日本語教育通信 日本語教育ニュース
「いろどり日本語オンラインコース」入門(A1)コース開講!多言語対応も進んでいます!
- 日本語教育ニュース
- このコーナーでは、国際交流基金の行う日本語教育事業の中から、海外の日本語教育関係者から関心の高いことがらについて最新情報を紹介します。
2022年11月
国際交流基金関西国際センター
「いろどり日本語オンラインコース」(以下、「いろどりコース」)は、日本で生活や仕事をする際に必要となる基礎的な日本語のコミュニケーション力を身につけるための日本語コースブック『いろどり 生活の日本語』をオンラインコース化したものです。無料でユーザー登録してコースの受講ができ、日本の生活場面で必要となる日本語を、動画、豊富なイラストや音声などを使って学ぶことができます。スマートフォン、パソコン、タブレットで受講できるので、隙間時間を利用した学習にもおすすめです。
本ニュースでは、2022年10月に新たに開講した入門(A1)コースのコンテンツについてご紹介します。また、初級1(A2)コース、初級2(A2)コースで利用できる多言語解説版についてもご紹介します。「いろどりコース」全体の特徴、使い方については、こちらの記事「「いろどり日本語オンラインコース」初級1(A2)を開講しました!」をご覧ください。
トップページ
入門(A1)コースのコンテンツ
入門(A1)コースは、大きく「学習コンテンツ」と「練習コンテンツ」、そして入門(A1)コースオリジナルの「イントロダクション」の3つのコンテンツで構成されています。
入門(A1)コース トップページ
学習コンテンツ
学習コンテンツでは、『いろどり 生活の日本語』のシラバスをもとに、Can-do目標に沿って日本語を学びます。日本での生活場面で求められる基礎的な日本語コミュニケーション力を身につけることができます。
聞く練習
話す練習
話してみる(動画の人物と会話)
それぞれの課の最後のページには、「日本の生活TIPS バーチャル体験」というコンテンツがあります。これは、各課の学習内容に関連した日本文化や日本での生活に役立つ情報について、360度写真を通してバーチャル体験ができるもので、入門(A1)コースオリジナルのコンテンツです。360度写真の中では、自由に視点を変えたり、場所を移動したりすることができるので、実際にその場にいるような体験ができます。また、360度写真の中に置かれている説明を読むことで、日本文化や日本での生活への理解を深めることができます。
日本の生活TIPS バーチャル体験
練習コンテンツ
練習コンテンツは、「いろどりコース」オリジナルのコンテンツで、学習コンテンツで学んだ「ことば」「漢字」「文法」「表現」の練習ができます。入門(A1)コースでは、「ひらがな」「カタカナ」の練習もあります。
練習する課の選択
カテゴリー、練習方法の選択
文法(読んで選ぶ)
練習コンテンツは、スマートフォンアプリ「いろどり 練習」としても提供されています。2022年5月にはこれまでのAndroidアプリに加え、iOSアプリもリリースされました。スマートフォンにアプリをダウンロードすれば、オフラインで学習できるようになるので、インターネットが不安定な環境でもストレスなく練習することができます。
-
アプリトップ画面
-
インストールページ(Android)
インストールページ(iOS)
イントロダクション
イントロダクションは、初めて日本語を勉強する人がスムーズにコースでの学習を進めていけるように、日本語の特徴についての解説を読むことができるコンテンツです。「日本語イントロダクション」「ひらがな」「カタカナ」の3つの内容に分かれています。
イントロダクション トップページ
「日本語イントロダクション」では、文字、文法、発音についての解説を読むことができます。
文字
文法
発音
「ひらがな」「カタカナ」では、仮名の導入と練習があります。「発音TIPS」や「入力TIPS」で発音やタイピング方法についての解説を読むこともできます。
清音の導入
練習(聞いて選ぶ)
練習(タイピング)
発音TIPS
入力TIPS
サポートコンテンツ
「いろどりコース」では、自学自習でも学習が続けられるようにサポートするコンテンツ「サポートコンテンツ」も用意されています。サポートコンテンツについてもっと知りたい方は、「「いろどり日本語オンラインコース」初級1(A2)を開講しました!」をご覧ください。
入門(A1)コースでは初級1(A2)コース、初級2(A2)コースと同様のサポートコンテンツに加えて、「ローマ字表示ボタン」が利用可能になっています。日本語を学習したことがない人でも、文字が読めないことが理由で学習をあきらめてしまわないように、ローマ字を併記して表示できるようになっています。ローマ字表示ボタンは、入門(A1)コースの学習コンテンツ1課から10課までで利用できます。
ローマ字表示ボタン
レベルと解説言語
レベルと解説言語については、次の表のとおりです。(2022年11月現在)
レベル | オンラインコース名 | 解説言語 |
---|---|---|
A1 | 入門(A1) | 日本語、英語 |
A2 | 初級1(A2) | 日本語、英語、インドネシア語、クメール語、モンゴル語、ミャンマー語、ネパール語、タイ語、ベトナム語、中国語 |
初級2(A2) | 日本語、英語、インドネシア語、クメール語、モンゴル語、ミャンマー語、ネパール語、タイ語、ベトナム語、中国語 |
解説言語は、画面右上の三本線のボタンから変更することができます。
解説言語の変更
解説言語を変更すると、指示文だけでなく、ことばの説明や「日本の生活TIPS」、文法項目の解説、ことばの検索など、いろいろなコンテンツを自分の理解できる言語で読んだり、使ったりできるようになります。
学習コンテンツページ
ことばの説明
日本の生活TIPS
文法ノート
ことばの検索
いろどり日本語オンラインコースのこれから
「いろどりコース」では、2021年5月に最初のコースである初級1(A2)コース(日本語・英語版)を開講し、それ以降レベルや解説言語を充実させてきました。2023年4月以降には入門(A1)コースの8言語版公開を予定しており、これで全てのレベルと解説言語の追加が完了します。
今回新たに入門(A1)コースが開講され、特に、日本語をまったく知らない人でも、生活場面で必要な日本語を学びたい人に、広く学習を始めてもらえるようになりました。また、初級1(A2)コースに加え初級2(A2)コースでも日本語版、英語版に加えて8言語版が利用可能になりました。ぜひ自分の理解できる言語に変更して、よりストレスなく学習を進めていってもらえればと思います。
最近、日本語教師の方から教育現場での「いろどりコース」の活用例として、「授業中に学習コンテンツの動画を利用している」「宿題に練習コンテンツを活用している」といった声をいただくようになりました。「いろどりコース」を授業に取り入れたい、または学習者に使ってもらいたい、と考えている日本語教師の方向けに、教育現場での活用を考えることができるオンラインコースとして、日本語学習プラットフォーム「JFにほんごeラーニング みなと」上で「いろどり日本語オンラインコース活用B2自習コース」を開講しています。こちらもぜひご利用ください。
お問い合わせは、「いろどりコース」の「お問い合わせ」からお願いします。皆様からのご意見やご感想、現場での活用例などもぜひお寄せください。
<参考>
- 日本語コースブック『いろどり 生活の日本語』
- 「日本語教育通信」日本語教育ニュース「無料で使える新教材『いろどり 生活の日本語』」(2021年4月掲載)
- 「日本語教育通信」日本語教育ニュース「「いろどり日本語オンラインコース」初級1(A2)を開講しました!」(2021年6月掲載)
(笠井 陽介/関西国際センター日本語教育専門員)