国際交流の夕べ 能と狂言の会 2019
国際交流基金(ジャパンファウンデーション)京都支部では、海外からの留学生や研究者など、外国人の方々に日本の文化にふれていただくことを目的として「能と狂言の会」を開催します。
日時 | 2019年11月26日(火曜日)18時開場 18時30分開演 |
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場所 | 金剛能楽堂(京都市上京区烏丸通中立売上ル) 電話:075-441-7222 ※公演ポスター・チラシはこちらからご覧頂けます。 国際交流の夕べ 能と狂言の会【PDF:507KB】 |
演者・演目 | 狂言/茂山 七五三 師「蚊相撲(かずもう)」 能/金剛 永謹 師「綾鼓(あやのつづみ)」 |
主催 | 国際交流基金(ジャパンファウンデーション)京都支部 国際交流基金(ジャパンファウンデーション)関西国際センター |
協力 | 公益財団法人 金剛能楽堂財団 |
後援 | 京都府、京都市、京都市観光協会、京都新聞、京都市芸術文化協会 |
入場料 (全席自由席) |
一般/3,500円 学生/2,000円 ※団体割引(20名様以上):10%Off |
チケット販売先 | 金剛能楽堂、国際交流基金京都支部 ※9月20日発売開始 |
演目紹介
狂言 「蚊相撲(かずもう)」大蔵・和泉

【鑑賞】
大名は相撲取り(和泉は新しい召使)を召し抱えるため、太郎冠者を海道へ探しにやる。江州守山の蚊の精が人間の姿となり人の血を吸おうと通りかかり、冠者は知らずに連れて帰る。大名は新参者の相撲を見たいと思い、だれもいないのでやむなく自身で相手をし蚊にさされて目をまわす。次の勝負で正体を察した大名は、冠者に扇であおがせ蚊の動きを封じ、くちばしを引き抜く。和泉流は自身で団扇であおぎいったんは勝つが、結局蚊に投げれらる。
大名と蚊の精の相撲という愉快な構想の人気曲。蚊の扮装と動きが、蚊の特徴、しつこい習性を様式的に表していて秀逸。
大谷 准
<『新版 能・狂言事典』(平凡社 2011年)より>
能 「綾鼓(あやのつづみ)」宝生・金剛・喜多

【鑑賞】
女御の姿を見て恋に落ちいった庭掃きの老人に、廷臣が女御の言葉を伝える。それは、池辺の木に掛けた鼓(舞台の正先に桂の木の立木の作り物が出され、鼓が掛けられている)を打って、その音が御殿に聞こえたら会ってやろうというのである。老人はその鼓を見つめ、鼓を打って音が出るならば、そのときこそ恋心の乱れを静めることができるのだと、思いをこめて打つが鼓は鳴らない(<クセ>)。鼓は綾を張ったものなので鳴らないのは当然なのだった。なぶられたと知った老人は池に身を投げて恨み死する(中入)。従者から知らせを聞いた廷臣は、たたりを恐れ、女御に子細を告げて池のほとりに姿を見せるように勧める。池に近づいた女御がうつつない様子となるところへ、老人の怨霊が髪を振り乱し、すさまじい形相で現れ、女御を責めさいなみ、恨みを残したまま再び池の中へ消えていく(<中ノリ地>)。
荻原 達子
<『新版 能・狂言事典』(平凡社 2011年)より>
出演者プロフィール
狂言師 茂山 七五三 師

1947年四世茂山千作の次男として生まれる。本名は眞吾。
4才の時「業平餅」の子方にて初舞台以来、「三番三」「釣狐」「花子」「狸腹鼓」などを次々と披く。1976年「花形狂言会」発足。自分達の活動の拠点として古典は勿論のこと秘曲の復曲、新作狂言の上演等も積極的に行う。日本の伝統芸能である狂言を海外に紹介する活動にも積極的に参加。2000年にはパリの俳優術研修所(ARTA)に招かれ、ワークショップを行う。チェコ共和国において「七五三(なごみ)の会」発足。また名張子供狂言の会において指導するなど、指導者としても活躍している。
1995年二世茂山七五三襲名。2011年『京都市文化功労者』受賞。
ご出演予定でした大蔵流狂言師 茂山千作師 におかれましては、2019年9月21日にご逝去されました。
ご生前のご功績を偲び、心からご冥福をお祈り申し上げます。
11月26日は、大蔵流狂言師 茂山七五三師 が代わりにご出演下さることになっております。
能楽師 金剛 永謹 師

1951年、二十五世宗家金剛巌の長男として京都に生まれる。幼少より、父・金剛巌に師事。
1998年9月能楽金剛流二十六世宗家を継承する。2003年5月金剛能楽堂を京都御所の西向かいに移転、竣工。重要無形文化財総合指定保持者。
「舞金剛」と呼ばれる華麗で躍動感溢れる金剛流独特の芸風に、「京金剛」といわれる優美で雅やかさが加わった芸風を特徴とし、シテ方五流宗家の中で唯一関西を本拠地とする。
金剛流第一回の海外公演であるカナダ・アメリカ公演団長を皮切りに、イタリア、フランス、スペイン、ポルトガル、ロシアなどでの海外公演も多数行う。
京都市芸術新人賞、京都府文化賞新人賞、京都府文化賞功労賞受賞。京都市文化功労者表彰。第67回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。2018年紫綬褒章受章。
公益財団法人金剛能楽堂財団理事長。金剛会理事長。社団法人日本能楽会常務理事。
京都市立芸術大学客員教授。
[お問い合わせ]
国際交流基金京都支部
電話:075-762-1136
〒606-8436 京都市左京区粟田口鳥居町2番地の1 京都市国際交流会館3階