海外日本語教育機関支援(助成)

国際交流基金(JF)は、海外の日本語教育機関・団体が実施する日本語教師・学習者を対象とした日本語普及・日本語教育活動の実施経費の一部を助成しています。

「海外日本語教育機関支援(助成)」の対象は、カンボジア、ラオス、ロシア及びJF海外事務所の所在しない国・地域の機関で、以下の6タイプに分かれています。

詳細は「公募プログラムガイドライン」のページをご覧ください。

なお、JF海外事務所所在国(カンボジア、ラオス、ロシアを除く)においては、当該国のJF海外事務所が、さまざまな支援を行っていますので、詳細はJF海外事務所へお問い合わせください。

1. 学習者奨励活動助成

弁論大会、発表会、ディベート大会等、学習者の動機付けや、周囲の日本語教育への関心を喚起することを目的とした催しの実施経費の一部を助成します。

事例

ネパール:ネパール日本語教師会(さくらネットワークメンバー)「第43回全ネパール日本語弁論大会」(2023年度)

第43回全ネパール日本語弁論大会で女性1名がスピーチをしている画像 日本語学校や日本語学科のない大学に所属する学習者が成果を披露する日本語弁論大会の実施経費の一部を助成しました。当日は200人以上の観客が集まるなど、ネパール全国の日本語学習者が目指す場となっています。

モロッコ:モロッコ日本語文化協会「第22回スピーチコンテスト」(2023年度)

モロッコ日本語文化協会第22回スピーチコンテストにて参加者全員が集合している画像 コロナ禍の影響を受けて中止が続いていたスピーチコンテストが再開され、助成しました。この大会では、中東・北アフリカ地域を中心とする他国からもオンラインで傍聴者を受け入れ、広域にわたって発表者の成果を発信しました。

2. 給与助成

日本語講座を実施する際の日本語講師の給与や、日本語教育機関のネットワーク強化に資する活動(教師会活動等)を行う際の事務スタッフの給与の一部について、原則3年間(36か月間)を上限として助成します。ただし、近い将来自立の見通しのあるものに限ります。

事例

ポルトガル:ミーニョ大学(2022年度)

ポルトガルミーニョ大学の教室で日本語教師が生徒たちに授業をしている画像 日本語講師の給与の一部を助成しました。それまで中国語と日本語の並行学習が必要でしたが、本助成が一助となり、2023年9月から新たに日本語専攻課程が開始されています。

3. 教材購入助成

日本語講座で必要とする教材・副教材(電子書籍を含む)の購入に係る経費の一部を助成します。ただし、生徒に供与する教科書等は対象外です。

事例

パキスタン:パキスタン国立現代語大学(さくらネットワークメンバー)(2023年度)

パキスタン国立現代語大学にて多数の学生が日本語教材を持って写っている画像 これまで大学内でほとんど提供できずにいた中級以上の日本語教材や、学生の専門性に合った用語辞典を本助成で購入し、図書館に配架し日本語授業で活用することで、より幅広い日本語学習者の支援に繋がりました。

4. 会議助成

日本語教師を対象としたセミナー、ワークショップ、シンポジウム、研修会等会議の開催経費の一部を助成します。

事例

トルコ:チャナッカレ・オンセキズ・マルト大学「バルカン半島日本語・日本文化サマーキャンプ」(2023年度)

バルカン半島日本語・日本文化サマーキャンプの参加者が多数集まって写っている画像 バルカン地域6か国の教師・学生らが参加する日本語・日本文化サマーキャンプが初めてトルコで開催されるにあたり、費用の一部(渡航費・滞在費など)を助成しました。言語レベルや学習意欲の向上、ネットワーキングの機会となっただけでなく、日本語を介して相互理解が深まる契機となりました。

5. 教材制作助成

カリキュラムやニーズに合った教材の制作・出版に係る経費の一部を助成します。

事例

リトアニア:ヴィータウタス・マグヌス大学(さくらネットワークメンバー)「リトアニアにおける観光日本語の教科書作成」(2020年度)

リトアニア人向けの観光日本語教科書の表紙の画像 リトアニアにおける日本語ツアーガイド育成のための、観光日本語教科書制作費用の一部を助成しました。
ガイドとしての技能と中級者向けの日本語技能を一つにまとめた本教材は、リトアニアのツアーガイドだけでなく、一般の日本語学習者や日本語指導者にとっても実用的なものになり、さまざまな場面で活用されることが期待されています。

バングラデシュ:バングラデシュ日本語教師会(さくらネットワークメンバー)(2022年度)

バングラデシュ人日本語学習者のためのケース教材の表紙の画像 バングラデシュで初めてとなる就労目的で日本語を学ぶ中・上級レベルの学習者向け「ケース教材」の制作費用の一部を助成しました。就労者が日本で実際に経験したエピソードに基づき制作された本教材は、出版直後にダッカ大学日本言語文化学科で使用され、異文化理解能力向上のために活用されています。

6. 自由企画事業

申請機関・団体が企画する日本語教育の推進や日本語教師の養成等に必要な事業の実施経費の一部を助成します。

事例

ボリビア:ボリビア日本語教育研究委員会「2023年度ボ日研日本語教師養成講座」(2023年度)

ボリビアの日本語教師養成のオンライン講座で生徒が写っている画像 日本語教師を育成することで教師不足を解消し、継承日本語教育の充実とボリビアでの日本語教育の普及を目的として、初級教授法基礎習得のための講座を実施し、JFは講師謝金を助成しました。これにより、教師の仕事に興味を持つ人材が見つかったとのことです。

カンボジア:非営利活動法人メコンカンボジアジャパン「地方の公立高校等での日本語普及活動」(2023年度)

カンボジアの公立高校の教室で日本語授業を受けている複数人の生徒たちの画像 カンボジアの地方の公立高校での日本語ボランティア講座の実施に必要な経費(講師謝金・交通費など)を助成しました。この事業でカンボジアでの日本語・日本文化の普及が進んできています。卒業生の中にはカンボジアの大学の日本語学科に進学、日本の専門学校へ留学、特定技能資格での就労等、引き続き日本に関係ある分野に進む学生が増えていて、日本とカンボジアの橋渡しとなる人材が育ってきています。

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