アイナハイナ小学校で学んだ2年間

アイナ・ハイナ・エレメンタリー・スクール
宮田 ゆう子

ATとしての役割

授業に関してのアシスタントティーチャー(以下、AT)の私の役割は、授業で使う物の準備、テストの採点、リードティーチャー(以下、LT)の先生が前で教えている間クラスを歩いて回り、理解できていない又は後れを取っている生徒の補助でした。LTの先生は1年生から5年生まで全クラスを1人で教える大変お忙しい先生でしたので、まずは基本的な雑務、授業準備をすることで先生のお手伝いができていたと思っています。授業自体に貢献できたこととしては、やはり1クラス30人ほどなので、高学年になればなるほど授業中質問しづらくなることが見てとれます。私がいることで授業中クラスを回り、理解できていない生徒や後れを取っている生徒を見つけて教えることが出来たこと、また、会話テストの練習や欠席した生徒と前授業の復習などを、LTの先生が授業を行っている間に出来たこと、そういった毎日の小さなことで生徒とより距離が近づき、自分自身のやりがいにも繋がりました。

授業以外に参加していたことは

LTの先生が学校で個人運営されている放課後の日本語プログラム6クラス(1日1~2クラス)の学生情報管理、各クラスの授業アシスタント、内1クラスの授業準備、宿題チェック、授業半分(30分:新漢字導入、ゲーム)の担当、“Heart Time”、遠足の同行、5年生Show Caseのアドバイザー、ハロウィンやブックフェアなどイベントのボランティアでした。
放課後の日本語プログラムは、モチベーションの高い生徒が多く、1クラス10人前後と少数だったのでより距離が近く、各クラス最後の発表会は、子どもたちの成長が見れたことと会えなくなる寂しさで涙が出ました。

食を通して文化交流

私は派遣先以外でのイベントなどにはあまり参加することができませんでした。個人的には2年目から、派遣先のイベントのボランティアで一緒になり仲良くなった同じ学校の先生に誘って頂き、ほぼ毎週月曜日に行われていたハワイの様々な小学校の教員(20代後半から40代)が参加しているポットラックパーティーによく参加していました。普段、学校では先生たちも忙しく私も自分の仕事に精一杯でしたので、同じ学校の先生とゆっくり話ができ、また別の小学校のお話を聞くことが出来る時間はとても貴重でした。日本人の参加者はほぼ毎回私1人だったので、いつも何か「日本食」(豚の生姜焼き、肉じゃが、筑前煮、豚汁、お好み焼き、大根サラダ、漬物など)を持っていくようにしていたのですが、私の心配をよそに本当にみんな気に入ってくださっていました。いつも料理の質問から話題は日本のさまざまな文化に広がっていき、普段街やテレビで見聞きする日本の物やお店や情報で気になっていることなどをよく聞かれました。私もまた、その集まりで日本の話をしているうちに日本独特の文化に気づかされたり、ふとアメリカはどうだろう?と気になり聞いてみたりと、アメリカと日本を知り、考えるとても有意義な時間だったと思います。

これからプログラムに参加される方へ

アシスタント・ティーチャーというポジションの中で、自分に求められていることを達成していくことはもちろん大切で大変だと思いますが、その上で、自分自身の目標や自分自身のやりがいをしっかり持ち、派遣先外も含め積極的に前に出て欲しいと思います。そして仕事以外でも、恐れないで何にでもチャレンジしてほしいと思います。
私は今回初めて、小さい子供たちと長い時間を共にし、彼ら彼女らから本当に多くのことを学びました。このプログラムに参加する前には、韓国で自分のお金を払い、自分の意志で日本語を習っている大人に日本語を教えていました。そこからアメリカの小学校の必修授業という世界に入り、「日本語を習いたい」と言ってもらえることがどれだけありがたいことなのか、痛感しました。そんな思いや経験を活かして、今後はまた日本語学習者が減少傾向にある韓国に戻り、少しでも多くの人に日本や日本語を好きになってもらいたいと考えています。

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