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「いろどり日本語オンラインコース」初級1(A2)を開講しました!
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- このコーナーでは、国際交流基金の行う日本語教育事業の中から、海外の日本語教育関係者から関心の高いことがらについて最新情報を紹介します。
2021年6月
国際交流基金関西国際センター
「いろどり日本語オンラインコース」は、日本で生活や仕事をする際に必要となる基礎的な日本語のコミュニケーション力を身につけるための日本語コースブック『いろどり 生活の日本語』をオンラインコース化したものです。だれでも無料で登録して受講できます。スマートフォン、パソコン、タブレットで利用することができるので、隙間時間を利用して、いつでも、どこでも日本語の学習をすることができます。
今回は、そんな「いろどり日本語オンラインコース」(以下、いろどりコース)の特徴、使い方を紹介していきます。
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いろどりコースの特徴
- 無料でユーザー登録、コースの受講を行うことができます。
- 日本の生活場面で必要となる日本語を、動画、豊富なイラストや音声などを使って学ぶことができます。
- スマートフォン、パソコン、タブレットで受講できるので、隙間時間を利用した学習にもおすすめです。
コースコンテンツ
いろどりコースは、大きく「学習コンテンツ」と「練習コンテンツ」の2つのコンテンツで構成されています。そのほかに、自学自習をサポートする「サポートコンテンツ」や、学習の進み具合を確認したり学習の成果を見たりすることができる「マイページ」などもあります。
学習コンテンツをすべて学習し終わると、テストが受験できるようになります。そのテストで80点以上取れば、修了証が発行されます。
コースの「使い方」ページ
学習コンテンツ
学習コンテンツは、『いろどり 生活の日本語』のシラバスをもとに、Can-do目標に沿って日本語を学ぶコンテンツです。日本での生活場面で求められる基礎的な日本語コミュニケーション力を身につけることができます。学習は、Can-doごとにSTEP1~STEP6の順にすすんでいきます。
- STEP1 目標を知る・準備
- トピック、目標Can-do、場面を確認します
- STEP2 ことばの準備
- Can-do達成に必要なことばの音声を聞いて、言う練習をします
- STEP3 聞く/読む・気づく
- 会話を聞いたり、SNSの投稿や掲示などの素材を読んだりして、内容を理解し、表現や文型に注目します
- STEP4 使ってみる
- 動画の登場人物になりきって話す練習をしたり、SNSの投稿などを書いてみたりします
- STEP5 まとめ
- クイズで、課の学習をふりかえります
- STEP6 Can-doチェック
- 目標Can-doができたかどうか、チェックします
学習コンテンツでは、日本の生活を舞台にした、いろどりコースオリジナルのドラマ動画を見ることができます。STEP1では動画で場面を確認したり、STEP4では、動画の登場人物になりきって話す練習をしたりすることで、日本での生活をイメージしながら学習することができます。
STEP3
練習コンテンツ
練習コンテンツは、いろどりコースオリジナルのコンテンツで、学習コンテンツで学んだ「ことば」「漢字」「文法」「表現」の練習ができます。フラッシュカード、タイピング、選択問題など、それぞれのカテゴリーで練習方法も選べるようになっているので、「もっと練習したい」「自信がない」と思ったところを重点的に練習することができます。一度練習したあとは、前回間違えた問題だけを選んで練習することもできます。
◆ことば
◆漢字
◆文法
◆表現
「練習コンテンツ」の内容は、Androidのアプリ「いろどり 練習」になっています。スマートフォンにアプリをダウンロードすれば、オフラインで学習できるようになるので、インターネットが不安定な環境でもストレスなくサクサク練習することができます。
Androidアプリ
「いろどり 練習」
アプリトップ画面
「いろどり 練習」の
インストールページ
学習サポートコンテンツ
オンラインコースでは、教室とは違い、わからないことがあったときにすぐに質問できる人がいるとは限りません。自分で学習をすすめることに不安になる人もいるかもしれません。いろどりコースでは、自分でことばを調べてみたり、文法資料などを参照したりすることができるように、さまざまな学習サポートコンテンツを用意しています。これらの学習サポートコンテンツを活用することで、理解を深めながら学習をすすめていくことができます。
◆各学習内容のサポート
学習コンテンツのページ右上にあるボタンから、学習内容に応じて説明を読むことができます。たとえば、STEP3「聞く練習」や「読む練習」では、その中で出てくる新しいことばや大切なことば、表現の説明、関連する生活に役立つ情報をまとめた「日本の生活TIPS」を読むことができます。
◆課ごとのサポート
学習コンテンツのページ下部にあるボタンから、その課で学ぶ「ことば」「文法」「漢字」の意味や説明をすぐに確認することができます。
◆全体のサポート
このコースの内容一覧や語彙リスト、文法資料などがいつでも参照できます。この資料は、学習コンテンツのページからだけでなく、練習コンテンツのページからも見ることができます。また、わからないことばがあったとき、意味や使い方を調べられるように、ことば検索機能もついています。
マイページ
マイページでは、学習の進み具合を確認したり、ポートフォリオとして学習の過程で書いたものや保存したCan-doチェックを見返したりすることができます。これまでの学習の成果を確認しながら、自分のペースで学習をすすめるのに役に立ちます。また、1つのトピックの学習がすべて終わると、マイページに素敵なプレゼントが届きます!
学習進捗のページ
ポートフォリオ
レベルと解説言語
レベルと解説言語については、次の表の通りです。
レベル | 解説言語 |
---|---|
初級1(A2) | 日本語、英語 |
初級2(A2) | 日本語、英語(2021年10月開講予定) |
※現在は日本語版、英語版のみですが、今後、中国語、インドネシア語、クメール語、モンゴル語、ミャンマー語、ネパール語、タイ語、ベトナム語のコースを開講する予定です。(初級1:2022年4月、初級2:2022年10月に開講予定)
教育現場での活用
「いろどりコース」は、自学自習する学習者向けに制作されたコースですが、コースブック『いろどり』を使った教室での学習と併用することもできます。
たとえば、教室で学習したあとに、「ことばが覚えられない」「今日学習した文法をもう少し練習したい」などと感じ、復習をしたい学習者もいると思います。そんなときに、学習コンテンツや練習コンテンツ、アプリ「いろどり 練習」を使って、もう少し練習したいと思ったところを重点的に復習することができます。また、教室での学習では、場面やトピックを理解したり、話す練習をしたりするために動画を用いるなど、教室活動の一部として利用することもできます。さらに、授業の前に「いろどりコース」で自習をしてきてもらい、教室では会話練習を中心に授業を行うなどして反転授業に活用することもできるでしょう。『いろどり』を使った授業と「いろどりコース」を併用することで、教室での活動の幅もさらに広がると考えています。
このコースを通して、日本の生活場面で必要な日本語に興味がある方々に、気軽に楽しく学んでもらえることを願っています。
お問い合わせは、いろどり日本語オンラインコースの「お問い合わせ」からお願いします。皆様からのご意見やご感想、現場での活用方法などもぜひお寄せください。
<参考>
(安達 祥子/関西国際センター日本語教育専門員)