほしいと思い、問いかけたり、考える機会を増やしました。自己紹介ひとつとっても、その目的を問いかけてからおこないました。また「おにぎりアクション」という、SNSにおにぎりの写真をハッシュタグ付きで投稿すると発展途上国に給食が届けられる取り組みに参加しました。このときも、ただ発展途上国に給食が届くというだけでなく、その先にどんな影響があるかを考えてもらいました。
日本語教師として、こういった活動に取り組みながら、私自身も成長することができました。今後も日本語が使えるようになる授業をすることはもちろん、深い学びにもつながるような授業をしていきたいです。

ハワイで日本文化を広める!日本文化サマースクール・カウアイ高校で文化紹介

派遣校外で印象的だった活動が2つあります。1つは日本文化を体験できるサマーキャンプ、もうひとつがカウアイ高校でおこなった日本文化の授業です。
1つ目の日本文化のサマーキャンプは小学生向けのもので、ハワイ日本文化センター(Japan Cultural Center of Hawaii)が実施している5日間のプログラムです。参加した子どもたちはたくさんの日本文化を体験することができます。具体体にはおりがみ、生け花、大福作り、書道、和太鼓、盆踊りなど非常に多岐にわたりました。また、各活動は子ども向けに工夫されており、子どもたちはどの活動にも非常に楽しそうに取り組んでいました。私もこういった活動を日本で子どもたちにしたいと思っていたので、いいロールモデルを見ることができて、勉強になりました。
2つ目のカウアイ高校での日本文化紹介では、カウアイ島で唯一、日本語の授業を実施しているカウアイ高校の日本語のクラスとハワイ語のクラスで日本文化の紹介をしました。カウアイ島のいろいろなところで神社や日本語など日本語文化が根付いていることを感じていたので、島内に住む生徒たちに少しでも日本文化を知ってもらう機会ができてよかったと思っています。

派遣期間を超えても日本とハワイの架け橋に

私は派遣先や地域の日本語教育にさまざまな形で貢献してきました。また、私が派遣された2年間だけでなく、その後にもつながるような活動を心がけてきました。
まず、先に述べたように、派遣校において日本語の授業を通じた貢献ができたと考えています。自分が作成した教材については、今後もリードティーチャーに使ってもらえるよう、丁寧に引き継ぎを行いました。また、日本語の授業以外では、派遣校と日系企業をつなぐことができました。その企業の方とはビーチクリーン活動で知り合いました。その企業の協力で、次の学期に日本人ピアニストが派遣校を訪問し、音楽を通じた交流が行われる予定です。日本語に限らず、日本人と派遣校の生徒がさまざまな形で交流できる機会を作れたことを嬉しく思っています。
地域への貢献としては、既に述べたサマーキャンプで子どもたちに日本文化を教え、ハワイ大学で開催された日本文化クイズ大会の文化体験ブースでボランティアもおこないました。イベント終了後も、関係者や知人と活動を共有し、次の会には多くの人が関われるよう配慮してきました。
ハワイの日本語教育は活発で、活動を通して、私は本当に多くの学びを得ることができました。今後もアメリカ、特にハワイと日本の子どもを繋げられる架け橋になり、恩返しをしていきたいと思っています。

日本で外国につながる子どもも、そうでない子どもも、関わる大人も笑顔に

私はJ-LEAPの経験を活かして、これから日本の中学校で教育に貢献していきたいと考えています。外国につながる子どもへの日本語教育、他の教員へ外国の学校文化を伝える活動、アメリカの学校との交流授業などやりたいことがたくさんできたので、これからひとつずつやっていく予定です。また、今回の派遣で改めて海外で生活する苦労を感じました。いま日本でそういった苦労を感じている外国人保護者にも今まで以上にサポートをしていきたいと思っています。
さらに、将来は地域の子どもの支援団体を立ち上げたいと思っています。今回の派遣で、学校だけでなく、サマーキャンプや地域のスポーツイベントやお祭りにボランティアとして参加し、子どもと関わってきました。そこで、学校ではできない教育がたくさんあると感じました。また地域や企業など子どもたちのために活動したい人が多くいることもわかりました。そういった多くの人を巻き込んで、日本でも自分で団体を立ち上げて、子どもたちを支援したいと考えるようになりました。そこでは、子どもたちはもちろん、それに関わる大人も笑顔になれる活動をやっていきたいです。

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