ミネソタでの2年間

サウスウェスト・ハイ・スクール
多胡 夏純

毎日の業務

アシスタントティーチャー(以下、AT)として担当した毎日の主な業務は、宿題の確認や成績入力、授業のPPTのアップロードなどはもちろんのこと、日本語1・2・3のレベルの授業のリードをしました。リードティーチャー(以下、LT)に日々相談にのっていただき、様々なアクティビティやプロジェクトに取り組むことができました。また金曜は文化の日として、LTと一緒に書道や墨絵、茶道、盆踊り、豆まきなどを行いました。普段、日本文化に触れる機会が少ない生徒たちにとって、紹介するもの全てが新鮮でとても生き生きと参加してくれたように思います。放課後は生徒の補習に付き合ったり、日本文化クラブに参加したりし、タレントフェスティバルでは生徒と一緒にダンスを披露したりしました。他にもLTは年にたくさんのイベントを用意していて、そのサポートに徹しました。中でも日本からの語学研修の受け入れを行う際、計画や手配、引率に関わらせていただき、とても貴重な経験をさせていただきました。日々、たくさんの業務がある中で、それぞれの業務に対して手を抜くことなく、準備を徹底するLTからは多くのことを学ばせていただき、ただただ感謝の2年間でした。

受入機関外では

合計20以上のイベントに参加させていただきました。まず他校は8校訪問し、日本文化の紹介を行いました。何度かお邪魔させていただいた学校では生徒も顔を覚えてくれて、とてもうれしかったです。また高校説明会では私も訪問した中学校の生徒の顔を覚えていたので、話しかけることができ、保護者の方も含めて日本語のクラスをアピールすることができたように思います。またイベントの手伝いでは、各地の書道や折り紙等のブースの手伝いをしたり着付けボランティアに参加したりしました。夏はバージニア州で開催されているJapanese Governor’s Academyに参加させていただきました。3週間のパーシャルイマージョンキャンプで、親と離れ、日本語と毎日真摯に向かい合う生徒たちの成長ぶりには圧倒されました。
2年目からは夜、地域の大人の方向けの文化クラスを開設しました。日本語、その日の文化についての歴史的背景、文化体験という流れで行い、風呂敷や墨絵、水引、和菓子等、色々な日本文化に挑戦していただきました。とても意欲的で、特に折り紙の日に箸置きを作ったことで、ミネソタにある日本食屋へ行ったときには、実際にお店で箸置きを作ってくれたと聞き、嬉しかったです。

私にできること

2年半前、このプログラムの応募書類に書いたように、私にできることは日本語・日本文化を伝えることだと思っています。この2年間合計50以上のイベントに参加してきました。日本人としてイベントに参加することで、日本、日本人、日本文化についてたくさんの方に伝えられたのではないかと思います。私は相手に興味をもってもらう、知ってもらう、それが交流の一歩であると信じています。知っているから、興味があるから、日本に旅行に行ってみよう、日本語を勉強してみよう、という流れにつながる可能性が高いのではないでしょうか。
またこの2年、日米のつながりのきっかけを与えるのも教員ができることの一つだと再確認しました。受入機関では3つの高校・大学から語学研修・授業見学を受け入れ、こちらからも毎年生徒が日本へ旅行・留学していますし、姉妹校と年賀状を交換、グローバルクラスメートというものを利用して、他の高校とSchoology上で交流しています。これらすべてを実行するには本当に時間と手間がかかりますし、スムーズに生徒同士が交流できるように準備するのは大変ですが、教員として日米間の若者交流に寄与できることなのかな、と思いました。そして私も一教員として少しは寄与できたのではないかなと思います。

任期を終えて

色々なことに日々挑戦し、学び、駆け抜けた2年間だったと思います。LTは新しいアイディアを歓迎してくださる方で、毎日のように何かについて話し合い、色々なことに取り組ませていただき、実践で積める経験値の高さを再実感しました。また人とのつながり、温もりを感じた2年でした。LTはもちろんのこと、他校の先生方のおかげで他校訪問や色々なイベント参加のきっかけができました。またそのイベントで出会った方たちともつながりができ、最終的には本当にたくさんのイベント手伝いのお話をいただけるようになりました。派遣先でも私を一教員として扱ってくださいましたし、教員全体会ではたくさんのお褒めの言葉をいただくことができ、サウスウェスト高校で働くことができて本当に良かったと思いました。派遣先の生徒も時々似顔絵や手紙をくれたり、帰国前には様々なプレゼントを用意してくれていました。1年目に教えていた高校の生徒達も私の帰国を知り、かけつけてくれたり、連絡をくれたりしましたし、近所の方たちも皆会いに来てくれ、ミネソタの人柄の良さを改めて実感できたとともに、本当に感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。これからもこのプログラムでの経験を大切に、日本語教育の仕事に携わることができればと思います。次に派遣される方々も日々挑戦することを恐れず、人とのつながりを大切にしていってもらえたらと思います。
ミネソタに派遣していただき、そして貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。

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