国際交流の夕べ-能と狂言の会2025
国際交流基金(JF)京都支部では、海外からの留学生や外国人の方々、JFのフェロー、JF関西国際センター研修生に、日本の伝統文化にふれていただく機会を提供することを目的として、毎年秋に「国際交流の夕べ-能と狂言の会」を開催しています。
日時 | 2025年11月21日(金曜日)18時開場 18時30分開演 |
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場所 | 金剛能楽堂(京都市上京区烏丸通中立売上ル) 電話:075-441-7222 ※公演チラシは下記よりご覧いただけます。 国際交流の夕べ-能と狂言の会2025チラシ【PDF:17MB】 |
演者・演目 | 狂言/大蔵流 茂山 千五郎 師 『縄綯(なわない)』 能/金剛流 金剛 永謹 師『土蜘蛛(つちぐも)』 |
主催 | 国際交流基金(JF)京都支部 国際交流基金(JF)関西国際センター |
協力 | 公益財団法人 金剛能楽堂財団 有限会社茂山狂言会 立命館大学アート・リサーチセンター |
後援 | 京都府、京都市、公益社団法人京都市観光協会、京都新聞、公益財団法人京都市芸術文化協会 |
入場料 (全席自由席) |
一般/3,500円 学生/2,000円 |
チケット販売 | 金剛能楽堂(窓口にて販売) 国際交流基金(JF)京都支部(事務所にて販売/電話予約) ※9月19日(金曜日)発売開始 |
演目紹介
狂言『縄綯(なわない)』

博奕に大負けした主人が、太郎冠者を借金のかたにとられることになります。事情も伝えられずに博奕相手の何某のもとへ向かった太郎冠者、真相を知ってつむじを曲げ、命じられた仕事をまったくやろうとしません。怒った何某は主人に文句をつけ、主人は一旦太郎冠者を帰宅させて本当の働きぶりを見せることにします。主人のもとへ帰れると聞いた太郎冠者は大喜びで帰宅し、主人に命じられるままに縄を綯います。縄を綯いながら、喜々として何某の家の悪口をしゃべる太郎冠者。その間に縄の端を持っていた主人が何某に入れ替わるのにも気づかず…。
太郎冠者が縄を綯いながら身振りや物真似をまじえて話をする部分がシテの独演となっていて見どころです。
<狂言とは>
狂言とは、室町時代に能と共に形成された滑稽なお芝居です。平安時代末期から日本各地で起こった「猿楽」が元になっております。その後、能と狂言を合わせて「能楽」と呼ばれるようになります。能が悲劇的な歌舞劇なのに対し、狂言は喜劇的なセリフ劇です。観て笑って楽しむ芸能で、観客に緊張を与える能の間で、まるでサーカスの道化師のような役割を担ってきました。また生活の中の失敗談であったり、夫婦喧嘩を笑ってみたりと、現代でも変わらないものが笑いのテーマになっています。昔から伝わる普遍的な笑いの芸能が狂言なのです。
能『土蜘蛛(つちぐも)』

