米国若手日本語教員(J-LEAP) 12期生 年次報告書
【ロスガトスよ!ありガトス!】高羽の J-LEAP 大奮闘記
ロス・ガトス・ハイ・スクール
高羽 洋平
穴場の港町リゾートから大自然まで!カリフォルニア徹底分析!
カリフォルニア州全体の人口は約3,950万人で、米国で最も人口が多い州です。多くが都市部に集中しており、特にロサンゼルス、サンフランシスコ、サンディエゴなどの大都市圏は人口密度が高いです。カリフォルニア州の文化を二言で表すと、「文化的多様性」と「革新性」です。映画産業、音楽産業、テクノロジー企業など、さまざまな産業が栄えている一方で、自然の美しさやアウトドア活動も有名で、ビーチ、ハイキング、自然公園など、いろいろな自然環境が楽しめます。他の州と比べてみても、日本語を第二言語として学習する人々が比較的多いです。都市部では民間の補習校や日本語学校、学習塾も存在しています。また、高校や大学などの公的教育機関にも日本語を学ぶプログラムが多くあります。日本のポップカルチャーや食への関心が高いため、日本語教育の需要は比較的安定している印象です。例えば、私の働く地域の高校では、日本語の基礎から上級までのレベルに応じた授業が提供されています。また、日本語を学ぶためのオンラインリソースやコミュニティも存在し、学習者同士の交流や日本とアメリカの架け橋となるような日本文化イベントも盛んに行われています。生徒の学習目的はさまざまで、一部のアメリカ人は日本語を趣味や気分転換の一環として学んでいますが、他方で、ビジネスやキャリアのために日本語を学び、日本企業や日本との取引関係を持つ企業で働くためのスキルを身につけたいと考えている人もいます。
山に囲まれた高級住宅街。ロスガトスってどんなとこ?
ロスガトス高校は、大学進学コース、APクラス、ESLなど、幅広いプログラムを提供しています。将来の大学進学やキャリアに備えるために生徒に寄り添ったカリキュラムを提供することに焦点を当てています。フットボールは公立高校の中ではトップクラスの強豪校で、多くのサポーターが彼らを応援しています。ロスガトスは、カリフォルニア州のベイエリアに位置し、美しい自然環境があります。街の周りには山々や森林が広がり、ハイキングや自然散策を楽しむことができます。近くにはサンタクルーズやシエラネバダなど美しい自然の景色も多いです。ダウンタウンには歴史的な建物やショップ、レストランがあり、散策するだけでも楽しいでしょう。多くの人は「一度ロスガトスに住めば、もうそれ以外の場所に引っ越すことができないくらい魅力的な街だよ。」と言っています。ロスガトス高校は生徒の数約2,100人、教師の数約100人。生徒は、学業やスポーツ、芸術など、自分の興味や目標に向かって熱心に取り組む傾向があります。ベイエリアでの高校・大学では充実した日本語及び日本研究プログラムが設けられています。ロスガトス高校にも日系アメリカ人が多く見られ、彼らの中には、週末に運営される補習校や日本語学校に通っている生徒も多いです。サンノゼ日本町では、日本文化を紹介するイベントやワークショップも、日本語教育の一環として頻繁に開催されています。これらのイベントは、日本文化に興味がある人々だけでなく、日本にルーツのない地元住民にとっても日本文化に触れる貴重な機会を提供しています。
【夏だ!祭りだ!日本語だ!】Haiku Film Festival を成功させろ!
私が一番印象に残っているのはJNHS(Japanese National Honors Society) のクラブ活動及びHaiku Holiday Film Festivalです。JNHSでは毎週ミーティングを行い、地域で日本文化を広めるために、生徒が主体となって活動しています。私は彼らの自主的な活動をとても尊敬しています。私の役割としては、何か困った時や行き詰まった時に少しアドバイスをしてあげるくらいで、基本的には生徒たちがPDCAを繰り返し、活動を活性化させるように努めています。JNHSではFund Raising や運動会、ゲームナイトなどいろいろなイベントを企画し、日本語の授業を受けていない生徒も多く参加してくれています。JNHSの活動で最も印象的だったのはHaiku Holiday Film Festivalです。これは何年も続く歴史あるイベントで、日本文化の素晴らしさを多くの人に知ってもらうために学校内で開かれるお祭りのようなものです。生徒と私とLTで協力して、出店者を募ったり、和太鼓のパフォーマーにオファーしたり、当日流す映画の準備をしたりとやることは多かったですが、文化祭の準備みたいで、青春時代に戻ったような感覚がして楽しかったです。当日は生徒だけでなく、保護者や地元住民も多く参加してくれて、楽しんでいる様子がとても印象的でした。
高羽。1年を振り返る。そして、2年目の目標はこれだ。
1年を通じて、特にカリフォルニア州は、その文化の多様性を強く感じました。カリフォルニアの多様性は、私に新しい視点や経験を得る機会を与えてくれて、他者への理解を豊かにすると同時に、協力や英語での対話の重要性を再認識させされました。アメリカ生活の一年を通して、さまざまな挑戦がありました。運転免許やLTとのコミュニケーション、家の引越しや銀行口座の開設など、言語や習慣の違いに関して、始めは不慣れな部分も多かったですが、それらを乗り越える過程で成長することができたと感じます。困難な状況に直面したときに自己を奮い立たせ、自分の素晴らしい個性を忘れないことの重要性を学びました。カリフォルニア州は、チャンスや可能性が豊富な場所であるということを強く感じています。特にシリコンバレーでは、スタートアップや新規事業開拓を目指すビジネスパーソンが多く、創業精神が根強く、新しいアイデアや技術の実現が歓迎される印象があります。単刀直入にいうと、ここでの生活は、今後起業にも興味がある自分にとって、目標を追求し、自己実現するための多くの機会を提供してくれていると考えています。このような環境の中で、自分の才能や情熱を追求することができる喜びを強く感じています。
2年目の目標としては、まずは生徒とのコミュニケーションが円滑に進むよう、日本語と英語の両方での表現力を向上させたいです。特にJ1レベルなどの初級学習者向けにわかりやすい説明ができるよう、22年目も頑張っていきたいと思っています。二つ目の目標としては、新しい教材やアクティビティを導入し、授業の多様性を増やしたいです。1年目の経験を踏まえて、カリキュラムを改善し、生徒のニーズや興味に合わせて内容を調整し、2年目はより効果的な学習環境を提供していきたいです。