室町期に観阿弥と世阿弥の親子によって輪郭がほとんど完成された能は、一人の主人公(シテ)に焦点を当て、その微妙な感情を表現しています。しかし、その後、色々な変化ある作品が作られ、この「土蜘蛛」は非常にスペクタクルな演出のある作品になっています。
源頼光(平安中期の武将)が病に臥せていました。そこへ、侍女である胡蝶が薬を持って見舞いに来て、病のために気弱になっている頼光を慰めて退出します。家来も病室から退出して誰もいなくなった夜更け、僧形の妖怪(シテ)が現れ頼光の病状を問います。怪しんだ頼光が名を尋ねると古歌を並べ、「病は自分のせいだ」と言い、妖怪は千筋の糸を投げます。頼光は枕元の刀(膝丸)を取って切りつけるが妖怪はいつしか姿を消します。物音に驚いて駆けつけた剛健な武者(ワキ)に今の出来事を述べると、武者は妖怪である蜘蛛の化生を退治するために流れた血の跡をたどって退治に出かけます。
武者の下人がことの次第を語った後、場面は古塚の場所に代わります。武者達が古塚の前に立ち、塚を突き崩すと、中から土蜘蛛の精(シテ)が現れ、千筋の糸を投げかけ武者達を悩ましますが、最後には切り伏せられて終演です。
<能とは>
能は室町時代に観阿弥と世阿弥親子によって大成し、現在まで何度も繰り返し演じられる舞台芸能です。仮面劇ですが、登場人物の全てでなく、主役(シテ)とそれに準ずる人(ツレ)だけがつけます。主役が仮面をつけない場合も、仮面をつけているように無表情です。能舞台には他の演劇の背景や道具類のような物はありません。時々、何かを象徴するような簡単な作り物が出されます。仮面や簡単な作り物、更に演目の中心の舞は観能者に想像力で能の世界に浸りこませる要素です。能には対話劇は少なく、一人の主人公に焦点を当てます(詩劇的)。源流が宗教儀式でしたので、それらは神能(脇能)として能の演目の一つのジャンルになっています。また仏教の影響で戦いに携わった者が修羅の世界に堕ちて苦しむ修羅能、王朝文芸のヒロインなどが登場する鬘物(世阿弥が志向した「幽玄」の世界)、雑能、切能(鬼能)を加えた五つのジャンルが演目にはあります。
出演者プロフィール
狂言師 茂山 千五郎 師

1972年、五世茂山千作の長男として生まれる。本名は正邦。
3歳の時『以呂波』のシテにて初舞台。過去には「花形狂言会」「狂言小劇場」「TOPPA!」「心味の会」を主宰し、狂言のみならず能楽のファン開拓にも力を注ぐ。現在は「茂山狂言会」HANAGATA改め「Cutting Edge KYOGEN」弟茂との兄弟会「傅之会」落語家桂よね吉との二人会「笑えない会」を主宰し、幅広い年代層へ狂言の魅力を伝える。また上海京劇院・厳慶谷や川劇変面王・姜鵬とのコラボ公演など、他ジャンルとの共演も精力的に行う。2016年十四世茂山千五郎を襲名。2005年文化庁芸術祭賞新人賞、2008年京都府文化賞奨励賞受賞。2025年京都府文化賞功労賞受賞。
能楽師 金剛 永謹 師

1951年、二十五世宗家金剛巌の長男として京都に生まれる。幼少より、父・金剛巌に師事。
1998年9月能楽金剛流二十六世宗家を継承する。2003年5月金剛能楽堂を京都御所の西向かいに移転、竣工。
「舞金剛」と呼ばれる華麗で躍動感溢れる金剛流独特の芸風に、「京金剛」といわれる優美で雅やかさが加わった芸風を特徴とし、シテ方五流宗家の中で唯一関西を本拠地とする。
金剛流第一回の海外公演であるカナダ・アメリカ公演団長を皮切りに、イタリア、フランス、スペイン、ポルトガル、ロシアなどでの海外公演も多数行う。
京都市芸術新人賞、京都府文化賞新人賞、京都府文化賞功労賞受賞。京都市文化功労者表彰。第67回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。2018年紫綬褒章受章。2023年(令和4年度)恩賜賞・日本芸術院賞受賞。2023年重要無形文化財「能楽」各個指定保持者(人間国宝)認定。フランス芸術文化勲章オフィシエ受章。
公益財団法人金剛能楽堂財団理事長。一般社団法人日本能楽会会長。一般社団法人金剛能楽会代表理事。一般社団法人金剛会代表理事。京都市立芸術大学客員教授。
著書に『金剛家の面』、『金剛宗家の能面と能装束』がある。
[お問い合わせ]
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電話:075-762-1136
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